4月~8月の様子
彼女は溌溂とした感じがする学生でした。
大学内での国家試験対策で出会ったのですが、いつも同じ席で熱心に聞いているので、すぐに顔を覚えました。
何度か質問にも来てくれました。問題集は何かおススメのものがないかと聞かれましたので、私が良いと思うものをすすめました。
各科目に関する質問も熱心にしてくれていたと思います。特に年金が不得意だったようで、年金の質問が多かったと記憶しています。
秋になり模擬試験のあと
秋になり、模擬試験が始まった頃から、彼女の様子が変わりました。夏休みの間に就職が決まりましたが、その就職先は社会福祉士に合格することが採用の要件になっていました。
ということは、不合格だったら内定取り消しということです。
彼女の当時の点数は70点代、合格にはあと20点足りないという状況でした。
焦っていたのでしょう。ある日、「先生、どうしたらいいですか」と泣きはらした目で相談にきてくれました。
よく話を聞いてみると、勉強とクラブチーム活動(あるスポーツ)の両立ができていないとのこと。
彼女が試合に出ないといい成績を残せないのでなかなか休みたいと伝えられないと悩んでいました。
優先順位をよく考えようと結論を出しました
そこで、国家試験の受験準備がうまくいくように、次のようにアドバイスしました。
□まずクラブチームの人たちに「国家試験まであまり時間がない」ことと素直に話して理解して(助けて)もらうこと
□スポーツはいい気分転換になるから週に1度くらい続けてはどうか?
□国家試験が終わったら、社会福祉士として地元のためにしっかり働き、そしてクラブチームにも貢献しよう
彼女はここから変わったと思います。ターニングポイントは12月初旬。
勉強の仕方に関するアドバイスはいつもと一緒です。選択肢の一つ一つを丁寧に読みながら過去問5年分を5回丁寧に解くこと。
直前の対策講座の頃(1月中旬)には劇的に変化
過去問に今まで以上に取り組むようになった彼女は、12月下旬から直前の対策講座の間にメキメキ力をつけていたようでした。
1月中旬に会った時には、私に対する「質問」の内容が変わったことを感じました。これまでと違い、質問が具体的でかつ深い内容の質問に変化していたのです。
客観的にみて「力がついたな」と思いました。最後に彼女から質問を受けたのは「成年後見」と「更生保護(要保護児童について)」でした。保佐、補助、後見人の違いについてやや曖昧だった点の整理と、12歳、14歳、16歳等の年齢別に児童福祉法、少年法、刑法のどれが適用されるのかについての最終確認。
そしてその約2週間後に本試験。
10月時点で75点あたりだった点数は103点まで伸びていました。そして合格。
4月から積み上げた基礎があったので100点を超えるところまで手が届いたということなのかもしれませんが、ラスト2か月の勢いはすごいものがあったと思います。
彼女の勉強の仕方はいたってシンプルでした。
1 過去問を繰り返し説く
2 RBで知識を補強
3 模擬試験を3社受けて
4 すべて丁寧に見直し
5 最後の2か月は死に物狂いで勉強した(本人談)
彼女は今、公的機関で社会福祉士として働いています。クラブチームにも復帰したそうですよ。
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