【社会福祉士国家試験合格体験記】誰もが合格すると信じていたのに足切り→翌年に合格

合格体験記・再チャレンジ者の体験記

養成校での様子

私が出会った時、彼女は30代後半でした。社会人経験を経た後に昼間部がある社会福祉士の養成校に通っていました。元々の大学の学部は法学部、私と同じ大学卒だったこともあり、話があいましたし得意分野も似ていました。

彼女の成績の安定感は入学当初から際立っていました。社会人経験が長いこともありマナーもしっかりしていましたし、元来の人懐こさもあり、先生からの受けも抜群によい学生でした。

すでに結婚して、お子さんがいらっしゃいましたが、家事、育児、勉強のバランスを取りながら、すべてのカリキュラムをそつなくこなしていました。

成績の推移

当時、彼女が通う養成校で「社会保障」を担当していました。社会保障は午前科目ですので社会福祉士、精神保健福祉士どちらの受験科目にも含まれています。他の学校では「低所得者対策と生活保護制度」や「福祉行財政と福祉計画」「障害者福祉論」「社会福祉概論」等を中心に担当しているのですが、その養成校は「社会保障」しか担当していませんでした。

ですので彼女の全体の成績を把握していたわけではないのですが、少なくとも社会保障についての理解はかなりのものでしたし、周囲から聞こえてくる彼女の成績で悪い内容を聞いたことがありません。

模擬試験の段階で十分に合格圏内にいましたし、そもそもその養成校は社会福祉士の合格率が80%を超えていましたので、成績がトップクラスだった彼女は余裕で合格するものと誰もが信じていたと思います。

0点科目、足切りに泣かされることになりました

彼女が足切りにあったのが「福祉行財政と福祉計画」でした。私が以前ご紹介した、足切りトップ3の科目の1つです。

彼女は総得点は全く問題なかったのに・・・これが足切りの怖さです。まさか、彼女のような優秀な学生が足切りにあうなんて、多くの教員は全く想定していませんでした。

彼女の人徳で就職先は確保

本来、合格できないと内定が取り消される病院での就職が決まっていましたが、その病院は不合格だった彼女の内定を取り消しませんでした。彼女の良さの十分に理解してくれていたので1年待つと言ってくれました。

ただ、彼女自身は、合格できなかったことに苦しんでいて(当然ですよね)、なぜ自分がこんな目にあわないといけないのか・・・と苦しい内容のメールを送ってきてくれました。

何度かやりとりするうちに、少しずつ前向きになってきたようで、私が外部で開催する直前対策講座にも顔を出してくれました。

本来の芯の強さが功を奏して、もう一度立ちあがり、翌年に無事合格を手にしました。

彼女は一度不合格になったことで、受験当日、かえって緊張しなかったと言っていました。あんな落ち方したらもう怖いものなんてありませんと笑っていたのが彼女の強さでしょう。

合格できた理由

彼女が初回の試験落ちてから、勉強しようと動き始めたのは6月を過ぎてからでした。まずは何を勉強すべきなのか?と聞かれたので次のようにアドバイスしました。

行財政と福祉計画の過去問を8年分10回ずつ解くこと

なぜかというと、彼女は、この科目に恐怖心を抱くようになっていました。まずはこれを何とかしなければと思ったからです。

他の科目はベースができあがっているので、あとは忘れないようにするだけ。とにかく行財政と福祉計画という科目に対する恐怖心を取り除くことからはじめました。

彼女は自力でもできていたと思いますが、彼女の希望もあり1対1の個別授業を受けていただき(トータルで4コマ・6時間分)、「これで大丈夫」という自信をつけてもらいました。これが6-7月でした。

ここまでした時点で行財政と福祉計画は既に過去問では満点、解いたことがない問題(過去の模擬試験等)でも7-8割は余裕でとれるようになっていました。

当日は、130点を超えていたことから、彼女がどんなに優秀なのかだけでなく、「足切りにどれほど注意を払わないといけないのか」わかっていただけると思います。

今は急性期病院のMSをしています。元来頑張り屋さんですが雰囲気は柔らかいので、患者さんもご家族も相談しやすいMSになっているでしょうね。

当時小学校低学年娘さんも中学生になりました。母親の後姿をみて、何を思っているでしょうか。彼女に似て頑張り屋さんになっているかもしれませんね。

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