「社会保障」は難しいとよく言われていますが、出題のパターンがかなりしっかりしているので、勉強するのが楽な科目だと思います。楽というのは御幣があるかもしれませんが、予想と全く違う問題が出る可能性がかなり低いです。勉強したことがそのままストレートに出てくれる科目と表現するといいかもしれません。
「貧困に対する支援」、「保健医療サービス」なども、枠組組みがしっかりしているので、問題にほとんどブレがありません。同じ枠の中から同じような問題が何度も出題されています。
一方で「社会福祉の原理と政策」は「とらえどころがない」と表現する受験生が多いです。これを勉強したら必ず点数がとれるとか、これは毎回出ているという問題が少なく、バリエーションが広いのが特徴です。「社会福祉の原理と政策」は、新カリキュラム(第37回試験〜)で登場した科目名です。旧カリキュラムでは「現代社会と福祉」という名前で、ほぼ同じ内容を扱っていました。科目名は変わっても、「歴史」「思想・哲学」「福祉政策の仕組み」を扱うという中身の骨格は大きく変わっていません。もし旧カリキュラムの参考書や情報に触れる機会があっても、「現代社会と福祉=今の社会福祉の原理と政策」と読み替えれば、そのまま参考にできます。
出題基準
出題基準は全部で大項目11個あります。
()内は過去4年間で出題数です。*旧カリの「現代社会と福祉」の出題回数も含めます
①社会福祉の原理 (1)
②社会福祉の歴史(5)
③社会福祉の思想・哲学、理論(5)
*②③は主に歴史と人名問題
④社会問題と社会構造(4)
⑤福祉政策の基本的な視点(7)
⑥福祉政策におけるニーズと資源(0)
⑦福祉政策の構成要素と過程(3)
⑧福祉政策の動向と課題(6)
⑨福祉政策と関連施策(5)
*⑧⑨は時事問題
⑩福祉サービスの供給と利用過程(2)
⑪福祉政策の国際比較(0)
出題数は9問。他の科目は概ね6問ですから、共通科目の中でも重要度の高い科目です。
②社会福祉の歴史・③思想・哲学、理論とはどのような問題なのか
このうち②「社会福祉の歴史」は歴史の問題です。③「社会福祉の思想・哲学、理論」は人名問題、どちらもは、日本と欧米、それぞれの社会福祉の歴史的展開や有名な思想、それに関する人名についての知識が確認される問題が中心です。
「人名」+「年表」の問題が中心と言っていいでしょう。歴史は社会保障や児童、高齢者、障害の各論でも出題されるので、必ずおさえなければならないポイントです。現代にいたるまでの歴史(プロセス)を知っておくことは、社会福祉士の国家試験には不可欠です。
歴史は各項目ごとにこちらにまとめてあります。


歴史はまず大枠から、いきなり完璧を求めない!
年表はまず大きな枠組みを覚えましょう。どんな時代だったのかのキーワードを抑えるのです。ざっくりいうと、こういう大きな流れです。まずは日本から。
1920年代 世界恐慌 救護法ができる はじめて医療保険ができる(健康保険法)
1930年代 国民健康保険法もできる(まだ皆保険ではない)
1940年代 第二次世界大戦が終わり、福祉三法が制定される
1950年代 社会福祉事業法(現社会福祉法制定)高度経済成長がはじまり、国民保険、皆年金の準備が整う
1960年代 福祉六法完成 国民皆保険・皆年金が実現
1970年代 児童手当 1973年は「福祉元年」高齢者の医療費も無料!→まさかのオイルショック
1980年代 老人保健法を制定 高齢者の医療費をやはりとろうということに
1990年代 福祉八法改正→基礎構造改革が動き始める
2000年 社会福祉基礎構造改革 措置から契約へ
2000年代以降 地域包括ケアシステム、地域共生社会、重層的支援体制整備事業・・・「地域」がキーワードになる時代へ
この流れが掴めてきたら、少しずつ間を埋めていきます。
幹がしっかりしてきたら枝葉を足していくイメージです。
①高齢化率を7、14、21%を超えたのは?
②ゴールドプラン、エンゼルプラン、障害者プランはいつ作られた?
③虐待防止法(児童、高齢、障害)はいつ策定された? 等
さらに、この年表にあわせて、海外では何があった?を整理するともっとすっきりします。
大きな流れをつかんでいないうちに、年表を完璧に覚えようとするのは効率が良くありません。
まずは国家試験によく出題されている年表を覚え、たまにしか出ていない問題を覚え、めったに出ていない問題は余力があれば覚えるくらいの気持ちでいきましょう。
国家試験はカッコ埋め式のような問題は出題されませんので、年代だけ暗記しようとするのもやめましょう。大切なのは「時代背景」と「内容」です。
各論科目の完成度も「社会福祉の原理と政策」には大切です
「児童」「高齢」「障害」分野でも「人名」「年表」が出てきます。この勉強が進んでくると、必然的に「社会福祉の原理と政策」の問題の完成度も高くなってきます。
なかなか勉強の効果が表れにくくて焦る科目の1つかもしれませんが、枠組みをしっかり作り、その上で細かい部分をどんどん補っていくようなイメージで、覚えていきましょう。
「解けるようになってきた!」を実感することも大切なので、過去問もみて「知ってる」「わかる」選択肢を増やしていきましょうね。
歴史の覚え方についてはこちらも参考していただけると嬉しいです

歴史・年表の記事はこちら
人名を切り口に整理したい方はこちらも参考にしてください。


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