平成31年度 医療&年金保険の改正点

第32回時事問題

国家試験前に気になる「改正点」をまとめました

国家試験前に気になる社会保険の改正点をまとめてあります。今回は「医療保険」と「年金保険」(平成31年4月1日変更)です。

その他、「介護」「子ども子育て関係」「福祉関係」の改正点がありますが、それは次回にとりあげます。

年金保険の改正点 やっと国民年金にも産前産後期間の免除制度ができました!

今回、平成31年4月1日から改正が行われたのは「国民年金」です。「厚生年金」ではありませんので注意してくださいね。

現在、国民年金の保険料は16,410円。国民年金の保険料は、所得に関係なく一律に徴収されます。これが、報酬に基づいて算定される厚生年金の保険料との大きな違いです。

ただし、様々な理由で保険料の納付が困難な場合等、「法定免除」「申請免除」の手続きが可能です。

一定の要件のもと、また学生納付特例制度や納付猶予制度等も用意されています。

そして今回新たにできたのが「産前産後期間の免除制度」です。

出産予定日又は出産日が属する月の前月から4か月間(以下「産前産後期間」といいます。)の国民年金保険料が免除されます。

なお、多胎妊娠の場合は、出産予定日又は出産日が属する月の3か月前から6か月間の国民年金保険料が免除されます。

ちなみに、ここでいう「出産」というのは妊娠85日(4か月)以上の出産をさしますので、死産、流産、早産された方も含んでいます。

では、厚生労働省のサイトのQ&Aから特に重要だと思われる点について抜粋&説明しておきますね。

Q2 産前産後期間の免除は、年金額を計算するときに免除期間として扱われますか?

A2 産前産後期間として認められた期間は保険料を納付したものとして老齢基礎年金の 受給額に反映されます。

解説→通常、免除期間や猶予期間は「保険料を納付したもの」として反映されないので、一定程度年金の受給額が減ります。一方で産前産後休暇期間中は、「保険料を納付したもの」とみなしてくれるので、年金は減りません。これは、第一号被保険者にとっては、大変ありがたい制度改正になるでしょう。

これまで厚生年金の保険料は産前産後期間中、すでに保険料は免除されていたので、厚生年金とのバランスをとった改正になるようです。

Q3 産前産後期間は付加保険料を納付することができますか?

A 産前産後期間の保険料は免除されますが、付加保険料は納付することができます。

解説→付加年金は通常、国民年金の免除期間中の納付はできませんが、産前産後期間中の付加年金の保険料は納付可能です。国民年金だけでは将来の年金額がやや不安だという方に対する上乗せ制度として付加年金があるので、将来の安心につながる改正です。

以上が、今回の年金保険の改正点です

医療保険の改正点 国民健康保険料の賦課限度額引き上げ

*ここからは、国家試験に必要な知識を簡潔にまとめています。わかりやすく書こうと努めているので、やや表現が正確でないところがあります。国家試験にはこれくらいの知識で十分ですが、より正確に詳細を知りたいという方は必ず厚生労働省のHPを確認してくださいね。

国民健康保険の保険料は、「応益分」と「応能分」を組み合わせて決定されます。

その際、応益分はその方の年収などの関係なく一律に負担しなければなりませんが、応能部分は所得に応じて保険料が決定されます。

この応能部分の保険料の計算の仕方が今回少し改正されることになりました。

応能といっても、「所得が増えた分だけ際限なく保険料をあげる」という仕組みになっているわけではありません。いわゆる「上限」というのが設定されていました。

つまり、上限額が50万円なら、その方の所得が50万円でも60万円でも100万円でも50万円で保険料を決定します。これが「上限50万円」という意味です。

そして今回この上限が30,000円引き上げられることになりました。具体的には下記の表をご参照ください。

合計のところをみてください、これまでの上限が「93万円」でしたが「96万円」に引き上げが行われているのがわかります。

なぜ上限を引き上げることになったかについて厚生労働省は次のように説明しています。

平成31年度においては、高齢化の進展等による医療給付費等の増加が見込まれる中で、保険料負担の公平を図る観点から、 基礎賦課分を3万円引き上げることとする。

厚生労働省ホームページ

以上、年金保険と医療保険の改正点をまとめました

平成31年度4月1日からの改正点は以上です。年金や医療保険は、現存の制度が理解できていない時に改正点をみても、分かりづらいかもしれません。

まずは現存の制度をみて、全体像が見えてきたら今回の改正点がどのような意味を持っているのか見えてくると思います。

分かりづらい時は下記のようなHPも参考になります。

日本年金機構ホームページ

こちらは少し難しいですが、興味がある方はぜひ!

上限額見直しの理由について厚生労働省の説明資料

改正点は以上です。下記のブログも参考になるものがあるかもしれません。

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