社会福祉士や精神保健福祉士を取得したその後に狙いたいもの

社会福祉士の仕事について

国家試験に合格した後こそ最大のチャンス

国家試験に合格した後だからこそ、次にチャレンジしてほしいのが「次の資格」です。「合格後はゆっくり休みたいのに」と思われますか?

そうですよね・・・でも国家資格の後の研ぎ澄まされた脳はすごい力を秘めていますから、さっさと次の資格をとってしまうことをおすすめしています。

まず精神保健福祉士に合格した方は社会福祉士を。私の経験では2回目までで100%の人が社会福祉士に合格しています。

そして一緒にとってしまいたいのがケアマネです。もちろん実務経験がある方が前提なので、それまでに介護の実務経験があるとか、夜間部の学生をしている間に福祉や介護の分野での実務経験がある等の条件を満たしている必要がありますが(しかも資格要件が少々厳しくなりましたよね)

その実務経験を持っているのであれば、ケアマネを使うか使わないかは別にしてひとまず受験してみてください。

もし、これまで現場経験がないのであれば、実務経験年数をクリアしたら、できるだけ早く受験しましょう。

※平成29年度の試験まで要件として認められていた、介護職員初任者研修(ホームヘルパー2級)等の資格を保有していて5年間介護等の業務に従事している方や、介護等業務10年(無資格可)10年間介護等の業務に従事している方に関しては受験要件から除外されました。

ケアマネの受験資格が取得できていない場合(実務経験が不足している)は、福祉住環境コーディネーターはいかがでしょうか。ケアマネほど就職に有利な資格ではないかもしれませんが、脳を刺激し続けるにはいい検定試験だと思いますし、医療と福祉、住環境の知識がバランスよく習得できます。

不思議なもので、受験脳になっている時って合格しやすいんです。時間が経てば経つほど、また受験脳に戻さないといけないので、少し大変です。

鉄は熱いうちに・・・ではないですが、脳もサクサク動くうちに次の資格をとって武器を一つ一つ増やしましょう。

ケアマネの対策講座をしていて思うこと

毎年8月~9月にかけて、ケアマネの対策講座を担当します。ケアマネを受験される方は介護分野で働かれている方がほとんどで、実務は長けていらっしゃっても、制度論はかなり苦手という方が大変多いです。

そうですよね。いきなり介護保険法第〇条〇項だの、事業所の指定は都道府県が出すのか、市町村が出すのかなどの実務にはほとんど関係ないものが出題されるわけですから、難しくて当たり前だと思います。

一方で、社会福祉士の試験を受けられた後というのは、「社会保障」で介護保険をしていますし、午後科目の「高齢者の支援と介護保険制度」を勉強したあとですから、少しだけ上乗せして勉強すれば合格できるラインに達することができます。

もちろん介護福祉士や理学療法士や作業療法士、言語聴覚士等の資格をお持ちの方も国家試験の際に介護保険の勉強をしますからかなり有利です。

つまり、次の資格取得を視野にいれながら、社会福祉士や精神保健福祉士の勉強をすることで、キャリアの広がりをイメージしながら次の準備ができるということなのです。

いつの間にか武器になっているもの・・・それが資格

管理職の要件や、診療報酬、介護報酬の加算要件は国の政策によって見直しが行われます。見直しの度にどのような資格や実務経験が求められるようになるのか誰にもわかりません。ですから、今持っている資格やチャレンジしようかと考えている資格が必ず役立つというものではないかもしれません。

でも、その資格が後に自分を助けてくれることがありますし(私もありましたし)、そのおかげで仕事の依頼がくることもあります。

例えば、ケアマネがあれば介護保険系の事業所の管理職に抜擢しやすいのは容易に想像がつきます。たとえケアマネの実務経験がなくても、介護保険に強い管理者は組織の中で本当に頼りになるのです。

・・・以前、病院で法務の仕事をしている時に一番神経をつかっていたのは行政監査でした。介護保険の報酬請求や加算要件を満たしているかどうか、管理者が介護保険の仕組みを理解してくれていないと監査を安心して受けられません。そして指摘された時に管理者が適切に回答できなかったり、誤った請求をしていることにすら気が付いていなかったりすると、最悪の場合指定の取消になります。だからこそ、組織としては介護保険の基礎がしっかりしている人に管理者を任せたいです。その基礎を培えるのがケアマネの試験であり、証明してくれるのがケアマネの試験です・・・

先ほども書きましたが、ケアマネの資格をとっても、それがいつ役に立つのかはわかりません。でも、どんな時代でも柔軟に仕事ができるよう、自分のキャリアをマネジメントすることが大切なのだと思います。

実は私も・・・20年前までは教員や講師になるなんて思ってもいませんでした。離れてくらしていた夫と一緒に住むために辞めてしまった銀行にまた戻りたいなと思って再び勉強をはじめただけだったのです(当時は民法を勉強したいと思っていたのに、結局は社会保障法を勉強しました。人生は不思議ですね)。

その後、好きなことを勉強しているうちに大学院に進学する機会に恵まれました。それが結果的に教員要件をクリアするきっかけになりました。それが今の仕事につながっています。

もし自分の強みや武器をもっと増やしたいと思うようでしたら、ぜひ次の資格、キャリアの広がりをイメージしながら社会福祉士や精神保健福祉士の勉強をしてくださいね。

次から次に世界が広がるのを感じることができると思います。福祉の分野には興味深い課題がまだまだたくさんあります。ワクワクしながら次に何を勉強するのか考えられると、学びがもっと楽しくなりそうですね。

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