【社会福祉士として働く】第31回出題ホスピス(緩和ケア病棟)の特徴は?一般の病棟と何が違う?

社会福祉士の仕事について

第31回の社会福祉士国家試験では、緩和ケア病棟(ホスピス)について、出題されました。

ホスピスとは?


主にがんなどの病気に伴う痛みや不快な症状、気持ちのつらさを和らげ、一日一日を大切に生活していただくことを目的とした病棟です。通院や在宅療養では症状を和らげることが難しく、入院が必要と判断された患者さんが対象です。
当病棟では、患者さんやご家族の皆さんに安心して治療やケアを受けていただけるように医師、看護師、薬剤師、栄養士、理学療法士、退院支援担当看護師(社会福祉士)、ボランティア等が皆さまの生活をお手伝いいたします。

市立川西病院HP

末期がんの最期をホスピスで過ごした親戚がいましたが、まさに上記のような支援が行われていました。

苦痛や不安を解消するために必要な薬を薬剤師に相談したり、食事がすすまない時や、食欲がない時に栄養士と一緒に対処方法を考えたり。積極的な治療をするというよりも、患者本人や家族のQOL(生活の質)を高めることができる支援を目指す場所ですね。

患者本人はもとより、家族の支援が含まれていることも緩和ケア病棟の特徴の一つだと思います。

特定非営利活動法人日本ホスピス緩和ケア協会では、ホスピスの目的をこのように表現しています。

緩和ケア病棟でも社会福祉士の役割

緩和ケア病棟のこのような特徴をみると、社会福祉士の役割が少し見えにくくなってくるかもしれません。社会福祉士は緩和ケア病棟でどのような役割を果たしているのでしょうか。

1 費用に関するわかりやすい説明

 緩和ケア病棟への入院を希望される方は生命の危機に直面されています。その上、高額になることが多い癌の治療費にも悩まされているかもしれません。

 平成30年度の診療報酬改定で、緩和ケア病棟の入院料は入院日数や施設基準によって細かく分類されていますが、緩和ケア病棟の入院料いついては高額療養費が適用されますので、1か月の自己負担額を一定の金額のおさえることが可能です。その際、後日申請して払い戻しを受けるよりも、最初から限度額まで負担するだけですむように「限度額適用認定証」を受けておくと、患者さんの負担を最小限におさえることができるでしょう。これらの支援を行うのが社会福祉士の大切な役割です。

 一方で、高額療養費の対象にならない食事代の自己負担分+差額ベッド料(部屋代)等は、全額自己負担になります。あらかじめ概算などをわかりやすい説明することが大切です。

なお、緩和ケア病棟の病床の半数以上は差額ベッド料がかからない病床にすることになっているので、近年個室代の負担が相当軽くなっていると言われています。

2 退院を希望する者に対する支援

 末期がんの患者さんで自宅で過ごすことが希望された場合、退院後あらゆる支援が必要になります。少なくとも、往診、訪問看護、訪問介護、訪問リハビリテーション等が必要になるケースが多いでしょう。

 末期がんは特定疾病の1つですので、これらのサービスは40歳以上であれば、介護保険の適用を受けることが可能です。要介護認定の申請やケアマネとの連携などをはかることにより、スムーズに退院し、自宅での生活に移行できるように支援するのが社会福祉士の役割です。

先の川西病院のHPにあるQ&Aでは次のようなものがありました。

この連携の中心になるのが、社会福祉士だという病院が多いようです。

緩和ケア病棟のポイントは下記の通り!

□ 抗がん剤等の積極的治療は行わない

□ 本人や家族の生活の質の向上を目指した支援を行う

□ 退院を望む患者さんには様々な専門職と連携して支援を行う

(国家試験には1の抗がん剤の治療等を行うかどうかという視点で出題されていました)

市立川西病院の緩和ケア病棟Q&Aより

緩和ケア病棟の実際の画像等をご覧になりたい方はこちらのHPが参考になります。

がん情報センターHP

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