国家試験受験科目で鍵になるのはどれか?
社会福祉士国家試験の勉強が大変なのは、「科目が多岐にわたること」ではないでしょうか。
人体あり、心理あり、各社会保険に社会手当、障害者総合支援法、児童福祉法、相談援助・・・こんなに色々な科目を勉強するわけですから大変に決まっています。
その中でも私が総得点を左右すると思っている科目があります。これが苦手だと社会福祉士の勉強全体がやりづらくなることを、日々感じているので、苦手意識をもってほしくない分野です。
その科目は様々な制度の基本にあるもので、この制度の知識がすべての科目の基礎を整えていると思います。
その科目は何だと思いますか?・・・
その科目なんだと思いますか?それは「社会保障」。
「社会保障」苦手な方、多いのではないでしょうか。
社会保障は日本国憲法第25条第2項の中で使われている言葉です。1950年勧告の中では社会保障制度についてさらに詳しく説明しています。
「いわゆる社会保障制度とは,疾病,負傷,分娩, 廃疾,死亡,老齢,失業,多子その他困窮の原因に対し,保険的方法又は直接公の負担において経済保 障の途を講じ,生活困窮に陥った者に対しては,国 家扶助によって最低限度の生活を保障するとともに, 公衆衛生及び社会福祉の向上を図り,もってすべて の国民が文化的社会の成員たるに値する生活を営む ことができるようにすることをいうのである。」
社会保障制度に関する勧告(一度お読みになることをお勧めします)
これをみてわかる通り、
病気やけがをしたら「医療保険」
年をとったり、障害を有するにいたったり、生計の担い手が死亡した時は「年金保険」
失業した時は「雇用保険」、
仕事中の病気やケガには「労災保険」
のように、
生活に困窮しやすい原因に対して各制度が用意されています。
そして時代が変化することにより「介護」も社会保障の分野に入ることになり、「介護保険」が登場したということになります。
なぜ「社会保障」が大事なのか
社会保障は様々な他の科目との関連性が強い科目です。
例えば医療保険が苦手だと「保健医療サービス」も苦手になるでしょう。
年金保険が苦手だと「高齢者に対する支援」「障害者に対する支援」が苦手になるでしょう(高齢者、障害者との年金制度と関連が深いのはお分かりいただけると思います)。
当然介護保険が苦手な方は一緒に高齢者分野が苦手になってしまうというからくりです。
雇用保険は就労支援という科目に関連が出てきますし、労災が理由で障害が残ったという場合などは労災保険と介護保険、障害者総合支援法について複合的に問う事例問題が簡単に作れるのです。
社会保障を勉強したからといって社会保障が満点になると言っているわけではありません。むしろ、相談援助系の科目は出題数も多いですし、事例問題も多いので点数がとりやすいです。
ですので、社会保障ができるようになるというのは、目に見えにくい土台を作っているイメージです。この土台がしっかりしていると、各科目が理解しやすくなり、トータルでみると点数を底上げしてくれます。
苦手だからこそ最初にやっつけてください
苦手だからこそ逃げ回らず最初にやっつけてください。
私はいつも学生に「まず最初に勉強してほしい」とお願いしています。社会保障ができるようになると「できる感」がどんどん増してきて、点数がとれる自分が少し見えるようになってきます。そして社会保障が得意な学生はかなりの高得点で合格するケースが多いです。
やってもやっても点数があがらないのは辛いものです。だからこそ、社会保障からやりましょう。必ず「点数がとれる自分」が見えてきますし、意外と点数とりやすい科目です。
後回しにしていると、結局、「点数がのびないのはここか」と後から思い知ることになります。それなら早めにすませてしまいましょう。
「予想もしなかった問題」があまり出題されないので「基本に忠実な科目」で意外と勉強しやすいんですよ。
難しさにもあまり波がないのも特徴です。時折データ系の問題や諸外国の社会保障制度でやや難易度が高い(難しいというよりも、内容が細かい)問題が出題されることがありますが、稀です。いつもだいたい同じくらい難しく、同じような問題が出題されるのが社会保障。安定感がある科目だな・・・と毎年思います。
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