第31回の試験では「時事問題」が急増しました。テキストだけではわからない「今、話題になっていること」が試験問題の視点に含まれていたことは、以前記載した通りです。今年も何が出題されるかわかりませんが、時折、気になったニュースを紹介します。
今日、お昼前にめったに見ないテレビを何気なくつけたら、地元のケーブルテレビ?みたいなもので、市役所が行っている犯罪被害者対策について取り上げられていました。
皆さんも、ご自身がお住まいの市町村がどのような取組をしているのかぜひお調べくださいね(興味を持つことが、勉強を楽にする第一歩)。
「犯罪対策者等基本法」は、警察庁のHPで条文を確認していただけます。条文数は少ないので、ぜひご覧ください。
犯罪被害者に対する福祉的配慮
警察庁というと、福祉的視点はあまり感じられないかもしれませんが、次のような条文があります。
*相談体制を整えること
(相談及び情報の提供等)
第十一条
国及び地方公共団体は、
犯罪被害者等が日常生活又は社会生活を円滑に営むことができるようにするため、
犯罪被害者等が直面している各般の問題について相談に応じ、
必要な情報の提供及び助言を行い、
犯罪被害者等の援助に精通している者を紹介する等必要な施策を講ずるものとする。
*賠償請求が円滑にできるように刑事に関する手続きと連携を図る制度を拡充すること
(損害賠償の請求についての援助等)
第十二条
国及び地方公共団体は、
犯罪等による被害に係る損害賠償の請求の適切かつ円滑な実現を図るため、
犯罪被害者等の行う損害賠償の請求についての援助、
当該損害賠償の請求についてその被害に係る刑事に関する手続との
有機的な連携を図るための制度の拡充等必要な施策を講ずるものとする。
*経済的負担の軽減を図るために給付金を整備すること
(給付金の支給に係る制度の充実等)
第十三条
国及び地方公共団体は、
犯罪被害者等が受けた被害による経済的負担の軽減を図るため、
犯罪被害者等に対する給付金の支給に係る制度の充実等必要な施策を講ずるものとする。
*犯罪被害者が治療や福祉サービスの利用が必要な場合に、適切に提供される施策を講じること
(保健医療サービス及び福祉サービスの提供)
第十四条
国及び地方公共団体は、
犯罪被害者等が心理的外傷その他犯罪等により心身に受けた影響から回復できるようにするため、
その心身の状況等に応じた適切な保健医療サービス及び福祉サービスが提供されるよう
必要な施策を講ずるものとする。
*犯罪が原因でこれまでの住宅で生活するのが困難になった時には公営住宅への入居に配慮すること
(居住の安定)
第十六条
国及び地方公共団体は、
犯罪等により従前の住居に居住することが困難となった犯罪被害者等の居住の安定を図るため、
公営住宅(公営住宅法(昭和二十六年法律第百九十三号)第二条第二号に規定する公営住宅をいう。)
への入居における特別の配慮等必要な施策を講ずるものとする。
*雇用の安定のために、犯罪被害者が置かれている状況について事業主の理解を深めること
(雇用の安定)
第十七条
国及び地方公共団体は、犯罪被害者等の雇用の安定を図るため、
犯罪被害者等が置かれている状況について事業主の理解を深める等必要な施策を講ずるものとする。
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犯罪被害者に対する刑事手続き上の配慮
また、刑事手続きについては次のような条文があります。さらなる犯罪に巻き込まれないようにすること、刑事手続きの進捗状況等について情報を提供したり、手続きへの参加の機会を拡充すること等です。
(安全の確保)
第十五条
国及び地方公共団体は、犯罪被害者等が更なる犯罪等により被害を受けることを防止し、
その安全を確保するため、一時保護、施設への入所による保護、防犯に係る指導、
犯罪被害者等がその被害に係る刑事に関する手続に証人等として関与する場合における特別の措置、
犯罪被害者等に係る個人情報の適切な取扱いの確保等必要な施策を講ずるものとする。
(刑事に関する手続への参加の機会を拡充するための制度の整備等)
第十八条
国及び地方公共団体は、
犯罪被害者等がその被害に係る刑事に関する手続に適切に関与することができるようにするため、
刑事に関する手続の進捗(ちょく)状況等に関する情報の提供、
刑事に関する手続への参加の機会を拡充するための制度の整備等必要な施策を講ずるものとする。
推進会議の設置・基本計画について
次のような「犯罪被害者等施策推進会議」についても記載されています。基本計画も政府が策定しています。
第二十四条
内閣府に、特別の機関として、犯罪被害者等施策推進会議(以下「会議」という。)を置く。
(犯罪被害者等基本計画)
第八条
政府は、犯罪被害者等のための施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、
犯罪被害者等のための施策に関する基本的な計画(以下「犯罪被害者等基本計画」という。)
を定めなければならない。
ちょっとしたニュースに興味を持つことが、現代社会と福祉の問題を解く時に役立つかもしれません。
電車内のスマホタイム、たまにはニュースを検索してみてくださいね。
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