子どもの貧困(相対的貧困率):社会福祉士精神保健福祉士時事問題

試験に関連があるデータ・時事等

OCCD加盟国で最悪の水準・・・子どもの貧困

我が国は押しも押されぬ先進国であり経済大国であるにかかわらず、子どもの貧困率は最悪の水準にあると指摘されています。

子どもの貧困率は絶対的貧困ではなく相対的貧困の割合をさすもので、現在の子どもの貧困率は13.9%(2015年)。

以前の16.3%(2012年)よりは改善したものの、今でも大きく改善できているわけではありません。

相対的貧困と絶対的貧困

絶対的貧困とは衣食住にも欠く状況をさすものですが、子どもの貧困は相対的貧困という考え方を用いています。

相対的貧困とは全世帯の等価可処分所得をの中央値をまず出し(自分たちで使える処分可能な所得の中央値)ます。その上で、その中央値と比較しても半分以下しかない世帯で暮らしている人の割合をさすものです。

では、現在、そのような世帯で生活する人はどれくらいいるのでしょうか。厚生労働省のデータ(貧困の現状)をご覧ください。

平成27年の相対的貧困率が全体で15.6%、子どもの貧困率は13.9%でした。前回の平成24年の調査よりは改善していますが、良い状況ではありません。

また子どもがいる世帯だけでみると、大人が1人(母子家庭や父子家庭等)の貧困率は50.8%と極めて高く、大人が2人の場合は貧困率は10.7%であることも興味深いです。

ちなみに現在の中央値が245万円ですから、その半分122万円以下の暮らしをしている子どもの割合を出していることになります。

子どもの貧困対策の推進に関する法律

このような状況を受け、平成25年には子どもの貧困対策に関する法律が制定されました。子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることがないよう、貧困の状況にある子どもが健やかに育成され、教育の機会均等を図るために、総合的に対策を推進することを目的としています。

□政府は貧困対策に関する大綱を定め

□内閣府に子どもの貧困対策会議

が設置されるなど、政府全体で改善に取り組んでいる最中です。

教育、生活、保護者の就労、経済的支援などを総合的に

政府は「教育」「生活」「保護者の就労」「経済的支援」等を主な柱にしており、具体的には教育費の負担軽減、手当の見直し、子どもの居場所の確保、就業支援専門員による支援(ひとり親世帯による就労支援)が行われています。

文部科学省のホームページが参考になります。

子どもの貧困の問題は、「児童」の問題でもありますし「低所得者対策」「就労支援」にも関連があります。

絶対的貧困や相対的貧困の考え方も含めて、確認をしておきたいデータです。

現代社会の時事の問題としても出題される可能性があると思います。

 

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