【社会福祉士公務員】【社会時事】幼保無償化法案参院審議がはじまりました

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ついに、幼保無償化参院審議入り

阿部首相が掲げる「全世代型社会保障」の一環として注目される「幼保無償化」法案が衆議院を通過し、参議院での審議がはじまりました。

全世代型社会保障とは?

まず「全世代型社会保障」とは何でしょうか。

これまでわが国では、社会保障の財源のほとんどが「医療」「年金」に使われ、ほとんどが高齢者を対象とした施策に使われていました。そこで、子育て世帯を社会保障の対象に含む「全世代型社会保障」の必要性が意識されるようになった、ということです。

具体的に数字をあげると、平成30年度の一般会計予算のうち、社会保障関係費が34.3%で、総額32兆9732億円です。そのうち年金に35.4%、医療に35.2%、介護に9.4%を占め、それ以外の少子化対策に6.5%、生活扶助など社会福祉費に12.3%程ですので、非常に高齢者よりの予算が組まれていることがわかります。

そこで、この全世代型社会は高齢者以外の子育て世帯をも対象にした社会保障制度をイメージしているもと理解できるでしょう。

大きく、次の3つに分類して取り組まれています。

政府広報オンライン「社会保障と税一体改革」参照)あ

①子育て世帯

②医療・介護

③年金

具体的には①-③に対応し、次のような制度改革が行われています。

①子育て世帯

まず平成27年4月~「子ども子育て新支援制度」がはじまり、子育て世帯のニーズにきめ細かな対応することや新しい保育所の受け皿を確保することが決まりました(待機児童解消加速化プラン)。

②医療・介護

できるだけ早い社会復帰、それに向けたリハビリの実施などを行う「在宅支援」や、住み慣れた地域で暮らし続けることができる「地域包括ケアシステムの構築」目指す。

③年金

年金では遺族年金の支給を父子家庭にまで拡大したり、老齢年金の受給資格期間を25年から10年に短縮することにより、制度の充実をはかっています。

これらの①-③のような体制を整えることにより「全世代型社会保障」を構築することが目指されています。

幼保無償化の内容は?

具体的には次のような内容が審議されます。

□0-2歳児は非課税世帯のみ認可保育所や認定こども園、幼稚園の利用料を無料にする

□3-5歳児は原則全世帯上記無料にする

□これらの剤店は消費税10%増税分を財源に充てる

幼保無償化は子育て世帯に対する負担軽減になり、少子化対策になるのではないかと期待される一方で、次のようなことが懸念されています。

□無償化すると潜在的な需要が喚起される

→「無料なら使おう」という世帯が増える

□その結果、待機児童の問題がさらに深刻になる

日本経済新聞 2019年4月13日 参照

そもそも全世帯型社会保障は「社会保障・税一体改革」の一環として行われているものです。

我々の税金がどのように徴収され、そして使われるのか、我が国の社会保障制度の在り方をどのように考えていくのかが改めて問われそうです。

公務員試験、社会福祉士、精神保健福祉士の国家試験などでも重要な視点です。特に「社会保障」「行財政と福祉計画」「児童家庭福祉」のキーワードになってくるのではないかと思われます。

(今年は児童福祉系のニュースが多いですね)

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