ボーナス問題(易しい問題)は激減
以前、まったく勉強していない状態で国家試験を解くと何点取れるのかを検証したことがあります。ある本に「国家試験問題の20%は一般常識」と書いてあり、それが本当かどうかを確かめたかったからです。
協力してもらったのは、15歳から22歳の高校生と大学生10人です。社会福祉を学んでいる学生ではありません。一般の学部生と、高校の普通科に在籍している生徒です。2人は自分の子どもに頼み、残りの8人は私費でアルバイトとして雇いました。社会福祉士の過去問を2年分解いてもらい、確信を持って答えたものには〇、当てずっぽうで答えたものには△を付けてもらいました。
結果は、一番低い人で31点、一番高い人で46点でした。当時は150問ですので、専門的に勉強していなくても30問から40問は解けるということになります。20%は一般常識という記述は、当時については本当でした。
ただし、これは150問だった頃の話です。恐らく今同じことを検証しても同じ結果にはなりません。第37回から問題数が129問になり、内容も大きく変わりました。以前のように、一般常識で解ける問題は、ほとんど出題されていません。
第37回と第38回の合格基準点
社会福祉士国家試験の合格基準は、総得点の60%程度を基準として、問題の難易度によって補正した点数以上を得点することです。あわせて、6つの科目群すべてで得点する必要があります。
新しいカリキュラムになってからの2回は、次のとおりでした。
・第37回 62点(129点満点)
・第38回 50点(129点満点)
129点の60%は約77点です。第37回も第38回も、そこから大きく下がっています。第38回は、共通科目免除の場合が17点(45点満点)でした。旧カリキュラム最後の第36回は90点(150点満点)で、ちょうど60%でしたから、変化の大きさがわかります。
ここで意識してほしいのは、1点の重みです。第36回は90点が必要で、そのうちの1点は約1.1%にあたります。第38回は50点が必要で、1点は2%にあたります。合格に必要な点数のうち1点が占める割合が、およそ2倍になりました。1問の取りこぼしが、以前よりも大きく響きます。
難しくなっても、やることは変わりません
問題が難しくなったと聞くと、これまでの勉強では足りないのではないかと考えてしまいます。ですが、やることは変わりません。
難しくなったとはいえ、過去問を3年分ほど解いた方であれば、見覚えのある単語が7割を超えています。問題そのものは新しくても、扱われている用語は過去問の範囲に収まっているということです。まったく知らない言葉ばかりが並んでいるわけではありません。
ですから、どこが出そうかと山をはる勉強や、変わった問題ばかりを集めて解く勉強は、かえって不利になります。基本に忠実に、試験センターが公表している出題基準の大項目、中項目、小項目に沿って進めてください。自分がいまどこを勉強しているのかを、出題基準の上で確認しながら進めるほうが、結果として効率よく勉強できます。私は授業をするときもチェックリストを各大学別に用意し、優先順位が高いところから説明し、終わったところにチェックを付けるようにしています。
科目ごとの優先すべき分野を知りたい方はこちら
→科目別 出る順 記事マップ|過去問から決める勉強の順番
過去問は、ぬりえのつもりで解いてください
過去問は3年分、できれば5年分を、3回から5回繰り返してください。
解くときは、ぬりえをしているつもりで進めてください。知らないところを塗りつぶしていくイメージです。雑に塗ると隙間ができます。その隙間が、本番で解けない問題になります。
過去問に「解き終わった」の印を付けたり、正の字を書いたりしているだけになっていないか、ときどき確認してください。解説を読み、わからないものはテキストや資料で確認してから次に進んでください。時間がないときもありますので、完全にとは言いません。それでも、塗り残しを作らないという意識を持ってください。
過去問を3回繰り返したあとに一問一答形式の問題集を解くと、以前は全滅だったものが解けるようになっています。自分でその差に驚くはずです。そこまで来ると、勉強が少し楽になります。
模試の受け方については、こちらの記事に書いています。
→模試の選び方と受け方|難易度の違う模試を組み合わせて会場で受ける
模試の結果をどう受け止めるかについては、こちらの記事に書いています。


コメント