国家試験にもある「縦割り」勉強の弊害

勉強の仕方

「縦割り」の弊害

社会福祉士の受験科目は19科目。こういう書き方をすると、いかにも科目が単独で19科目並んでいるように見えるかもしれません。

でも、この科目は全て社会福祉士に関連する科目ですから、科目同士のつながりや関連性が必ずあります。

私が国家試験対策の中で必ず伝えていることがあります。それは「最初は縦割り(科目ごと)の勉強でも、最終的には制度を横断的に理解できるようになってほしい」ということ。

国家試験の勉強も縦割りではうまくいきません

わかりやすい例をあげておきます。

「14歳で障害を有するにいたった児童」という事例を問題にすると、これは「障害児」の事例になるので「児童福祉法」を勉強していただくことになります。科目でいうと午後科目の「児童家庭福祉」ですね。

ところが、障害児だった14歳の児童は一つ一つ年齢を重ね、18歳になります。児童福祉法でいう児童ではなくなります。手帳一つをとっても身体障害者手帳であれば15歳をすぎると、自分で取得できるようになりますよね。身体障害でなければ知的障害者福祉法や精神保健福祉法、発達障害者支援法等がこの児童に必要な支援の根拠法になるかもしれません。当然どの障害であっても障害者総合支援法との関連性も出てきますね(障害者総合支援法の自立支援給付は児童が使えるものもありますよね)。

20歳になると障害年金の対象者になるのか?という視点がでてきます。

児童の時と違い、就労支援の必要性が検討されることもあるかもしれませんね。その時状況に応じて就労移行なのか、継続なのか(AなのかBなのか)等も置かれている環境によって変わるでしょうね。

40歳、65歳になると障害者総合支援法と介護保険法がどちらが適用されるのか?という問題が出てきます。

この例で分かっていただけますよね。障害を有するに至った時で時がとまるわけではないので、年齢や状況が変化するにつれて、適用する法律や制度が変わります。

当初は児童福祉の問題だけで解決できるかもしれませんが、そこから障害者総合支援法が出てきたり、介護保険法が出てきたり、国民年金法等がでてきたりします。

それだけ多くの制度が1人の人間にかかわりを持つ可能性があるのか、そしてその人生全体を理解するには、当然縦割りの勉強では対応できないので、制度を横断的に見渡せる力が必要になってきます。

「縦割り」から「横断的視点」への切り替えを!

だからこそ、最初のとっかかりは「縦割り」でも最終的には「人生全体を支える視点」が必要なので、「横断的な勉強が必要になる」ということです。

これを理解しないまま勉強していると、科目同士の関連性が見えてこないで、遠回りすることになります。重なっているところや、関連性があるところを理解すると、とても見通しがよくなります。

そうですね、例えるならば、関連性が見えている人は「全体図(地図)」を見ながら散策しているようなイメージなので、自分がどこを歩いているのか、どこに向かって歩いているのかがわかります。

関連性が見ていない人というのは、全体像が見えていないので、同じところをうろうろしてしまったり、歩いていない道に気が付いていなかったりするような感じでしょうか。自分がどの広場とどの広場の境目にたっているのか気が付かないまま散策するのはもったいないです。

講義の中で「横断的な視点を持って」という言葉を何度も何度も使うので、私の受講者は「耳にタコができるレベル」で聞かされている話ですが(笑)、私はこれができる人は合格できる人だと確信を持っています。

ご参考になると嬉しいです。

来年の今頃、資格を取得して晴れ晴れした気持ちで仕事をしている自分を想像してくださいね!

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