高額療養費制度、2026年8月から2段階の見直し
国試の超定番、高額療養費制度が見直されます。ポイントは「2段階」で行われることと、今はその「第1段階」にあることです。
第1段階(2026年8月〜)※施行済み
- 月額の自己負担限度額を全所得区分で引き上げ(例: 年収約370〜770万円の区分は 80,100円+α → 85,800円+α)
- 所得区分は現行の5区分のまま
- 「年間上限」を新設 — 月額の限度額に達しない人でも、年間の負担額が上限に達したらそれ以上の負担は不要に
- 多数回該当の金額は据え置き — 長期療養者の負担を増やさない配慮
第2段階(2027年8月〜予定)
- 所得区分を5区分から13区分に細分化し、さらに引き上げ
- 一方で、年収200万円未満の多数回該当は引き下げ(低所得者への配慮)
つまり「引き上げ」だけの改正ではなく、長期療養者・低所得者への配慮とセットになっているのが特徴です。
「福祉元年」の政策が、今見直されている
ここで歴史の縦軸を一本通しましょう。
高額療養費制度が創設されたのは1973年(昭和48年)。国試頻出キーワード「福祉元年」の年です。福祉元年の三大政策、言えますか?
- 老人医療費の無料化(70歳以上)
- 高額療養費制度の創設
- 年金の物価スライド制の導入(給付水準も大幅引き上げ)
このうち老人医療費無料化は、その後の医療費急増を招き、1982年の老人保健法で自己負担が復活したのはご存じの通り。そして今、残る高額療養費制度も「制度の持続可能性」を理由に見直される——福祉元年に拡充された仕組みが、半世紀かけて再設計されているという大きな流れが見えてきます。
この「拡充の時代から持続可能性の時代へ」という視点は、社会保障科目全体を貫くテーマです。高額療養費の改正は、単独の時事ではなく福祉元年とセットで整理しておきましょう。ここが問われたら差がつきます。
第39回国試では「どの状態」で出題される?
受験生が混乱しやすい大事な話をします。
国家試験の解答は、原則として試験が実施される年度の4月1日現在で施行されている法令に基づきます。第39回の基準日は2026年4月1日。今回の改正の施行は2026年8月なので、基準日より後です。
したがって、限度額の具体的な数字を問う知識問題は従来の内容で出題される可能性が高い一方、「見直しの動向」は時事的に問われてもおかしくありません。「今の姿」と「これからの姿」を分けて整理しておけば、どちらから出ても対応できます。
予想○×問題に挑戦!
最後に、私からの予想問題です。○か×か、考えてみてください。
問1 高額療養費制度は、1973年のいわゆる「福祉元年」に創設された。
問2 高額療養費制度における自己負担限度額は、暦月(月の初日から末日まで)単位で計算される。
問3 2026年8月の見直しにより、全所得区分で自己負担上限額が引き上げられた
問4 2026年8月の見直しでは、多数回該当の限度額が引き上げられた。
問5 高額療養費制度に基づく限度額の適用を受けるには、必ず事前に限度額適用認定証の交付を受けなければならない。
解答
問1: ○ 福祉元年の三大政策(老人医療費無料化・高額療養費制度創設・年金の物価スライド導入)の一つ。
問2: ○ 暦月単位で判定。月をまたぐ入院では月ごとに別々に限度額が適用される点も押さえておこう。
問3:〇 13区分への細分化は第2段階(2027年8月予定)。2026年8月の第1段階では5区分のまま限度額が引き上げられ、年間上限が新設された。「どの段階で何が変わるか」の入れ替えに注意!
問4: × 多数回該当は据え置き。長期療養者の負担を増やさない配慮であり、ここが今回の見直しの重要ポイント。
問5: × マイナ保険証を利用し限度額情報の提供に同意すれば、認定証の事前申請なしで限度額までの支払いにできる。「必ず」という言葉に反応できましたか?
5問正解できましたか?改正前改正後を踏まえた確認でした!

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