第38回で何が変わったか
「貧困に対する支援」は、毎年比較的点数がとりやすいと言われている科目です。生活保護法の条文を押さえておけば、安定して得点できる回が長く続いていました。
ところが第38回は、事例問題が増え、生活困窮者自立支援法の比重が上がりました。以前は生活保護法に関する問題が圧倒的に多かったので、これは近年の傾向と言えると思います。
第29回から第38回までの10回・68問を数えると、生活保護に関する出題は、第29回から第36回までの8回で34問、1回あたり4問前後です。それが第37回は3問、第38回は1問になりました。
反対に生活困窮者自立支援制度は、第29回から第34回までの6回で3問でしたが、第35回から第38回までの4回で8問です。第38回は6問中3問が生活困窮者自立支援法からの問題でした。。
変わったのは出題数だけではありません。生活保護法の条文がそのまま問われるのではなく、事例問題の中で知識を問う形になっています。第38回の生活保護の1問は、福祉事務所の就労支援を扱う事例問題(問98)でした。生活困窮者自立支援制度の事例問題も同じで、どこまでが生活保護でどこからが生活困窮者自立支援制度なのかを、条文で区別できることが前提になります。
勉強する順番
この動きを踏まえて、次の順番で勉強することをお勧めします。
1 生活困窮者自立支援法(自立相談支援事業、任意事業、2024年改正)
↓
2 生活保護法(基本原理・原則、扶助の種類、基準)
↓
3 事例問題(現業員と相談支援員の対応)
↓
4 生活福祉資金貸付制度
↓
5 福祉事務所と実施機関
↓
6 貧困の概念と歴史
1を先頭に置いたのは、第37回・第38回で続けて出題され、第38回では2024年(令和6年)の改正内容まで問われたためです。10年の合計では4問と少ない項目ですが、直近の2回に集中しています。
2は、第38回で条文がそのまま問われなかったからといって、スルーできる項目ではありません。生活保護法は10年で25問と最も多く、基本原理・原則も扶助の種類も繰り返し問われてきました。第38回の事例問題も、福祉事務所の現業員の対応を問うものです。制度の内容がわかっていなければ判断できません。
3の事例問題は68問中21問あり、第37回・第38回では12問中6問と半分を占めます。1と2が土台になりますので、順番としては3番目ですが、出題数は多いので、1~3がしっかり定着すれば、点数が安定するでしょう。
法制度37問の内訳
いちばん出題数の多い「貧困に対する法制度」の37問は、次の内訳でした。
生活保護法25問の内訳
生活保護法の25問を、問われた内容で分けると次のようになります。
事例問題が3分の1を占めます(ますます増加傾向)
68問のうち21問が事例問題です。第37回・第38回では12問中6問と、半分が事例形式でした。
登場するのは、福祉事務所の現業員(社会福祉士)と、生活困窮者自立相談支援機関の相談支援員(社会福祉士)です。問われるのは、その場面でどう対応するかですが、判断の材料になるのは生活保護法と生活困窮者自立支援法の知識です。
分析データ
ここから先は、上の勉強の仕方をまとめる根拠にした集計です。勉強の仕方だけ知りたい方は、ここまでで大丈夫です。
第29回から第38回までの10回・68問を、現行の出題基準の大項目に1問ずつ割り当てて集計しました。複数の項目にまたがる問題は、正答の論点にあたる項目を1つだけ選んでいます。第36回までは「低所得者に対する支援と生活保護制度」という科目名で各回7問、第37回からは「貧困に対する支援」に変わって各回6問です。どちらも専門科目です。
生活福祉資金貸付制度は、第33回問69、第34回問69、第35回問68、第37回問100、第38回問100の5問です。10回のうち5回で出題されており、法制度の中では生活保護法に次いで多く出題されています。第37回・第38回でも続けて出題されました。
関係機関と専門職の役割の8問は、福祉事務所の組織と業務が4問、国・都道府県・市町村の役割が2問、実施機関が2問です。第37回・第38回では出題されていません。
貧困の概念、生活実態と社会環境、貧困の歴史は、10年でそれぞれ1問ずつでした。第29回問67の公的扶助と公的年金保険の特質、第31回問63の低所得者の状況、第38回問97の恤救規則からの制度の流れです。
なお、この分類は1問につき主たる項目を1つだけ割り当てたものです。実際の試験では複数の項目にまたがる選択肢も出ますので、学習の目安としてご利用ください。


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