どうしても勉強がはかどらない日、過去問を開く気持ちになれない時がありますよね。そういう日、「今日はやめた」と1日休むのもいいのですが、私はそういう時こそ、あることに絞って勉強することをおすすめしたいです。
「休む」と決めて何もしない日を作ると、どうしてもペースにムラができてしまいます。疲れている日や、過去問にじっくり取り組む気持ちになれない日は、せめてこれだけしませんか。10分ですみますから。
10分だけ頑張りましょう
今日は「相談援助」で頻出の、ケースワーク理論の発展を作った4人です。リッチモンドが源流を作り、その後継が診断主義・機能主義に分かれて対立し、この対立をホリスとパールマンがそれぞれ受け継いだ、という流れで覚えると、4人がつながって頭に入ります。
まず、大きな流れを確認します。
1917年、リッチモンドが『社会診断』で、ケースワークを医学の診断・治療になぞらえた「治療モデル」として体系化しました。この考え方を受け継いだのが「診断主義学派」です。一方、1930年代、これに対抗する形で登場したのが「機能主義学派」でした。
この2つの学派の対立を受けて、診断主義の流れからはホリスが、そして両学派を折衷する形でパールマンが登場します。
今日、覚えてほしいのが以下の6人の関係図です。

リッチモンド|ケースワークの母、治療モデル
リッチモンドは、著書『社会診断』(1917年)で、ケースワークをインテーク→調査→社会診断→処遇(社会的治療)という一連の過程として体系化しました。「ケースワークの母」と呼ばれています。
この「治療モデル(医学モデル)」は、医師が患者を治療するように、問題の原因を特定し解決を目指すという考え方で、後の診断主義学派の土台になっています。
診断主義学派と機能主義学派、何が違うのか
1920年代、リッチモンドの流れを受け継いだ診断主義学派は、フロイトの精神分析を取り入れ、クライエントの問題は個人の精神内界(パーソナリティ)に起因すると考えました。援助者が能動的に働きかけ、過去の原因を突き止めて治療する、という援助者中心・医学モデルの発想です。
これに対し1930年代、精神分析家オットー・ランクの「意志心理学」を基礎に、タフトやロビンソンらが機能主義学派を打ち立てました。機能主義学派の特徴は、クライエント自身の自己決定を尊重し、援助者はクライエントが本来持つ成長の力を発揮できるよう、その障害を取り除くことに徹する、という利用者中心の発想です。
また、診断主義が過去の原因を掘り下げるのに対し、機能主義は「今」に注目します。クライエントが所属機関のサービスや制度を、自分の力でどう活用していけるかを、援助者と一緒に確認していく、という考え方です。つまり、機関が持つ機能そのものが、クライエントの成長を支える道具になる、という発想です。
まとめると、診断主義=援助者が過去の原因を診断・治療する、機能主義=クライエント自身の意志を尊重し、今この機関の機能をどう活用できるかを一緒に考える、という対比で覚えておいてください。
ホリス|「状況の中の人」で心理社会的アプローチ
ホリスは、この診断主義学派の流れを汲む発展として、「心理社会的アプローチ」を確立しました。
キーワードは「状況の中の人」です。クライエントの心の中(性格や感情)だけを見るのではなく、その人を取り巻く家族・職場・地域といった環境との関わりの中で、クライエント全体を捉える、という考え方です。「人」を単独で見るのではなく、常に「状況」とセットで理解する、というイメージです。
パールマン|診断主義と機能主義を折衷、問題解決アプローチ
診断主義学派と機能主義学派の対立が激しくなる中、パールマンは診断主義の立場に立ちながら機能主義の考え方も取り入れ、両者を折衷した「問題解決アプローチ」を提唱しました。
キーワードは「4つのP」(Person・Problem・Place・Process)と「ワーカビリティ」(クライエント自身が問題解決に取り組む力)です。
なお、1960年代にタウンゼントらの「貧困の再発見」が起こると、ケースワークは貧困問題に対応できていないという批判を受けました。加えて、実際にケースワークの効果を測定した調査でも十分な効果が確認できず、リッチモンドが本来目指していた「社会関係の改善」という視点を忘れ、個人の心理面ばかりに偏っているという反省もありました。こうした状況を受けてパールマン自身も、1967年の論文で「ケースワークは死んだ」と自己批判しています。ただし、これは単なる絶望ではなく、ケースワークの存在意義を問い直し、再生への期待を込めたものだったとされています。
バートレット|そもそもソーシャルワークとは何か
ホリスとパールマンが「診断主義か、機能主義か」という方法論をめぐって理論を発展させたのに対し、バートレットは全く別の角度から問いを立てました。それは「そもそもソーシャルワークとは何か」という、より根本的な問いです。
著書『社会福祉実践の共通基盤』(1970年)で、バートレットは、ケースワーク・グループワーク・コミュニティワークといった、それまで別々の技術として発展してきた実践に共通する土台を、「価値・知識・介入(調整活動)」の3要素として整理しました。特に実践者としての立場からは、価値と知識が優先されるべきだとしながらも、3者のバランスが保たれることで実践がその機能を発揮できるとしています。
ホリスやパールマンの理論を直接引き継いだわけではなく、対立と折衷が続いた時代の後に、「方法」ではなく「土台」を問い直した人物として、区別して覚えておいてください。
今日のまとめ
この記事は「頻出!合格のために必ず覚えておきたい人名シリーズ」の一つです。
他の回はこちらから→人名シリーズ一覧
お疲れ様でした。


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