子どもへの体罰禁止を明記(児童虐待防止法)

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児童虐待件数の増加と児童虐待防止法

虐待件数は年々増加していますね。これはニュース等でも取り上げられていますので社会福祉士の受験を考えていらっしゃる方は既にご存知だと思います。

最近では、小学校のアンケートで父親から虐待を受けていることを先生に訴えたにもかかわらず、事態を好転させることができず、死亡という最悪な結末を迎えた虐待事例がありました。

学校、役所(教育委員会)、児童相談所等がそれぞれ彼女が書いたアンケートのことを知っていたのに、なぜ虐待死を食い止められなったのか。多くの課題を突き付けた事件でもありました。

児童虐待防止法、児童福祉法 改正

このような事態を受け、「子どもへの体罰を禁止」することを法律の中に明記することになりました。

以下は福祉新聞からの抜粋です。


政府は19日の閣議で、児童虐待防止対策の強化に向け、児童福祉法や児童虐待防止法などの改正案を決定、国会に提出した。親や児童福祉施設による子どもへの体罰禁止を明記するとともに、児童相談所の体制を強化する。また、子ども分野の新たな資格については、2020年度までに結論を出す方針を示した。
 
 施行は20年4月から。閣議に先立ち、関係閣僚会議で、安倍晋三首相は「虐待の根絶に向け、あらゆる手段を講じて子どもたちを守っていく」と決意を述べた。
 
 日本福祉新聞 2019年3月25日

児童福祉法・児童虐待防止法改正のポイントは?

端的にいうと、①体罰の禁止②児童相談所の体制強化③民法の懲戒権の見直し でしょう。③については、現在民法で親権者に対して一定の懲戒権を認めています。これと体罰の禁止をどのようにバランスをとっていくのか・・・しばらくしたらその骨格も明らかになってくるでしょう。

改正の詳細は以下の通りです。

  1. 子どものしつけの際に体罰を禁止する
  2. 一時保護を行う職員と保護者の支援を行う職員をわける(児童相談所)
  3. 弁護士の配置を行う(児童相談所)
  4. 医師と保健師の配置を義務付ける(児童相談所)
  5. 児童福祉士の任用要件の見直し
  6. 中核市に児童相談所を設置できるようにする
  7. 民法の懲戒権の在り方を見直し
  8. 子どもの意見表明権の在り方を検討する

児童家庭福祉だけでなく、児童相談所の設置や児童福祉司の任用要件の見直しなどは「行財政と福祉計画」でも出そうなニュースですね。

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社会福祉士も児童福祉司の任用要件になっています。これからの見直しが皆さんの試験や働く場所等にも影響を与えそうです。

社会福祉士?こども家庭福祉士?

このような虐待の激増等にともない、新たにこども家庭福祉士(社会福祉士とは別)を創設すべきなのでは?という議論も浮上しています。

一方で、虐待の背景は児童の問題ではなく、様々な複雑な要因が隠れていることも指摘されます。そこで、もっと横断的な視点をもった社会福祉士を児童相談所に配置すべきと主張する人もいます。

現在の社会福祉士や精神保健福祉士の資格制度にも影響をあたえそうなニュースです。気を付けてみておきたい話題ですね。

皆さんのご参考になれば幸いです。

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