合格に必要な90点の壁
国家試験にはなかなか超えられない「壁」が3つあると言われています。その「壁」とは80点、90点、100点の壁です。私も勉強している頃、この厚い壁を感じていた1人です。
合格点の目安がだいたい90点ですから、受験生にとってはこの壁を無視するわけにはいいかない壁なのですが、これを超えるのが本当に本当に大変です。
たった10点ずつの壁ですが、その壁が厚い・・・その10点を解くためには50の選択肢と格闘しなければならないわけですからなかなか大変なのです。でも、実際にこれを突破しないと合格がみえてこないので、この「壁」を超えることが受験生にとっては一つの目標にしなければなりません。
では、どのようにしてその壁を越えればいいのでしょうか。
勉強する前にとれる点数
以前、「ノー勉」で国家資格を受験した場合、どれくらい点数がとれるのかを検証したことがあります。
なぜかというと、ある本で「国家試験問題の20%は一般常識」と書いてあったからです。言われてみればそんな気もするし、でもそれは本当なのだろうか?と思いある実験をしました。
15歳~22歳の高校生から大学生に協力を得て、社会福祉士の問題を2年分解いてもらいます。この実験を本気でするために、なんと私費で8人雇いました(実験は10人でしたのですが、2人は我が子を無料で使ったので)!
解くときは、念のため「確信をもって解答したもの」は〇、「当てずっぽうで解答したもの」は「△」をつけてもらいました。解いてもらったのは全部で10人。
その結果・・・上記の20%は一般常識というのは本当でした。
一番低い人で31点、高い人で46点。
この10人は社会福祉学科などではありません。一般の学部生と高校の普通科に在籍している学生です。当てずっぽうで解答したものも数問含まれていましたが、本番でもそれはあり得るので、この結果は概ね実態に近いと思います。
ということは、社会福祉専門の勉強をしなくても平均して40点はとれるということなのです。これには少々驚きました。
この実験でどうやら30問~40問/150問は勉強しなくても解ける可能性が高いということがわかりました。
合格したいと思ったら、90点になるように残り50問~60問が解けるか?が勝負ということですね。
(私はこの実験を、ホーソン実験ならぬ「S実験」と呼んでいます。詳細が気になる方は別の記事でお楽しみください!*Sは私の名前の頭文字です))
一番厚い壁は80点の壁?
試験が終わって学生の点数分布をみると、大きく4つの層にわかれているように見えます。
①110点~120点を超える余裕のある層
②90点~100点を超える安定感がある層
③80点~90点のボーダーギリギリで不合格の層
④70点未満の合格可能性ゼロの層
①の学生は10月の模擬試験あたりから100点越えです。毎年こういう学生が数名います。大変熱心で質問も鋭い!私たちは仕事ですから解けて当たり前なのかもしれませんが、受験生で120、130をとれる学生は本当に優秀だと思います。
②の学生は10月あたりから模擬試験の結果をみて猛烈に焦り、そこから得点を急に伸ばしてきたタイプが多いです。模擬試験のあとは涙を流す学生も多いものです。私もその学生に何が必要なのか必死に考えるのですが。その後、本気になって勉強し、80点のラインから90点ラインにのってきたという学生がほとんどです。
その上で私が一番厚いと思うのが④から③にあがる壁。まずは80点を超える、ここを突破しないと合格が見えてこないのですが、なかなか辛い壁のようです。この壁は少し本気にならないと超えられません。そして③の壁を突破する学生は(80点を超えられるようになった)、勉強時間に比例して必ず②の層に移るケースがほとんどです。だからこそこの80点が大切だと確信しています。
70点から80点へはまずこの方法で。平凡ですが、これが一番効果があります。お試しください。
70点から80点へ
この壁を突破するには「3年分の過去問」を3回通ること。これしかありません。「え、平凡」「なんだこの内容のないブログは」と思われるかもしれません・・・が
今のところ、この方法が一番効果があるので、騙されたと思って試してください。
もちろん、過去問をとくだけでは意味がないので解説を読み、わからないものは他のテキストや資料などを確認しながら進めなければなりません。時に、時間がない時もあると思うので、完全にとは言いません・・・がこのやり方をイメージしながら、勉強してみてください。
皆さん「ぬりえ」をしているご自身の姿を想像してみていただいていいですか?
過去問は、ぬりえのイメージで解いていくことが大切です。頻出分野の中から知らないところを「塗り潰してイメージ」です。雑に塗ると「隙間」ができるので、しっかりと塗ってください。
ただ過去問に「解き終わった」の色をつけたり、「正」を書いているだけになっていないか、確認しながら、塗った場所に隙間がないように丁寧に塗りこんでください。
まず80点を超えたければ、地道な「潰し作業」が必要です。そしてこれが一番効果があるのです!
これで3年分の過去問を3回通れば80点ラインにのってきます。
よく一問一答のような問題集がありますが、その問題集で試すと、ご自身でその差に驚かれると思います。
過去問3回通る前にほぼ全滅だった一問一答が、3回通る頃には「解ける!」実感が持てています。
まずは80点の壁を越えましょう。そのためには地味ですが「過去問3年分×3回」です。
そうすれば、少し自信が持てるようになってきます。自信が持てるようになったら勉強も少し楽しくなり、トンネルの出口の明かりが少しだけ見えてきます。本当ですよ。信じてやってみてください。
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