新オレンジプランとは?認知症施策の変遷を整理しよう(オレンジプラン→新オレンジプラン→認知症施策推進大綱→認知症基本法)

第39回社会福祉士国家試験まで
あと
精神保健福祉士1日目まであと
高齢者福祉


今回は「オレンジプラン」「新オレンジプラン」のあと、認知症施策推進大綱 → 認知症基本法と次々に新しい施策が展開されています。・・・簡単な内容と流れを大まかに理解しましょう。


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①オレンジプラン(2012年)

厚生労働省が単独で公表した「認知症施策推進5か年計画」(2013〜2017年度)です。7つの柱で構成され、目玉は「標準的な認知症ケアパス」の作成・普及でした

①標準的な認知症ケアパスの作成・普及
②早期診断・早期対応
③地域での生活を支える医療サービスの構築
④地域での生活を支える介護サービスの構築
⑤地域での日常生活・家族の支援の強化
⑥若年性認知症施策の強化
⑦医療・介護サービスを担う人材の育成

ポイントは、この段階では、まだ厚労省単独の計画にとどまっていた、ということです。

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②新オレンジプラン(2015年)

本来5か年計画であったオレンジプランはわずか3年足らずで、政府横断の「国家戦略」へと格上げされました(この経緯は別記事で詳しく扱います)新オレンジプランになりました。厚労省だけでなく関係府省庁が共同で策定した点が最大の違いです。

7つの柱は次のように改変されました。

①認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進
②認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供
③若年性認知症施策の強化←ここ出題されました!
④認知症の人の介護者への支援
⑤認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進
⑥認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進
⑦認知症の人やその家族の視点の重視

ポイントは、新オレンジプランは、初めて関係府省庁が連名で策定した「国家戦略」としての認知症施策だった、ということです。

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③認知症施策推進大綱(2019年)

新オレンジプランの対象期間は「団塊の世代が75歳以上となる2025年」まででしたが、2019年6月、これに続く第3段階として「認知症施策推進大綱」が決定されました。

7つの柱は、次の5つに再編されています。

①普及啓発・本人発信支援
②予防
③医療・ケア・介護サービス・介護者への支援
認知症バリアフリーの推進・若年性認知症の人への支援・社会参加支援
⑤研究開発・産業促進・国際展開

基本的な考え方は「共生」と「予防」を車の両輪とする、というものです。

*地域共生社会の理念が社会福祉法に盛り込まれたのは2017年ですので、この考え方盛り込まれていることがわかります
ここでいう「予防」は「認知症にならない」という意味ではなく、「認知症になるのを遅らせる」「進行を緩やかにする」という意味である点に注意しましょう。
ポイントは、大綱から新たに認知症バリアフリーの推進・若年性認知症の人への支援・社会参加支援が組み込まれたことです。

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④認知症基本法(2023年)

2023年6月、議員立法として「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が成立しました。これは③の「大綱」ではなく、初めて認知症施策を法律として位置づけたものです。

認知症の予防等を推進しながら、認知症の人が尊厳を保持しつつ社会の一員として尊重される社会の実現を図ることを目的とした法律で、「地域共生社会の実現を推進するための」というのが、最大のキーワードです。

認知症基本法の詳細についてはこちらの記事をご覧ください

認知症基本法をわかりやすく解説|地域共生社会の実現|演習(予測)問題つき
認知症基本法の目的・基本理念・認知症の日・認知症施策推進基本計画をわかりやすく整理します。第37回の過去問と演習問題であわせて確認できます。
2012年オレンジプラン
(認知症施策推進5か年計画)
厚労省単独の計画
認知症ケアパスが目玉
2015年新オレンジプラン
(認知症施策推進総合戦略)
関係府省庁共同の国家戦略
7つの柱
2019年認知症施策推進大綱5つの柱に再編
「共生」と「予防」を両輪に
2023年認知症基本法法律として位置づけ
認知症施策推進基本計画の策定義務化

ここで過去問を整理!

第35回 問127
認知症高齢者の急増に対応してオレンジプランが1990年代に策定され、その計画推進を目的の一つとして介護保険法が制定された。
→× オレンジプラン(認知症施策推進5か年計画)が策定されたのは2012年です。介護保険法の制定は1997年なので、順序が逆になっています。

第32回 問127
新オレンジプランの7つの柱において、若年性認知症の人の特性に配慮した就労・社会参加支援等の推進が掲げられた。
→〇 7つの柱の中に「若年性認知症施策の強化」が挙げられています。

第37回 問86
2023年の認知症基本法の制定によって、国民に対して認知症の人を不当に差別する行為を禁止することが法制化された。
→×「不当な差別的取り扱い等の禁止」が明記されているのは障害者差別解消法(または障害者基本法等)であり、認知症基本法には直接的な禁止規定や罰則がありません

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