尺度の4つの水準|順序尺度は中央値出せるか?間隔尺度・比例尺度の違い

第39回社会福祉士国家試験まで
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社会福祉調査の基礎
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尺度とは何か

アンケートには、いろいろな種類の質問があります。性別を「1男性 2女性」から選んでもらう質問、居住地を「1〇市 2△市」から選んでもらう質問、年齢や身長、年収、通勤時間を数字で書いてもらう質問などです。

回答用紙が集まったら、分析するために回答を入力していきます。選択肢から選んでもらう質問では、あらかじめ選択肢に番号を付けておき、選ばれた選択肢の番号を入力します。年齢や年収のように数字で答えてもらう質問では、書かれた数字をそのまま入力します。この、調べたい事がらに数値を割り当てることを測定といいます。

これらの回答をエクセルに入力すると、どれも同じように数字の羅列に見えます。しかし、性別を「1 男性 2 女性」から選んでもらった場合の1と2は、男性と女性を区別するために付けた番号です。「週に何回運動をしますか」に対する1と2は、運動した回数そのものです。同じ1と2でも、表しているものがまったく違います。前者を足して平均を出しても意味はありませんが、後者は平均を出せますので、運動の回数とBMIの関係を分析できるかもしれません。

分析をするときには、その数字が何を表しているのかを確かめておく必要があります。区別のために番号を割り振っただけなのか、それとも回数や量を表しているのか、ということです。この違いを分類したものを尺度水準といい、尺度は名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比例尺度の4つに分類されています。

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4つの尺度水準

名義尺度

性別や血液型、居住地、職業など、分類のためだけに数値を割り当てる尺度です。仮に性別を1が男性、2が女性とし、職業を1が会社員、2が公務員、3が自営業、4がその他、5が無職と割り当てたとしても、この数字の大小や並び順に意味はありません。

名義尺度で確認できるのは、それぞれのグループに該当する人が何人あるいは何件あるかを数えることです。男性が何人で女性が何人か、そのうち会社員が何人か、高齢者世帯が何世帯か、従業員数50人以下の事業所が何か所かといったことです。数字はアンケートをとる際に便宜的に当てはめたものですので、四則計算をしても意味をもちません。

順序尺度

介護サービスの満足度を「とても満足・満足・ふつう・やや不満・不満」から選んでもらう質問や、成績の順位など、順序に意味がある尺度です。とても満足を5、満足を4、ふつうを3、やや不満を2、不満を1と割り当てた場合、4より5のほうが満足度が高い、3より4のほうが高いという大小や優劣を表せます。ここが名義尺度との違いです。

ただし、目盛りの間隔が等しいとは限りません。「ふつう」を選んだ人のなかには、満足に近い気持ちで選んだ人もいれば、やや不満に近い気持ちで選んだ人もいます。それでも同じ3として集計されます。ふつうと満足の間隔と、ふつうとやや不満の間隔が同じ大きさである保証もありません。1、2、3、4、5と等しい幅で並んでいるように見えても、実際の間隔は分からないということです。等しい幅でない以上、四則計算をしても意味をもちません。

みなさんに普段協力していただいている講座の受講満足度も同じです。

また、順序尺度になるのは、満足度のように気持ちを尋ねるものだけではありません。国家試験の勉強に1日どれくらい時間をかけているかを、「1 30分未満 2 30分以上1時間未満 3 1時間以上2時間未満 4 2時間以上」から選んでもらう質問も順序尺度です。勉強時間そのものを「(   )分」と書いてもらえば比例尺度(これにるいては詳細は後ほど)になりますが、幅で区切って選んでもらうと順序尺度になります。同じことを尋ねていても、聞き方によって尺度が変わるということです。

間隔尺度

摂氏温度や西暦など、目盛りの間隔が等しい尺度です。どこを切り取っても1度の幅は同じですので、10度離れているという結果は、どこで測っても同じ大きさを表します。順序尺度では「ふつう」と「満足」がどれだけ離れているか分かりませんでしたが、間隔尺度では引き算をして、どれだけ離れているかを数値で示せます。

ただし、間隔尺度には始点がありません。摂氏温度は水が凍る温度を0度と決めただけで、0度より下には氷点下の温度が続きます。身長であれば0センチメートルが始点になりますが、温度の0度は目盛りの途中に置かれた基準にすぎません。始点がない以上、2倍や半分といった比を考えることはできません。20度は10度の2倍の暑さである、2000年は1000年の2倍であるという言い方はできません。昨日より〇度気温が高いという言い方はできても、掛け算と割り算をしても意味をもちません。

比例尺度

身長や体重、年齢、収入、世帯人数など、始点が0にある尺度です。比率尺度とも呼ばれます。体重が0キログラムであれば重さがないということですし、収入が0円であれば収入がないということです。

始点が0にありますので、比を考えることができます。体重60キログラムは30キログラムの2倍、収入400万円は200万円の2倍と言えます。間隔尺度でできた引き算に加えて、掛け算と割り算もできますので、四則計算のすべてに意味があります。

尺度水準の高さ

尺度に対し、「尺度水準が高い」という言い方をすることがあります。この高いというのは、情報量の多さや、分析できる項目の多さを意味しています。名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比例尺度の順に水準が高くなります。何人いるかが分かるだけの場合よりも、平均を出せる場合のほうが、分析できる項目が増えるということです。

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使える代表値

代表値は、どの尺度水準で集めたかによって、使えるものが決まります。

最頻値

4つすべての尺度で求められます。例えば「男性が最も多かった」「41歳~50歳が最も多かった」「やや満足であるが最も多かった」などです。

中央値

中央値は、順序尺度、間隔尺度、比例尺度の3つで求められます。すべての回答を並べて、ちょうど真ん中に来る回答を算出できることをさします。
明しましたので、中央値が出せることに引っかかるかもしれません。中央値は計算して出すものではなく、並べて真ん中を選ぶものです。同じ11人に満足度を尋ねて、次の結果が出たとします。例えば、ホテルのサービスについて、5満足 4やや満足 3普通 2やや不満足 1不満足というアンケートに回答してもらったとします。それぞれA・Bグループには11人の人に解答してもらいました。その結果が以下のようになったとします。

Aグループ 1 1 1 2 2 2 3 4 4 5 5
Bグループ 1 2 2 3 3 4 4 4 4 5 5

11人ですので、6番目が真ん中です。Aの中央値は2、Bの中央値は4です。1と2の間隔と、3と4の間隔が等しいかどうかは分かりませんが、並べたときに中央値(真ん中)がどこなのかは分かります。

平均値

間隔尺度と比例尺度の2つで求められます。すべての回答を足して回答数で割りますので、目盛りの間隔が等しいことが必要です。

尺度水準 具体例 特徴 使える代表値 名義尺度 性別、居住地、職業 分けられる 最頻値 順序尺度 満足度、成績の順位 順に並べられる 最頻値、中央値 間隔尺度 摂氏温度、西暦 間隔が等しい 最頻値、中央値、平均値 比例尺度 身長、体重、年齢、年収 始点が0にある 最頻値、中央値、平均値 著者が作成した図です。無断転載・複製はご遠慮ください。
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過去問を解いてみましょう

第28回 問題84

4種類の尺度水準、すなわち名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比例尺度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 大小関係を示すことができるのは、名義尺度と比例尺度の2つだけである。
2 意味のある算術平均を算出できるのは、間隔尺度と比例尺度の2つだけである。
3 中央値を算出できるのは、順序尺度と間隔尺度の2つだけである。
4 最頻値を算出できるのは、順序尺度、間隔尺度、比例尺度の3つだけである。
5 カテゴリーごとの分類ができるのは、順序尺度、間隔尺度、比例尺度の3つだけである。

解説

正答は2です。

1 × 大小関係を示すことができるのは、順序尺度、間隔尺度、比例尺度の3つです。名義尺度は分けることしかできません。
2 ○ 平均値はすべての回答を足して回答数で割りますので、目盛りの間隔が等しい間隔尺度と比例尺度で求められます。
3 × 中央値を算出できるのは、順序尺度、間隔尺度、比例尺度の3つです。比例尺度が抜けています。
4 × 最頻値は名義尺度でも算出できます。4つすべてで算出できます。
5 × カテゴリーごとの分類は名義尺度でもできます。4つすべてでできます。

第35回 問題87

社会調査における測定と尺度に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。

1 信頼性とは、測定しようとする概念をどのくらい正確に把握できているかを意味する。
2 妥当性とは、同じ調査を再度行ったときに、どのくらい類似した結果を得ているかを意味する。
3 順序尺度では、大小や優劣を測定できる。
4 間隔尺度の例として、身長や体重がある。
5 比例尺度の方が、間隔尺度よりも情報量が多い。

解説

正答は3と5です。

1 × 測定しようとする概念をどのくらい正確に把握できているかは、妥当性の説明です。
2 × 同じ調査を再度行ったときにどのくらい類似した結果を得ているかは、信頼性の説明です。
3 ○ 順序尺度は順序に意味がある尺度ですので、大小や優劣を表せます。
4 × 身長や体重は比例尺度です。0センチメートル、0キログラムが始点になります。
5 ○ 比例尺度は、間隔尺度でできる引き算に加えて、何倍かを表せます。

第36回 問題88

尺度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 比例尺度では、平均値を算出することができる。
2 順序尺度で測定した1と2の差と、3と4の差の等間隔性は担保されている。
3 名義尺度で測定した変数は、中央値を求めることができる。
4 間隔尺度では、測定値の間隔が数値として意味をもつことはない。
5 名義尺度、間隔尺度、順序尺度、比例尺度の順で、尺度としての水準が高い。

解説

正答は1です。

1 ○ 比例尺度は目盛りの間隔が等しいため、平均値を算出できます。
2 × 順序尺度は順序を表すだけで、目盛りの間隔が等しいとは限りません。
3 × 名義尺度は分けることしかできませんので、回答を順に並べられません。中央値は求められません。
4 × 間隔尺度は測定値の間隔が等しく、どれだけ離れているかを数値で示せます。
5 × 水準が高くなる順は、名義尺度、順序尺度、間隔尺度、比例尺度です。順序尺度と間隔尺度が入れ替わっています。

第38回 問題81

A市では、市内の小中学生を対象とする生活実態調査を行うこととなった。本調査の検討を行う委員会において、中学生になると朝食を摂らない生徒が多くなることが指摘され、調査では小学生と中学生の朝食の摂取状況の違いをクロス集計によって検証することとなった。調査票では、朝食を摂る頻度に関する質問を設け、その選択肢を「週に3回以上/週に1〜2回程度/月に1〜2回程度」とした。
次のうち、この選択肢に当てはまるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 SD法
2 比例尺度
3 順序尺度
4 複数回答法
5 リッカート法

解説

正答は3です。

1 × SD法は、「明るい」と「暗い」のように意味が反対になる形容詞を両端に置き、その間の段階で対象の印象を測る方法です。
2 × 比例尺度は始点が0にあり、何倍かを表せる尺度です。この選択肢は回数を幅で区切ったものですので、何倍かを表せません。
3 ○ 選択肢が頻度の多い順に並んでおり、順序に意味があります。ただし、週に3回以上と週に1〜2回程度の間隔と、週に1〜2回程度と月に1〜2回程度の間隔が同じ大きさとは言えません。順序尺度です。
4 × 複数回答法は、当てはまるものをいくつでも選んでもらう回答形式です。この質問は1つを選ぶ形式です。
5 × リッカート法は、「そう思う」から「そう思わない」までのように、ある文に対する同意の程度を多段階で問う方法です。この選択肢は頻度を問うものです。

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