39回の国家試験受験予定の皆さんがまず気になるのが前回の合格率ですよね。実はこの数字、ここ数年で劇的に変化しています。2019年にも同じような視点の記事を書いていて、この時は「25〜28%程度で推移」とお伝えしていたのですが・・・合格率は倍ほどになりました。
社会福祉士国家試験 最近の合格率と合格者数の推移
直近5回分の推移です。
| 回数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 第34回 | 34,563人 | 10,742人 | 31.1% |
| 第35回 | 36,974人 | 16,338人 | 44.2% |
| 第36回 | 34,539人 | 20,050人 | 58.1% |
| 第37回 | 27,616人 | 15,561人 | 56.3% |
| 第38回 | 25,430人 | 15,438人 | 60.7% |
第34回までは、以前の記事でお伝えした通り30%前後で推移していました。ところが第35回、第36回と急激に上昇し、直近の第38回では60.7%と、過去最高を記録しています。
かつての「4人に1人しか受からない試験」というイメージは、今はもう当てはまりません。
社会福祉士国家試験の難しさは?
合格率が上がったとはいえ、では試験そのものが「簡単になった」のかというと、決してそうではありません。
以下は試験当日、実際に受験した学生から届いた声です。
「頻出とされているところが全く出てこなく、4年間勉強していて初見のワードばかり出ていました。この傾向は来年も続くと思いますか」
「昨日と本日、精神保健福祉士と社会福祉士の国家試験を受けてきました。今回の共通の問題が例年に比べてかなり難しいと感じたのですが、先生から見て今年の問題はどう思われますか?」
新カリキュラムになってから、学生たちは体感的にも「問題が難しくなった」と感じているようです。そして、この仕事を20年以上続け、ずっと問題を見てきた私自身も、実際に問題は難しくなっていると感じています。
「難しくなっている」を少し分析すると、こういうことです。
- 解きやすい問題(いわゆるボーナス問題)が減っている
- 単発の知識だけでは対応できなくなっている
- 場面に応じて知識を応用する力が求められるようになっている
- 新しいタイプの問題、最新データを問う問題が増えている
- 「2つ選びなさい」形式の問題が増え、解答に時間がかかるようになっている
これが、多くの受験生の実感であり、私自身の実感でもあります。
出題者からのメッセージとして受け取れること
おそらくですが、この変化には、出題する側からのこんなメッセージが込められていると感じています。
①とりあえずの「暗記」からの脱却
②「覚える」のではなく「理解」を
③「覚える」のではなく「考える」力を
④「点」ではなく線(流れ)で理解する
⑤最近の社会福祉の動きや法律の変化に「敏感に」
私は10年以上前から「意味のわからない暗記をするな」「語呂合わせに頼るな」と言い続けてきたのですが(試験前日ならともかく、暗記語呂合わせ前提の勉強は絶対反対派です)、最近の試験は、本当にそういう勉強では対応できなくなりました。
語呂合わせで「これだけ覚えておけば大丈夫」というような暗記や、五肢択一を「こう解けば当たる」というようなテクニックに頼る勉強法では、正直もう太刀打ちできないのではないかと、本当にそう思います。
それでも、過去問は大事
ただ、合格率が60%台に乗ったことは、受験生にとって間違いなくいい傾向です。
しっかり勉強すれば6割は合格できるというのは、安心材料です。
また、多少問題の傾向が変わっても、過去問の大切さは変わりません。
過去、専門家たちが時間をかけて作ってきた問題には、
時代が変わっても普遍的に大切な内容がたくさん詰まっています。
時折「新カリになって過去問と同じ問題が出ないから」という理由で、過去問演習を軽んじる人がいますが、その考え方には到底賛成できません。時代が変わっても大切なことは大切なんです。
まずは過去問でしっかりと学び、理解する。そのうえで、最近の国家試験の傾向に合わせて柔軟に対応する、
そんな「テクニックに頼るのではなく、地に足のついた勉強をした人」がきちんと合格できるようなった試験。
というのが、新カリ以降の国家試験の正しい捉え方なのだと思います。
2019年にこんな記事を書いています。
国家試験の変化を感じます。



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