逮捕から判決までの流れ
事件が起きてから判決に至るまでの流れは、次のとおりです。
捜査(警察)→検察官に送致→検察官が起訴するか判断→起訴→公判→判決
身柄を拘束する場合の期間も定められています。警察は逮捕から48時間以内に検察官へ送致し、検察官は24時間以内に勾留を請求するかどうかを決めます。勾留は原則10日、延長して最大20日までです。
この流れの途中には、裁判をせずに終わらせる手続や、簡略な手続がいくつかあります。順に見ていきます。
警察の段階で終わる場合
微罪処分
警察が捜査した事件は、原則としてすべて検察官に送致されます。ただし、検察官があらかじめ指定した軽微な事件については、送致せずに警察の段階で終わらせることができます。これが微罪処分です。
被害が軽微で、被害者が処罰を望んでいないような場合が対象になります。
交通反則通告制度
道路交通法違反のうち、比較的軽い違反について、反則金を納めれば刑事手続に進まないという制度です。いわゆる青切符です。反則金を納付しなかった場合は、通常の刑事手続に進みます。
検察官の段階で終わる場合
起訴猶予
検察官は、犯罪の証拠がそろっていても、起訴しないという判断ができます。犯人の性格、年齢、境遇、犯罪の軽重、犯罪後の状況などを考慮して、起訴を必要としないと判断した場合です。これが起訴猶予です。
*少年事件では上記のような個別判断は行われません。すべての事件を家庭裁判所に送致されます(全件送致)。
簡略な裁判で終わる場合
略式手続
簡易裁判所が、検察官の請求により、公判を開かずに書面審理だけで罰金または科料を科す手続です。
・行うのは簡易裁判所
・検察官の請求による
・科すことができるのは100万円以下の罰金または科料
・被疑者に異議がないことが必要
法廷に出向くことなく、書面のやりとりで終わります。被疑者が異議を述べた場合や、略式命令に不服がある場合は、通常の裁判を求めることができます。
*起訴猶予は裁判にならず前科もつきませんが、略式手続は裁判の一種です。罰金刑が科されますので、前科がつきます。
過去問を確認しましょう
第37回問題59
事例を読んで,次のうち,この手続きを表す名称として,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
〔事 例〕
Aさん(30 歳)は,自動車の大幅な速度超過により,道路交通法違反の罪で検挙された。Aさんの事件は,簡易裁判所が,検察官の請求に基づき,命令により 100 万円以下の罰金または科料を科することができる手続きで処理されることになった。この手続きがとられるに当たって,Aさんは,被疑者として異議がないことを示していた。
1 起訴猶予 2 微罪処分 3 簡易送致手続 4 交通反則通告制度 5 略式手続
解説
正答は5です。
1→× 検察官が起訴しないという判断をするものです。裁判所は関与しません。
2→× 警察が検察官に送致せずに終わらせるものです。裁判所は関与しません。
3→× 少年事件について、警察が簡易な方法で家庭裁判所に送致するものです。
4→× 反則金を納めることで刑事手続に進まないという制度です。裁判所は関与しません。
5→○ 記述のとおりです。簡易裁判所、検察官の請求、100万円以下の罰金または科料、被疑者の異議がないこと。事例文はこれらの要件をそのまま書いています。
Aさんは道路交通法違反ですので、交通反則通告制度を選びたくなるかもしれません。しかし、事例には「簡易裁判所が」「検察官の請求に基づき」と書かれています。交通反則通告制度であれば、裁判所も検察官も出てきません。


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