行政行為とは|要介護認定や生活保護決定の公定力とは

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権利擁護を支える法制度
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行政行為とは

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行政行為とは、「行政機関が法律に基づいて、一方的に国民の権利義務を決める行為」のことです。行政処分ともいいます。

見分けるための要素は、次の3つです。

・法律に基づいて行われること
・行政機関が一方的に決めること(相手の同意を必要としない)
・特定の人の権利義務が、その行為によって直接決まること

福祉の場面でいえば、生活保護の開始決定、要介護認定、障害支援区分の認定、保育所の入所承諾などがこれにあたります。

いずれも、申請した人がサービスを受けられるかどうか、どの程度受けられるかが、その決定によって決まります。本人が納得できるかどうかとは関係なく、行政の側が判断して決めるという点も共通しています。

審査請求に対して行政機関が出す裁決も「法律に基づいて」「行政機関が一方的に決定し」「権利義務を直接決める」ものなので、行政行為にあたります。

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行政行為にあたらないもの

行政機関が行うことでも、行政行為にあたらないものがあります。

制度の説明をする、相談に応じて助言する、パンフレットを配る。こうした行為では、誰かの権利義務が決まるわけではありません。行政指導も、相手方の任意の協力によるものですので、行政行為ではありません。

*行政指導は、行政機関が相手に対して、こうしてほしいと働きかけるものです。従うかどうかは相手の任意で、従わなかったことを理由に不利益な扱いをすることはできません。

ケアプランの作成も行政行為ではありません。ケアプランは、利用者と話し合って作るもので、一方的に内容を決めているわけではありません。

*誰が行ったかではなく、その行為の性質で判断します。行政の職員が行ったから行政行為、というわけではありません。

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行政行為の効力

行政行為には、私人の行為にはない特別な効力が認められています。

公定力

行政行為に違法な点があったとしても、権限のある機関によって取り消されるまでは、一応有効なものとして扱われます。これが公定力です。

*ただし、重大かつ明白な瑕疵がある場合は別です。この場合は、取り消されるまでもなく、はじめから無効として扱われます。公定力は生じません。

不可争力

一定の期間が過ぎると、国民の側から争うことができなくなります。取消訴訟には出訴期間の定めがあり、期間を過ぎると訴えを起こせません。審査請求も、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に行う必要があります。

*無効等確認訴訟には、出訴期間の制限がありません。無効な行政行為ははじめから効力がないので、いつでも争えるということです。

行政事件訴訟の4類型|抗告訴訟・当事者訴訟・民衆訴訟・機関訴訟の違い

不可変更力

審査請求に対する裁決のように、争いを裁断する性質をもつ行政行為については、行政庁が自ら取り消すことができません。裁判の判決と似た性質をもつため、行政庁の判断で覆せないようにしてあります。

自力執行力

義務を果たさない相手に対して、裁判所の判決を得ることなく、行政が自ら強制執行できるという効力です。税金の滞納処分がこれにあたります。税金を納めない人に対して、行政は預金や給与を差し押さえたり、不動産を差し押さえて公売にかけたりすることができます。これらを、裁判所を通さずに行政の判断で行えるということです。

私人であれば、相手がお金を払わないときは裁判を起こして判決を得なければ強制執行できません。行政にはそれが要らない場合がある、ということです。

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過去問を確認しましょう

第38回問題39

次のうち,介護保険制度において行政行為に当たるものとして,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 行政直営の地域包括支援センター職員による介護保険制度に関する教示
2 行政直営の地域包括支援センター職員による介護予防ケアプランの作成
3 指定介護サービス事業者に対する改善勧告
4 介護保険審査会への審査請求
5 市町村による要介護認定

解説

正答は5です。
1→× 制度の説明をする行為です。誰かの権利義務が決まるわけではありません。
2→× ケアプランの作成は、利用者と話し合って作るものです。一方的に決めるものではありません。
3→× 勧告は、相手方の任意の協力を求めるものです。
4→× 審査請求は、国民の側から行政に不服を申し立てる行為です。行政が決めるものではありません。
5→○ 要介護認定によって、受けられるサービスの範囲が決まります。市町村が一方的に決めるものです。

第34回問題77

行政行為の効力に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 重大かつ明白な瑕疵のある行政行為であっても,取り消されるまでは,その行政行為の効果は否定されない。
2 行政行為の無効確認訴訟の出訴期間は,一定期間に制限されている。
3 行政行為の効力は,国家賠償請求訴訟によっても取り消すことができる。
4 行政庁は,審査請求に対する裁決など,判決と似た効果を生ずる行政行為であっても,自ら違法であると気付いたときは,職権で取り消すことができる。
5 行政庁は,税の滞納処分など,判決を得なくても強制執行をすることができる。

解説

正答は5です。
1→× 重大かつ明白な瑕疵がある場合は、はじめから無効です。公定力は生じません。
2→× 無効等確認訴訟に出訴期間の制限はありません。
3→× 国家賠償請求は、損害の賠償を求めるものです。行政行為を取り消すものではありません。
4→× 裁決のように争いを裁断する性質をもつものは、行政庁が自ら取り消すことができません。
5→○ 自力執行力です。

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