憲法の基本的人権|自由権と社会権の違いと幸福追求権

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権利擁護を支える法制度
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日本国憲法の三大原理

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日本国憲法は、1946年(昭和21年)11月3日に公布され、1947年(昭和22年)5月3日に施行されました。基本原理は次の3つです。

・国民主権
・基本的人権の尊重
・平和主義

また、憲法98条は、憲法が国の最高法規であり、これに反する法律や命令は効力をもたないと定めています。

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基本的人権の分類

基本的人権は、性質によって次のように分けられます。

自由権 国家からの干渉を受けない権利
社会権 国家に対して積極的な配慮を求める権利
平等権 差別されない権利
参政権 政治に参加する権利
受益権(国務請求権) 国に対して一定の行為を求める権利

この中で、社会福祉と最も関わりが深いのが社会権です。

自由権

国家に干渉されない権利で、次の3つに分けられます。

精神的自由 思想・良心の自由(19条)、信教の自由(20条)、表現の自由(21条)、学問の自由(23条)
経済的自由 居住・移転・職業選択の自由(22条)、財産権(29条)
身体的自由 奴隷的拘束・苦役からの自由(18条)、法定手続の保障(31条)

財産権は自由権です。社会権ではありませんので、注意してください。

社会権

国家に対して、人間らしい生活のための配慮を求める権利です。20世紀に入って認められるようになったもので、自由権よりも歴史が新しいものです。

生存権(25条)
教育を受ける権利(26条)
勤労の権利(27条)
労働基本権(28条) 団結権・団体交渉権・団体行動権

*労働基本権のうち団体交渉権も社会権です。労働に関する権利は社会権に含まれます。

憲法に書かれていない権利(新しい人権)

肖像権、プライバシー権、自己決定権、環境権などは新しい人権と呼ばれ、憲法の条文には書かれていません。

憲法13条は「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」と定めています。この幸福追求権を根拠として、社会の変化にあわせて認められてきた権利です。

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国民の義務

憲法が国民の義務として定めているのは、次の3つです。

・教育を受けさせる義務(26条2項)
・勤労の義務(27条1項)
・納税の義務(30条)

*教育を受けさせる義務は、保護者が負うものです。子どもが教育を受ける権利(26条1項)とは、主語が違います。

*憲法尊重擁護義務(99条)は、天皇、摂政、国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員が負うものです。国民の義務ではありません。

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外国人への適用

基本的人権は、権利の性質上日本国民のみを対象としているものを除き、外国人にも保障されるとするのが判例の立場です。

労働に関する法律は、在留資格の有無にかかわらず適用されます。働いた以上は賃金が支払われるべきですし、仕事中にけがをすれば補償を受けられます。労働基準法も労災保険法も、在留資格を問わず適用されます。

社会保障については、制度によって扱いが分かれます。国民年金法と国民健康保険法は、国籍要件が撤廃されており、外国人にも適用されます。

生活保護法は、条文上は日本国民を対象としています。永住外国人であっても生活保護法に基づく受給権をもつわけではない、というのが最高裁の判断です。ただし、一定の在留資格をもつ外国人に対しては、行政措置として保護が行われています。

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過去問を確認しましょう

第36回問題77

次のうち,日本国憲法における社会権として,正しいものを 2 つ選びなさい。

1 財産権 2 肖像権 3 教育を受ける権利 4 団体交渉権 5 自己決定権

解説

正答は3と4です。
1→× 財産権は自由権です。
2→× 肖像権は憲法に明記されていません。13条の幸福追求権を根拠とします。
3→○ 26条の社会権です。
4→○ 28条の労働基本権に含まれます。
5→× 自己決定権も憲法に明記されていません。13条を根拠とします。

第30回問題77

次のうち、日本国憲法に国民の義務として明記されているものとして、正しいものを2つ選びなさい。

1 憲法尊重 2 勤労 3 納税 4 投票 5 扶養

解説

正答は2と3です。
1→× 憲法尊重擁護義務を負うのは公務員等です。国民の義務ではありません。
2→○ 27条1項に定められています。
3→○ 30条に定められています。
4→× 投票は参政権であり、権利です。義務ではありません。
5→× 扶養義務は民法に定められているもので、憲法の国民の義務ではありません。

第27回問題77

福祉施設・職員の行為に関する次の記述のうち、その適否を考えるに当たり、憲法13条の人格権やプライバシー権が直接の根拠となるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

1 利用者が信じる宗教の経典の持ち込みを禁止すること
2 利用者が拒否する作業を強要すること
3 利用者の承諾なしに施設の案内パンフレットにその顔写真を掲載すること
4 利用者の承諾なしに施設協力費を預り金から徴収すること
5 利用者が施設批判をしたことを理由に退所を求めること

解説

正答は3です。
1→× 信教の自由(20条)の問題です。
2→× 奴隷的拘束・苦役からの自由(18条)の問題です。
3→○ 顔写真の無断掲載は、肖像権やプライバシー権の問題です。13条を根拠とします。
4→× 財産権(29条)の問題です。
5→× 表現の自由(21条)の問題です。

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