第39回で出題されるデータ&10年で問われたこと
成年後見制度の統計は、最高裁判所事務総局家庭局が毎年3月に公表する「成年後見関係事件の概況」から出題されます。
第38回では令和6年1月〜12月のデータが使われました。ですから第39回では、令和7年1月〜12月のデータが使われることになります。
元データはこちらです。
→成年後見関係事件の概況(令和7年1月〜12月)(最高裁判所事務総局家庭局)
この10年間で問われたこと
第28回から第38回までの出題を並べると、問われている項目は限られています。
申立人(第28回・第31回・第33回・第38回)
申立ての動機(第28回・第30回・第31回・第33回)
成年後見人等に選任された者(第31回・第33回・第36回)
開始原因(第31回・第33回)
鑑定(第30回・第31回)
利用者数と申立件数(第28回・第30回)
この6項目を押さえておけば対応できます。以下、令和7年のデータで確認していきます。
覚えてほしいデータはこの 選
①申立て件数
申立件数は43,159件で、前年から約3.2%の増加です。申立件数は増え続けています。
利用者数は259,901人です。内訳は、成年後見180,828人、保佐58,162人、補助18,078人、任意後見2,833人となっています。
*利用者数は約26万人です。また、任意後見の利用者は2,833人で、全体のごくわずかです。
②申立人

本人が最も多く、次いで市区町村長、本人の子の順です。
*令和6年までは市区町村長が最も多くなっていましたが、令和7年に順位が入れ替わりました。第38回では市区町村長が正答でしたので、注意が必要です。
*市区町村長申立ては10,139件で、こちらも増加しています。順位が下がったのは、本人による申立てがそれ以上に増えたためです。
申立ての動機

預貯金等の管理・解約が最も多く、次いで身上保護です。
*複数回答が可能なので、合計は100%を超えます。
成年後見人等に選任された者

親族以外が83.6%を占めています。親族は16.4%です。
制度が始まった当初は親族が9割を占めていましたが、平成24年に親族以外が上回り、その後も差が広がっています。親族の内訳では、子が52.0%と最も多くなっています。
親族以外の内訳はこちらです。

司法書士が最も多く、次いで弁護士、社会福祉士の順です。この3つの順位は変わっていません。
開始原因

認知症が最も多く61.3%を占めています。次いで知的障害、統合失調症の順です。
本人の男女別・年齢別
女性が55.5%、男性が44.5%で、女性のほうが多くなっています。
男女とも80歳以上が最も多く、男性34.5%、女性63.1%です。
65歳以上の割合は、男性が71.3%、女性が85.8%となっています。
*開始原因が「認知症」ということは、平均寿命が女性のほうが長いので、支援が必要になる可能性が高いということですね。
鑑定
鑑定を実施したものは全体の3.4%です。ほとんどの事件で鑑定は行われていません。
鑑定期間は1か月以内が52.6%で最も多く、費用は5万円以下が43.7%、10万円以下で85.8%となっています。
*鑑定を実施した割合が「約半数」といった記述は誤りです。
→成年後見の鑑定|後見・保佐・補助で必要かどうかが違います
覚えておきたい数字をまとめて確認
申立人 本人>市区町村長>本人の子
申立ての動機 預貯金等の管理・解約>身上保護
選任された者 親族以外83.6%>親族16.4%
親族以外の内訳 司法書士>弁護士>社会福祉士
開始原因 認知症61.3%
男女比 女性55.5%>男性44.5%
鑑定の実施率 3.4%
利用者数 約26万人
申立件数 約4.3万件(増加傾向)
過去問を確認しましょう
*解説は令和7年の最新データに基づいて書いています。出題当時のデータとは異なりますので、過去問の解答と一致しない場合があります。
第38回問題41
次のうち,「成年後見関係事件の概況(令和 6 年 1 月〜12 月)」(最高裁判所事務総局家庭局)に示された「成年後見関係事件」の申立人のうち最も多い者として,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 市区町村長
2 本人
3 本人の子
4 本人の兄弟姉妹
5 本人の任意後見人
解説(令和7年の最新データに基づいて書いています)
令和7年のデータでは、正答は2の本人です。
1→× 市区町村長は2番目に多くなっています(23.7%)。
2→○ 本人が最も多くなっています(24.8%)。
3→× 本人の子は3番目です(18.5%)。
4→× 兄弟姉妹は10.6%です。
5→× 任意後見人は1.6%です。
*出題当時(令和6年のデータ)の正答は1の市区町村長でした。順位が入れ替わっていますので、注意してください。
第36回問題82
次のうち,「成年後見関係事件の概況(令和 4 年 1 月~12 月)」(最高裁判所事務総局家庭局)に示された「成年後見人等」に選任された最も多い者として,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 親族
2 弁護士
3 司法書士
4 社会福祉士
5 市民後見人
解説(令和7年の最新データに基づいて書いています)
正答は3です。
1→× 親族は全体の16.4%です。
2→× 弁護士は24.9%で2番目です。
3→○ 司法書士が33.5%で最も多くなっています。
4→× 社会福祉士は20.4%で3番目です。
5→× 市民後見人は1.1%です。
第33回問題83
「成年後見関係事件の概況(平成31年1月~令和元年12月)」(最高裁判所事務総局家庭局)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 「成年後見関係事件」の「終局事件」において、主な申立ての動機として最も多いのは、預貯金等の管理・解約であった。
2 「成年後見関係事件」の「終局事件」において、市区町村長が申立人となったものの割合は、全体の約5割であった。
3 後見開始、保佐開始、補助開始事件のうち「認容で終局した事件」において、親族以外の成年後見人等の選任では、社会福祉士が最も多い。
4 「成年後見関係事件」のうち「認容で終局した事件」において、開始原因として最も多いのは、統合失調症であった。
5 「成年後見関係事件」の申立件数に占める保佐開始の審判の割合は、全体の約7割であった。
解説(令和7年の最新データに基づいて書いています)
正答は1です。
1→○ 預貯金等の管理・解約が93.4%で最も多くなっています。
2→× 市区町村長は23.7%です。
3→× 親族以外では司法書士が33.5%で最も多く、社会福祉士は20.4%で3番目です。
4→× 開始原因として最も多いのは認知症で61.3%です。統合失調症は9.3%です。
5→× 申立件数43,159件のうち、保佐開始は9,743件で約2割です。最も多いのは後見開始(29,233件)で約7割を占めます。
第31回問題80
「成年後見関係事件の概況(平成29年1月~12月)」(最高裁判所事務総局家庭局)に示された、2017年(平成29年)1月から12月の「成年後見開始等」の統計に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 申立ての動機として最も多かったのは、身上監護である。
2 申立人として最も多かったのは、市区町村長である。
3 開始原因として最も多かったのは、知的障害である。
4 「成年後見人等」に選任された者として最も多かったのは、司法書士である。
5 鑑定期間として最も多かったのは、2か月超え3か月以内である。
解説(令和7年の最新データに基づいて書いています)
正答は4です。
1→× 最も多いのは預貯金等の管理・解約(93.4%)です。身上保護は74.2%で2番目です。
2→× 令和7年のデータでは、最も多いのは本人(24.8%)です。市区町村長は23.7%で2番目です。
3→× 開始原因として最も多いのは認知症(61.3%)です。知的障害は9.6%です。
4→○ 司法書士が33.5%で最も多くなっています。
5→× 鑑定期間は1か月以内が52.6%で最も多くなっています。
第30回問題81
「成年後見関係事件の概況(平成28年1月~12月)」(最高裁判所事務総局家庭局)に示された、成年後見制度の最近の動向に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 「成年後見制度の利用者」は、約20万人である。
2 「成年後見関係事件」の申立件数は、約10万件である。
3 「成年後見人等」と本人との関係をみると、親族が「成年後見人等」に選任されたものが全体の約60%である。
4 「成年後見関係事件」の「終局事件」のうち、鑑定を実施したものは、全体の約半数であった。
5 成年後見開始の申立ての動機としては、介護保険契約締結のためが最も多い。
解説(令和7年の最新データに基づいて書いています)
令和7年のデータでは、正しいものはありません。
1→× 利用者数は約26万人です。
2→× 申立件数は約4.3万件です。
3→× 親族が選任されたものは16.4%です。
4→× 鑑定を実施したものは3.4%です。
5→× 最も多いのは預貯金等の管理・解約(93.4%)です。介護保険契約は45.7%で3番目です。
*出題当時(平成28年のデータ)の正答は1でした。当時の利用者


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