運営適正化委員会とは|社会福祉協議会が行う苦情解決とあっせん

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運営適正化委員会とは

運営適正化委員会は、社会福祉法第83条に基づいて都道府県社会福祉協議会に置かれる組織です。都道府県社協に置くという点が、そのまま出題されます。市町村社協でも都道府県でもありません。

設置の目的は2点です。

・福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)の適正な運営を確保すること
・福祉サービスに関する利用者等からの苦情を適切に解決すること

委員は、人格が高潔であって、社会福祉に関する識見を有し、かつ社会福祉、法律又は医療に関し学識経験を有する者で構成されます。法律と医療の専門家が入る点が特徴で、実際には弁護士や医師が委員を務めています。

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福祉サービス利用援助事業への助言と勧告

運営適正化委員会は、福祉サービス利用援助事業の適正な運営を確保するために必要があると認めるときは、その事業を行う者に対して必要な助言又は勧告をすることができます(社会福祉法第84条第1項)。勧告を受けた者は、これを尊重しなければならないとされています(同条第2項)。

日常生活自立支援事業は、判断能力が不十分な人と社協が契約を結んで行う事業です。契約する側の社協を、同じ都道府県社協に置かれた委員会が監視するという構造になっています。委員が外部の学識経験者で構成されるのは、この独立性を確保するためです。

日常自立支援事業はこちらをご覧ください

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苦情の解決は相談・助言・調査・あっせん

福祉サービスに関する苦情について解決の申出があったとき、運営適正化委員会は相談に応じ、申出人に必要な助言をし、苦情に係る事情を調査します(社会福祉法第85条第1項)。

そのうえで、申出人と福祉サービスを提供した者の双方の同意を得て、苦情の解決のあっせんを行うことができます(同条第2項)。

苦情解決は、まず事業者が行うものとされています。社会福祉事業の経営者は、常にその提供する福祉サービスについて、利用者等からの苦情の適切な解決に努めなければならないと定められています(社会福祉法第82条)。事業者は苦情受付担当者や苦情解決責任者を置き、第三者委員を任命して解決にあたります。それでも解決しない場合や、事業者に直接申し出にくい場合に、運営適正化委員会が苦情解決の受け皿になります。

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運営適正化委員会にできないこと

運営適正化委員会が行うのは、あくまで話合いによる解決です。裁判所のように事実を認定して判断を下す機関ではありませんし、事業者の指定を取り消したり、監査や行政処分を行ったりする権限もありません。

指定の取消しや業務停止といった処分を行うのは、指定を行った都道府県知事や市町村長です。

ただし、条文上の義務として、都道府県知事への通知が定められています。苦情の解決に当たり、その苦情に係る福祉サービスの利用者の処遇につき不当な行為が行われているおそれがあると認めるときは、都道府県知事に対し、速やかにその旨を通知しなければなりません(社会福祉法第86条)。

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介護保険サービスの苦情は国民健康保険団体連合会でも受け付けます

介護保険サービスに関する苦情については、国民健康保険団体連合会(国保連)にも窓口があります。介護保険法に基づいて、指定居宅サービス等の質の向上に関する調査や、事業者に対する必要な指導及び助言を行うこととされているためです。

介護保険サービスも福祉サービスに含まれるため、運営適正化委員会でも受け付けられます。どちらか一方でなければならないというものではありません。

2000年の社会福祉基礎構造改革でできた仕組みです

運営適正化委員会は、2000年(平成12年)に社会福祉事業法が社会福祉法に改められたときに新設されました。社会福祉基礎構造改革と呼ばれる一連の改正です。

この改革の中心にあるのは、措置から契約への転換です。行政が利用先を決める措置制度から、利用者が事業者と契約を結んで福祉サービスを利用する仕組みへ移りました。

契約になると、利用者は自分でサービスを選び、事業者と対等な立場に立つことが前提になります。しかし現実には、判断能力が不十分な人や、事業者に苦情を言い出しにくい立場の人がいます。そこで、利用者を支えるための仕組みが同時に用意されました。

・福祉サービス利用援助事業(日常生活自立支援事業)による、契約と金銭管理の支援
・事業者による苦情解決の努力義務(第82条)と、運営適正化委員会による第三者的な苦情解決(第83条から第86条)
・福祉サービスに関する情報の提供と、サービスの質の評価

運営適正化委員会が、日常生活自立支援事業の監視と苦情解決という2つの役割を持っているのは、どちらも契約制度への転換にともなって必要になったものだからだということがわかります。

過去問を確認しましょう

第37回問題127

事例を読んで,Aさんが苦情を申し立てることのできる仕組みとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事 例〕
B障害者支援施設を利用しているAさんは,日頃からC職員の態度が怖いと感じており,そのことについて苦情を申し立てたいと考えている。ただし,事業所の苦情受付担当者がC職員自身であるため,相談しづらい。なお,Aさんは,既に施設の苦情解決にかかわる第三者委員に相談したが,一向に状況が改善していない。

1 障害福祉サービス等情報公表制度
2 運営適正化委員会
3 安全委員会
4 福祉サービス第三者評価事業の評価機関
5 公益通報者保護制度

解説

正答は2です。

1→× 障害福祉サービス等情報公表制度は、事業者が事業内容や運営状況を都道府県知事に報告し、公表する仕組みです。利用者が苦情を申し立てる制度ではありません。
2→○ 事業者の苦情受付担当者に相談しづらく、第三者委員に相談しても改善しない場合の受け皿が運営適正化委員会です。相談、助言、事情調査を行い、双方の同意を得てあっせんを行います。
3→× 安全委員会は、社会福祉施設における労働災害の防止などを検討する組織で、利用者の苦情を扱うものではありません。
4→× 福祉サービス第三者評価事業の評価機関は、事業者の申込みを受けてサービスの質を評価する機関です。個別の苦情を受け付けて解決する機関ではありません。
5→× 公益通報者保護制度は、事業者の法令違反を通報した労働者等が不利益な取扱いを受けないよう保護する制度です。通報するのは労働者等であり、サービスの利用者が苦情を申し立てる仕組みではありません。

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