児童委員とは
児童委員は、児童福祉法に基づいて市町村の区域に置かれ、地域の児童と妊産婦の状況を把握し、相談や援助を行う人のことです。児童福祉法第16条第1項に「市町村の区域に児童委員を置く」と規定されています。
同条第2項では、民生委員法による民生委員は児童委員に充てられたものとする、とされています。民生委員に委嘱された人が、そのまま児童委員でもあるということです。児童委員だけを別に委嘱する仕組みはありません。
そのため、委嘱の主体、任期、身分、給与は民生委員と同じです。都道府県知事の推薦に基づいて厚生労働大臣が委嘱し、任期は3年、非常勤の特別職の地方公務員で、給与は支給されません。
職務に関しては、都道府県知事の指揮監督を受けます(児童福祉法第17条第4項)。研修についても、都道府県知事が児童委員の研修を実施しなければならないとされています(第18条の2)。
児童委員の職務
児童福祉法第17条第1項に、児童委員の職務が6点定められています。
・児童及び妊産婦につき、その生活及び取り巻く環境の状況を適切に把握しておくこと
・児童及び妊産婦につき、その保護、保健その他福祉に関し、サービスを適切に利用するために必要な情報の提供その他の援助及び指導を行うこと
・児童及び妊産婦に係る社会福祉を目的とする事業を経営する者又は児童の健やかな育成に関する活動を行う者と密接に連携し、その事業又は活動を支援すること
・児童福祉司又は福祉事務所の社会福祉主事の行う職務に協力すること
・児童の健やかな育成に関する気運の醸成に努めること
・そのほか、必要に応じて、児童及び妊産婦の福祉の増進を図るための活動を行うこと
対象が児童だけでなく妊産婦を含む点が、条文上の特徴です。また、児童委員自身が児童福祉司や社会福祉主事の職務を行うのではなく、その職務に協力する立場に置かれています。←協力機関と呼ばれる理由です
主任児童委員
主任児童委員は、児童委員のうちから厚生労働大臣が指名します(児童福祉法第16条第3項)。
主任児童委員の職務は、児童委員の職務について、児童の福祉に関する機関と児童委員との連絡調整を行うとともに、児童委員の活動に対する援助及び協力を行うことです。担当区域を持たず、区域を担当する児童委員を後方から支える位置づけになります。
主任児童委員は特定の施設に配属される職ではなく、あくまで地域で活動する児童委員の一部です。
児童相談所や市町村とのやりとり
市町村長は児童委員に必要な状況の通報や資料の提供を求め、必要な指示をすることができ(同条第1項)、児童相談所長は管轄区域内の児童委員に必要な調査を委嘱することができます(同条第4項)。
要保護児童を発見した者の通告についても、市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告するほか、児童委員を介してこれらの機関に通告する方法が定められています。
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第37回問題43
市民による福祉の担い手に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 認知症サポーターは,専門職のサポートを行うため,地域包括支援センターに配属される。
2 主任児童委員は,子どもや子育て家庭に関する相談に応じるため,児童家庭支援センターに配属される。
3 労働者協同組合は,地域における多様な需要に応じた仕事を創出するために,組合員自らが出資し事業に従事する。
4 民生委員は,市町村長の推薦によって,都道府県知事から委嘱される。
5 社会的企業は,株主の利益を最優先しながら,ビジネスの手法によって社会課題を解決する。
解説
正答は3です。
1→× 認知症サポーターは養成講座を受講した人がなるもので、特定の機関に配属される仕組みではありません。
2→× 主任児童委員は、児童委員のうちから厚生労働大臣が指名するものです。児童家庭支援センターに配属されるわけではありません。児童家庭支援センターは児童福祉施設で、そこに置かれる職員とは別のものです。
3→○ 労働者協同組合法に基づく労働者協同組合は、組合員が出資し、意見を反映して事業が行われ、組合員自らが事業に従事するという3つの基本原理をもちます。
4→× 民生委員は、都道府県知事の推薦によって厚生労働大臣が委嘱します。推薦するのが都道府県知事、委嘱するのが厚生労働大臣です。
5→× 社会的企業は、社会課題の解決を主たる目的とし、その手段としてビジネスの手法を用いる企業です。株主の利益を最優先するものではありません。
民生委員の記事もあわせて確認しましょう
児童委員は民生委員が兼ねるため、委嘱の流れや身分は民生委員の規定によります。推薦と委嘱の主体、民生委員協議会の意見具申は、そちらで整理しています。


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