災害の出題が続いています。第35回から第38回まで4回連続です。
そして令和7年、災害救助法は重要な法改正が行われました。
災害救助法とは
1947年(昭和22年)に制定されていますので
災害対策基本法(1961年)より14年前からある法律です。
この違いは何でしょうか???
それはずばり「時間軸」の違いです。
災害対策基本法が予防から復旧まで全体をカバーするのに対し、
災害救助法は発災直後の応急救助を担当します。
災害が起きたその日から、避難所を開き、食べ物を配り、医療を提供する。そこを担うのが災害救助法です。
誰が救助を行うのか
救助を行うのは都道府県知事です。
×市町村→身近な場所での援助と思いがちなので市町村に見えがちです。だからこそ気をつけましょう。
ただし、内閣総理大臣が指定した市は、その市の長が救助を行います。これを救助実施市といいます。
どんなときに適用されるのか
一定数以上の住家が滅失したときだけでなく多数の者が生命または身体に危害を受けるおそれが生じたときなどです。さらに2021年(令和3年)の改正で、災害が発生するおそれがある段階でも適用できるようになりました。
それまでは、災害が発生してからでないと災害救助法を適用できませんでした。台風が接近していて被害が確実に予想される状況でも、改正後は、災害が発生するおそれがある段階で適用できるようになり、避難所を開設してそこで食事を出すところまで、災害救助法の救助として実施できます。
救助の種類
法第4条に列挙されています。
①避難所及び応急仮設住宅の供与
②炊き出しその他による食品の給与及び飲料水の供給
③被服、寝具その他生活必需品の給与または貸与
④医療及び助産
⑤被災者の救出
⑥被災した住宅の応急修理
⑦生業に必要な資金、器具または資料の給与または貸与
⑧学用品の給与
⑨埋葬
⑩福祉サービスの提供 ←令和7年に追加
⑪その他政令で定めるもの(死体の捜索及び処理、障害物の除去)
令和7年の改正 福祉サービスの提供が加わりました(災害救助法第4条)
①から⑨を見てください。避難所、仮設住宅、食品、飲料水、被服、寝具、医療、住宅の修理、仕事の道具、学用品、埋葬。援助の対象は、形のあるものと「医療」です。
令和7年、ここに⑩として「福祉サービスの提供」が加わりました。
対象者:災害により現に被害を受け、避難生活において配慮を必要とする災害時要配慮者です。高齢者、障害者、子ども、妊産婦などが挙げられています。
救助期間:災害発生の日から7日以内です。
福祉サービスの提供の範囲は、内閣府告示に次の5つが定められています。
ア 災害時要配慮者に関する情報の把握
イ 災害時要配慮者からの相談対応
ウ 災害時要配慮者に対する避難生活上の支援
エ 災害時要配慮者の避難所への誘導
オ 福祉避難所の設置
具体的な方法として、次のようなものが想定されています。
①被災市町村の福祉関係職員の巡回
②DWAT(災害派遣福祉チーム)の在宅・車中泊避難者への派遣
③都道府県の要請を受けて派遣された保健師や看護師等による健康観察・健康相談
④都道府県が各士業関係者と連携して開催する相談会等での相談対応
*②にDWATが出てきます。避難所への派遣ではなく、在宅・車中泊の避難者への派遣として挙げられているところがポイントですね。
災害救助法は「避難所を用意する、食品を配る、仮設住宅を建てる」といった「場所」と「物」に焦点があたっていました。そこに、「人を支える支援」が加わったということです。対象も避難所の中に限りません。在宅避難者や車中泊の避難者への福祉的支援が、この改正の狙いに含まれています。
改正点の演習問題
では今回の改正点を練習問題を通して確認しましょう!
問1 災害救助法による救助を行うのは、市町村長である。
→× 都道府県知事です。ただし、内閣総理大臣が指定した救助実施市では、市長が行います。
問2 災害救助法では、災害ボランティアセンターの設置を市町村社会福祉協議会に義務づけている。
→× 災害救助法に、災害ボランティアセンターの設置に関する規定はありません。災害対策基本法などにも法的な根拠はありません。
問3 災害救助法は、災害が発生するおそれがある段階では適用できない。
→× 令和3年の改正で、適用できるようになりました。
問4 令和7年の改正で、災害救助法の救助の種類に福祉サービスの提供が加えられた。
→○ 約70年ぶりの追加です。
防災に関する全体像はこちらを参照ください


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