【頻出!すっきり整理したい単語シリーズ】福祉の「協議会」まとめ|要保護児童対策地域協議会・自立支援協議会・発達障害者支援地域協議会・障害者差別解消支援地域協議会・孤独孤立対策地域協議会

社会福祉の原理と政策
スポンサーリンク

国家試験の勉強をしていると必ず出てくる「ごちゃごちゃする単語」「違いがわからないくなる単語」「似てる単語」そこをすっきりさせたい時に読んでほしい「頻出!すっきり整理したい単語シリーズ」です。

今日は「協議会シリーズ」です。要保護児童対策地域協議会・自立支援協議会・発達障害者支援地域協議会・障害者差別解消支援地域協議会・孤独孤立対策地域協議会などなど。

こういう分野の整理・総まとめは、縦割りではなく、科目を超えて、法律を超えて、全部並べて覚えるのが一番効果があります。また、並べるとすべてに共通する決まり事や役割、法律の構成のようなものが見えてくるので、もしこれ以外の協議会が出てきたとしても、これから覚えやすくなったり考えやすくなったりすると思います。では、協議会と書かれているものを条文どおりに整理していきましょう。

各「協議会」

まずは「児童」「障害」「その他」の分野に分けて国家試験で出題されやすい協議会を並べます。この5つの協議会を5つの軸で整理することで、覚えるべきことをしっかり理解することができます。

児童

要保護児童対策地域協議会(児童福祉法第25条の2)

障害

協議会(障害者総合支援法第89条の3)

発達障害者支援地域協議会(発達障害者支援法第19条の2)

障害者差別解消支援地域協議会(障害者差別解消法第17条)

その他

孤独・孤立対策地域協議会(孤独・孤立対策推進法第15条)→令和6年4月に施行された新しい法律

 孤独・孤立対策推進法そのものについては、こちらの記事でまとめています。

【社会福祉士】孤独支援法とは?「孤独・孤立対策推進法」をやさしく整理|第38回出題
ついに出題されました。孤独孤立対策推進法。内容を確認するだけでなく、新法を勉強する時にポイントをお伝えします!

軸1|何のためにあるのか

協議会の役割は大きく2つに分類されます。
「支援の体制を整える」
「関係者が連携して支援や取組を行う」

よって、どれも協議会そのものがサービス(相談にのる、給付する、施設を運営する等)を提供する場ではないということです。関係者が集まり、「情報の共有・交換」と「協議」の2つが柱です。

分野名称条文に書かれた目的所掌事務
児童①要保護児童対策地域協議会要保護児童の適切な保護又は要支援児童若しくは特定妊婦への適切な支援を図るため
(第25条の2第1項)
支援対象児童等に関する情報等の交換、支援の内容に関する協議(第2項)
障害②協議会障害者等への支援の体制の整備を図るため
(第89条の3第1項)
適切な支援に関する情報及び支援体制の課題についての情報の共有、連携の緊密化、体制の整備についての協議(第2項)
障害③発達障害者支援地域協議会発達障害者の支援の体制の整備を図るため
(第19条の2第1項)
相互の連絡、支援体制の課題についての情報共有、連携の緊密化、体制の整備についての協議(第2項)
障害④障害者差別解消支援地域協議会関係機関が行う障害を理由とする差別に関する相談及び当該相談に係る事例を踏まえた差別を解消するための取組を効果的かつ円滑に行うため(第17条第1項)必要な情報の交換、相談及び事例を踏まえた取組に関する協議(第18条第1項)
その他⑤孤独・孤立対策地域協議会孤独・孤立対策を推進するために必要な連携及び協働を図るため(第15条第1項)必要な情報の交換、支援の内容に関する協議(第16条第1項)

情報の交換や協議を行うために必要があるとき、協議会は関係機関等に対して資料又は情報の提供などを求めることができることもほぼ共通しています。*③には、協力を求めることができるという規定がありません。

軸2|どこに置かれるのか

ここは3つのパターンに分かれます。

①②⑤は協議会で最も多い「地方公共団体」「単独または共同して」です。地域の実情に合わせて設置します。

都道府県 協議会は①②⑤が多いのでレアなパターンです。

国及び地方公共団体の機関 条文では「関係機関」と記載されており、「医療、介護、教育その他の障害者の自立と社会参加に関連する分野の事務に従事するもの」、要するに現場の機関が集まって作ることが想定されています。

分野名称置く(組織する)主体単独・共同
児童①要保護児童対策地域協議会地方公共団体単独で又は共同して
障害②協議会地方公共団体単独で又は共同して
障害③発達障害者支援地域協議会都道府県記載なし
障害④障害者差別解消支援地域協議会国及び地方公共団体の機関(関係機関)記載なし
その他⑤孤独・孤立対策地域協議会地方公共団体単独で又は共同して

軸3|設置は義務なのか

今回あげた代表的な協議会には「置かなければならない」「置くものとする」のどちらの規定もありません。設置が義務付けられていないということです。努力義務か任意かのどちらかになります。

分野名称設置義務/努力義務/任意
児童①要保護児童対策地域協議会置くように努めなければならない
障害②協議会置くように努めなければならない
障害③発達障害者支援地域協議会置くことができる
障害④障害者差別解消支援地域協議会組織することができる
その他⑤孤独・孤立対策地域協議会置くよう努めるものとする

ただ、義務でなくても、実際にはほとんどの自治体が設置しているものもあります。例えば①の要保護児童対策地域協議会は、全国1,741市区町村のうち1,732市区町村が設置しています。割合にして99.5%。指定都市、中核市、特別区、市は、いずれも100%です。設置していないのは、町5、村4の合計9自治体だけです。(こども家庭庁「市区町村(こども家庭センター等)状況調査の結果について」(令和6年10月1日時点))

軸4|構成員(当事者や家族が含まれるか)

構成員の大半は「関係機関・関係団体」「その分野の職務に従事する者」「その他の関係者」です。これらは、どの協議会にもみられる共通の構成員です。

そして違いが出るのが、当事者と家族が入っているかどうかです。②は「障害者等及びその家族」、③は「発達障害者及びその家族」と、条文に記載されていますが、①④⑤にはその規定がありません。

分野名称構成員
児童①要保護児童対策地域協議会関係機関、関係団体及び児童の福祉に関連する職務に従事する者その他の関係者
障害②協議会関係機関、関係団体並びに障害者等及びその家族並びに障害者等の福祉、医療、教育又は雇用に関連する職務に従事する者その他の関係者
障害③発達障害者支援地域協議会発達障害者及びその家族、学識経験者その他の関係者並びに医療、保健、福祉、教育、労働等に関する業務を行う関係機関及び民間団体並びにこれに従事する者
障害④障害者差別解消支援地域協議会関係機関。必要があると認めるときは特定非営利活動法人その他の団体、学識経験者等を加えることができる
その他⑤孤独・孤立対策地域協議会支援に関係する機関及び団体、支援に関係する職務に従事する者その他の関係者

軸5|調整機関の有無

国家試験では、要保護児童対策地域協議会が出題された際、調整機関の指定について、その調整機関に調整担当者を置く必要性があることが問われました。そこでこれらの協議会に調整機関や調整担当者が設置されているのかを確認します。

協議会は色々な機関を集めて作ります。そのため、協議会によっては、総務的な事務局について明記されている場合があり、それが調整機関です。5つのうち、調整機関の規定を持つのは①要保護児童対策地域協議会と⑤孤独・孤立対策地域協議会の2つです。

①要保護児童対策地域協議会
協議会を設置した地方公共団体の長が、構成する関係機関等のうちから一に限り要保護児童対策調整機関を指定する(第4項)。調整機関は、協議会に関する事務を総括するとともに、支援対象児童等に対する支援の実施状況を的確に把握し、必要に応じて、児童相談所その他の関係機関等との連絡調整を行う(第5項)。

⑤孤独・孤立対策地域協議会
協議会を設置した地方公共団体の長が、構成機関等のうちから一の機関又は団体を限り孤独・孤立対策調整機関として指定することができる(第17条第1項)。調整機関は、協議会に関する事務を総括するとともに、構成機関等が行う支援の状況を把握しつつ、必要に応じて他の構成機関等が行う支援を組み合わせるなど、構成機関等相互の連絡調整を行う(第2項)。

ただし、調整機関に調整担当者を置くものとするという規定があるのは①要保護児童対策地域協議会だけです。調整担当者は「児童福祉司たる資格を有する者又はこれに準ずる者」とされています(児童福祉法施行規則第25条の28第2項)。さらに、定められた基準に適合する研修を受けなければなりません(第8項)。

分野名称調整機関指定専門職の配置
児童①要保護児童対策地域協議会要保護児童対策調整機関(一に限り指定)指定する調整担当者を置くものとする(市町村以外は努力義務)。研修の受講義務あり
障害②協議会規定なし
障害③発達障害者支援地域協議会規定なし
障害④障害者差別解消支援地域協議会規定なし(庶務は構成する地方公共団体が処理)
その他⑤孤独・孤立対策地域協議会孤独・孤立対策調整機関(一の機関又は団体を限り指定)指定することができる規定なし

すっきり整理:全体の比較表

分野名称主体義務当事者
家族
調整機関
児童①要保護児童対策地域協議会地方公共団体
(単独で又は共同して)
努力義務規定なしあり
専門職配置
障害②協議会(自立支援協議会)地方公共団体
(単独で又は共同して)
努力義務規定ありなし
障害③発達障害者支援地域協議会都道府県任意規定ありなし
障害④障害者差別解消支援地域協議会国及び地方公共団体の機関
(関係機関)
任意規定なしなし
その他⑤孤独・孤立対策地域協議会地方公共団体
(単独で又は共同して)
努力義務規定なしあり

「協議会」でも、運営を評価する場がある

ここまでの5つは、どれも地域の支援体制をつくるための協議会でしたが、同じ「協議会」という名前でも、性格がまったく違うものがあります。

代表的なものが国家試験に出題された「地域包括支援センター運営協議会」です。「地域包括支援センターは、地域包括支援センター運営協議会の意見を踏まえて、適切、公正かつ中立な運営を確保すること」と記載されています(介護保険法施行規則第140条の66第2号ロ)。

第27回問134

選択肢:市町村は、地域包括支援センターの適切、公正かつ中立な運営を確保するため、地域包括支援センター運営協議会を設置することとされている。

正答:○

こちらは、国家試験に出題されているわけではありませんが、運営推進会議というものもあります。小規模多機能型居宅介護や認知症対応型共同生活介護といった地域密着型サービスの事業所に、指定基準を定める省令によって置かれます。利用者、利用者の家族、地域住民の代表者、市町村の職員又は地域包括支援センターの職員、有識者などで構成され、事業所がサービスの提供状況を報告して評価を受け、要望や助言を聴く場です。

まとめ

各科目でバラバラに覚える協議会ですが、共通する役割や共通する考え方があることがわかっていただけたでしょうか。法律にはさまざまな目的や基本理念がありますが、概ね、共通する構造になっていますし、名称が似ているものは同じような役割を担っていることが多いということです。

国家試験の勉強を、できるだけ効率よく、「出題されているところだけ」かいつまんで勉強したい。その気持ちはとてもよくわかります。でも、かいつまんで勉強していると、共通する決まりがなかなか見えません。結局のところ、わけのわからない暗記を積み重ねることになります。

今回のようにしっかりと横に並べて、共通していることを理解すれば、これから新しい協議会ができたときに、何を理解したらよいのか、何がその協議会の特徴なのかが、すぐにわかると思います。

このような、一見タイパが悪そうで、じつはタイパの良い勉強を目指したいのであれば、こちらの記事も参考になると思います。ぜひ一緒に読んでみてください。

法律が多すぎて覚えられない|福祉の法律は、どこを優先して読めばいいのか
法律が多すぎて覚えられない方へ!条文は、どこを優先して読めばいいのかをお伝えします。

この記事は「頻出!すっきり整理したい単語シリーズ」の一つです。ほかにも読むとすっきりする記事がきっとあるはずです。その他の記事はこちらから→頻出!すっきり整理したい単語シリーズ

コメント

タイトルとURLをコピーしました