要保護児童対策地域協議会等「協議会」5つを整理|設置義務と調整機関

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社会福祉の原理と政策
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各法にある「協議会」

協議会という名前の会議体は、いくつもの法律に規定があります。名前も根拠法も違いますが、条文の作りはよく似ています。国家試験に出題された5つを並べて、共通する部分と、法律によって違う部分を整理します。

・要保護児童対策地域協議会(児童福祉法25条の2)
・協議会(障害者総合支援法89条の3)
・発達障害者支援地域協議会(発達障害者支援法19条の2)
・障害者差別解消支援地域協議会(障害者差別解消法17条)
・孤独・孤立対策地域協議会(孤独・孤立対策推進法15条)

孤独・孤立対策推進法についての記事はこちら
→ 孤独支援法とは?「孤独・孤立対策推進法」をやさしく整理

*一番出題されているのは「協議会の設置が義務かどうか」です。

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設置主体について

地方公共団体が単独で又は共同して組織する

要保護児童対策地域協議会、障害者総合支援法の協議会、孤独・孤立対策地域協議会がこれにあたります。地域の実情に合わせて、単独で置くことも、近隣の自治体と共同で置くこともできます。

↑最も多いのはこのパターンです

都道府県が設置する

発達障害者支援地域協議会は都道府県が設置します。

国及び地方公共団体の機関

障害者差別解消支援地域協議会は、国及び地方公共団体の機関が組織します。条文では「関係機関」と書かれており、医療、介護、教育その他の障害者の自立と社会参加に関連する分野の事務に従事する現場の機関が集まって作ることが想定されています。

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設置の義務/努力義務/任意について

「置くように努めなければならない」

・要保護児童対策地域協議会
・障害者総合支援法の協議会
・孤独・孤立対策地域協議会

 「設置しなければならない」という規定は今回の5つの中にはありません。

「置くことができる」「組織することができる」

・発達障害者支援地域協議会
・障害者差別解消支援地域協議会です。

実態について

ただし義務でなくても、実際にはほとんどの自治体が置いているものもあります。要保護児童対策地域協議会は、全国1,741市区町村のうち1,732市区町村が設置しています。割合にすると99.5%で、指定都市、中核市、特別区、市はいずれも100%です。設置していないのは町5、村4の合計9自治体だけです(こども家庭庁「市区町村(こども家庭センター等)状況調査の結果について」令和6年10月1日時点)。

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協議会の共通する役割

協議会の目的は「関係者が集まって情報を交換し、支援の内容や体制について協議する場」です。相談に応じたり給付を行ったり施設を運営したりする場ではありません。

×の出題例
障害支援区分の認定に関する審査判定業務を行わせるため、市町村に協議会を設置する。
→ 審査判定を行うのは市町村審査会です。

×の主題例
孤独・孤立対策に関する施策に関し、国と地方公共団体との調整を目的として、孤独・孤立対策地域協議会を設置する。
→ 国と地方公共団体の調整を目的とするものではありません。

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調整会議(事務局)を置くかどうかは法律次第

協議会はいろいろな機関を集めて作るため、全体の事務をまとめる窓口が必要になります。条文では「調整機関」として規定されています。この調整機関の規定があるのは、要保護児童対策地域協議会と孤独・孤立対策地域協議会の2つです。要保護児童対策地域協議会は調整機関を「指定する」、孤独・孤立対策地域協議会は調整機関を「指定することができる」と、語尾が異なります。

<養護児童対策地域協議会>
協議会を設置した地方公共団体の長が、構成する関係機関等のうちから一に限り要保護児童対策調整機関を指定します。調整機関は、協議会に関する事務を総括するとともに、支援対象児童等に対する支援の実施状況を的確に把握し、必要に応じて児童相談所その他の関係機関等との連絡調整を行います。
・調整機関には調整担当者を置くものとされ、調整担当者は「児童福祉司たる資格を有する者又はこれに準ずる者」とされています(児童福祉法施行規則25条の28第2項)。さらに、厚生労働大臣が定める基準に適合する研修を受けなければなりません。

<孤独・孤立対策地域協議会>
協議会を設置した地方公共団体の長が、構成機関等のうちから一の機関又は団体を限り孤独・孤立対策調整機関として指定することができます。調整機関は、事務を総括するとともに、構成機関等が行う支援の状況を把握しつつ、必要に応じて他の構成機関等が行う支援を組み合わせるなど、構成機関等相互の連絡調整を行いますが、要保護児童対策地域協議会のような調整担当者は配置されていません。

すっきり整理

名称組織する主体設置調整機関調整担当者
要保護児童対策地域協議会1または2以上の地方公共団体努力務ありあり
協議会(障害者総合支援法)1または2以上の地方公共団体努力義務なしなし
発達障害者支援地域協議会都道府県任意なしなし
障害者差別解消支援地域協議会国及び地方公共団体の機関任意なしなし
孤独・孤立対策地域協議会1または2以上の地方公共団体努力義務ありなし

ここに挙げた以外の協議会

福祉の分野には、ほかにも法律に位置づけられた協議会があります。ここに挙げた5つは国家試験で出題されたものに絞りました。それ以外にも「協議会」はありますので、ご確認ください。

DV防止法の協議会についての記事はこちら
→ DV防止法とは|配偶者暴力相談支援センターを整理・保護命令は地方裁判所

過去問を解いてみましょう

第32回 問題140

要保護児童対策地域協議会に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。

1 国は,要保護児童等を支援するために,関係機関,関係団体及び関係者により構成される要保護児童対策地域協議会を設置しなければならない。
2 児童相談所長は,要保護児童対策地域協議会を構成する関係機関等のうちから,1 個に限り要保護児童対策調整機関を指定しなければならない。
3 要保護児童対策調整機関の調整担当者は,厚生労働大臣が定める基準に適合する研修を受けなければならない。
4 要保護児童対策調整機関には,専門的な知識及び技術に基づき適切な業務を行うことができる者として,主任児童委員を配置しなければならない。
5 母子健康包括支援センター(子育て世代包括支援センター)を設置した市町村は,要保護児童対策地域協議会を廃止することとされている。

解説

1 →× 協議会を置くのは地方公共団体で、置くように努めなければならないという努力義務です。
2 →× 調整機関を指定するのは、協議会を設置した地方公共団体の長です。
3 →○
4 →× 調整機関に置くのは調整担当者で、児童福祉司たる資格を有する者又はこれに準ずる者とされています。
5 →× 母子健康包括支援センターの設置と協議会の廃止は関係ありません。

第38回 問題21

孤独・孤立対策推進法に関する問題です。選択肢5で孤独・孤立対策地域協議会が問われました。

5 孤独・孤立対策に関する施策に関し,国と地方公共団体との調整を目的として,孤独・孤立対策地域協議会を設置する。

解説

5 →× 孤独・孤立対策地域協議会は、地方公共団体が孤独・孤立対策の推進に必要な連携と協働を図るために組織するものです。国と地方公共団体の調整を目的とするものではありません。


この問題の他の選択肢についての記事はこちら
→ 孤独支援法とは?「孤独・孤立対策推進法」をやさしく整理

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