社会的養護とは|5つの施設と里親・ファミリーホームの違いを整理

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児童・家庭福祉
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社会的養護とは

社会的養護とは、保護者のない児童や、保護者に監護させることが適当でない児童を、公的な責任で社会的に養育し、あわせてその家庭を支援することをいいます。

対象となるのは、児童福祉法6条の3第8項にいう要保護児童です。保護者のない児童又は保護者に監護させることが不適当であると認められる児童を指します。

社会的養護は、里親やファミリーホームで育てる家庭養護と、施設で育てる施設養護に分かれますが、どちらを先に検討するかは、児童福祉法3条の2の家庭養育優先の原則にその考え方が記載されています。

家庭養育優先の原則についての記事はこちら
家庭養護と家庭的養護の違い|里親・ファミリーホームと施設の優先順位を整理

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家庭養護にあたるもの

家庭養護にあたるのが、里親とファミリーホーム(小規模住居型児童養育事業)です。養育者の家庭に児童を迎え入れて養育します。

ファミリーホームは児童福祉法上の児童福祉施設ではなく法に基づく事業に位置付けられています。

里親についての記事はこちら
里親の種類をわかりやすく解説|里親研修と認定・特別養子縁組制度についても

ファミリーホームについての記事はこちら
【児童家庭福祉】法改正「自立援助ホーム」と「ファミリーホーム」の違い|要保護児童の行き先を整理する

社会的養護を担う施設は5つです。この5つをまとめて社会的養護関係施設といいます。

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施設養護にあたるもの

社会的養護を担う施設は以下の5つです。

乳児院(児童福祉法37条)

乳児(児童福祉法では1歳未満)を入所させて養育する施設です。ただし、必要がある場合には幼児(児童福祉法では1歳から就学前までの児童)も入所させることができます。

母子生活支援施設(児童福祉法38条)

配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子と、その者の監護すべき児童を入所させる施設です。対象が配偶者のない女子とその児童なので、父子家庭は入所できません。

児童養護施設(児童福祉法41条)

保護者のない児童、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させる施設です。必要がある場合には乳児も入所させることができます。乳児院とは対象年齢が重なる部分があり、年齢だけできれいに分かれるわけではありません。

保護者に監護させることが不適当な児童も対象になるので、保護者がいる児童も入所します。

児童心理治療施設(児童福祉法43条の2)

家庭環境、学校における交友関係その他の環境上の理由により、社会生活への適応が困難となった児童を対象とする施設です。入所のほか、保護者のもとから通わせる形もあります。かつては情緒障害児短期治療施設という名称でした。

児童自立支援施設(児童福祉法44条)

不良行為をなし、又はなすおそれのある児童と、家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童を対象とする施設です。ここも、入所のほか通わせる形があります。

<施設の小規模化>
施設養護というと、大きな建物に大勢の子どもが暮らしている姿を思い浮かべるかもしれません。かつてはそれが一般的でしたが、現在はできるだけ家庭に近い環境で育てる方向へ移ってきています。少人数の生活単位にすることで、決まった職員が継続的にかかわり、一人ひとりに合わせた養育がしやすくなるためです。こうした形の施設養護を、家庭的養護といいます。
その具体的な形が、地域小規模児童養護施設と小規模グループケアです。どちらも児童福祉法の条文に出てくる言葉ではありません。通知に基づく仕組みで、法律上はいずれも児童養護施設です。
なお、里親やファミリーホームのように養育者の家庭に迎え入れる形は、家庭的養護ではなく家庭養護と呼び分けます。「的」が入るかどうかで意味が変わりますので、あわせて確認しておきましょう。
家庭養護と家庭的養護の違いについての記事はこちら
家庭養護と家庭的養護の違い|里親・ファミリーホームと施設の優先順位を整理

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施設に入るまでの手続

里親への委託や児童福祉施設への入所の措置を採るのは、児童福祉法27条1項3号により都道府県とされています。ただし、この権限は児童相談所長に委任することができるとされており、実際には児童相談所が判断して措置を行っています。皆さんのテキストに「都道府県」と書いてあったり「児童相談所」と書いてあったりするのは、そのためです。

保護者が同意しない場合は、児童相談所や都道府県の判断だけで措置を採ることはできず、家庭裁判所の承認を得る必要があります。児童福祉法28条に定められており、実務では28条措置と呼ばれています。同意があるかないかで手続が変わる、と押さえてください。

措置と家庭裁判所についての記事はこちら
児童相談所の措置と家庭裁判所|同意があるかないかで変わる手続

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第三者評価の受審が義務づけられています

社会的養護関係施設の5つは、毎年の自己評価と、3年に1度以上の第三者評価の受審、その結果の公表が義務づけられています。平成24年度からです。

ほかの福祉サービスでは第三者評価の受審は任意ですが、この5つだけ義務になっています。子どもが施設を選べる仕組みではないこと、施設長による親権代行等の規定があること、被虐待児の増加により施設運営の質の向上が求められることが理由とされています。

第三者評価についての記事はこちら
福祉サービスの第三者評価をわかりやすく解説|受審義務あり?社会的養護施設

過去問を確認しましょう

第36回問題137

次の記述のうち、児童福祉法に定められた事業の説明として、最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 児童発達支援は、未就学の児童とその保護者を対象に、「子育てひろば」を実施する取組である。
2 放課後等デイサービスは、小学校に通う児童を対象に、放課後、小学校の空き教室や児童館等の公共施設において「学童保育」を実施する取組である。
3 保育所等訪問支援は、保育所等に入所している健診未受診の乳幼児を対象に、保健師が保育所等を訪問する取組である。
4 児童自立生活援助事業は、「自立援助ホーム」における相談その他の日常生活上の援助及び生活指導並びに就業の支援を行う取組である。
5 子育て短期支援事業は、出産直後の子育て家庭を対象に、居宅を訪問して家事支援等を行う取組である。
(注)「自立援助ホーム」とは、義務教育を終了した児童又は児童以外の満 20 歳に満たない者であって、措置解除された者等が共同生活を営むべき住居のことである。

解説

正答は4です。
障害児のサービスについての記事はこちら
障害児のサービスと根拠法|サービスの種類と支給決定を過去問で整理
1→× 児童発達支援は、障害のある児童に対して発達支援を行うものです。子育てひろばは地域子育て支援拠点事業です。
2→× 放課後等デイサービスは、障害のある児童に対して放課後や休業日に発達支援を行うものです。学童保育は放課後児童健全育成事業です。
3→× 保育所等訪問支援は、障害のある児童が集団生活に適応できるよう、訪問して支援するものです。保健師が健診未受診の乳幼児を訪問するものではありません。
4→○ 記述のとおりです。児童自立生活援助事業は、自立援助ホームで、相談その他の日常生活上の援助、生活指導、就業の支援を行うものです。
5→× 子育て短期支援事業は、保護者が児童の養育を一時的に行えない場合に、児童を預かるものです。ショートステイやトワイライトステイと呼ばれます。居宅を訪問して家事支援を行うのは子育て世帯訪問支援事業です。

第27回問題138

社会的養護に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)は、児童を養育者の家庭に迎え入れて養育を行う事業である。
2 民法上の扶養義務を有する親族は、里親になることはできない。
3 市町村に設置される要保護児童対策地域協議会は、主として児童及びその家族について必要な調査及び指導を行う。
4 児童発達支援センターは、虐待を受けた児童などを入所させる施設である。
5 児童養護施設は、保護者のいる児童を入所させることはできない。

解説

正答は1です。
1→○ 記述のとおりです。養育者の家庭に迎え入れる形なので、家庭養護にあたります。
2→× 親族里親があります。
3→× 要保護児童対策地域協議会は、情報の交換と支援内容の協議を行います。調査及び指導を行う機関ではありません。

協議会については、こちらで詳しく説明しています。
福祉の「協議会」まとめ|要保護児童対策地域協議会・自立支援協議会・発達障害者支援地域協議会・障害者差別解消支援地域協議会
4→× 児童発達支援センターは通所の施設です。
5→× 保護者に監護させることが不適当な児童も対象になるため、保護者のいる児童も入所します。

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