住宅セーフティネット法とは
住宅セーフティネット法(住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律)は、高齢者や障害者など、民間の賃貸住宅への入居が難しくなりやすい人たちが、安心して住まいを確保できるようにすることを目的とした法律です。
住宅確保要配慮者とは、高齢者、障害者、子どもを養育する者(ひとり親を含む子育て世帯)、低額所得者、被災者、外国人など、住宅の確保について特に配慮を要する人を指します。
令和6年に法改正されていますので、改正点も要チェックです!
制度の3本柱
住宅セーフティネット制度は、次の3つの取り組みを柱としています。
①住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅を登録する制度(セーフティネット登録住宅)
文字通り、様々な理由で家を貸してもらえないという状況を回避するために設けられている仕組みです。*大家側が近隣トラブルや家賃の未払いを不安視して入居を断る例が少なくなく、高齢者の4人に1人以上が年齢 を理由に入居を断られた経験があるという調査結果もあります。
②登録住宅の改修や、入居者への経済的な支援
・住宅セーフティネット法の対象住宅として登録するためには、耐震等の基準を満たす必要があるため、耐震 工事等費用について助成が受けられます。
・住宅確保要配慮者等は、一部家賃の助成が受けられる場合があります。
③住宅確保要配慮者居住支援法人(都道府県から指定)による居住支援
入居前の支援→保証人がいない人でも入居しやすくなるよう家賃債務保証を提供するほか、賃貸住宅に関する情報提供や入居相談を行います。
入居後の支援→安否確認や生活に関する相談対応など、見守りを中心とした生活支援を行います。
住宅確保要配慮者居住支援協議会
都道府県・市区町村、不動産関係団体、居住支援法人などが連携するための場として、住宅確保要配慮者居住支援協議会が組織されています。この協議会自体は、関係者間の情報共有・連携を図るための仕組みです。
協議会については、これをお読みになっていただいている方は「あ、いつもの協議会」となっていると思います。

令和6年改正のポイント
令和6年改正では、大家側の不安を減らす仕組みと、要配慮者本人への支援を組み込んだ仕組みが、それぞれ新設・強化されました。
大家側の不安を減らす仕組み
家賃の未払いリスクに対応する2つの制度が導入されています。生活保護受給者が入居する場合は家賃の代理納付が原則化され、それ以外の要配慮者についても、認定を受けた家賃債務保証業者が家賃債務保証を原則として引き受ける仕組みが整いました。これにより、大家が家賃滞納を理由に入居を断る事情が軽減されることが狙いです。
要配慮者本人への支援
見守りなどのサービスを組み込んだ「居住サポート住宅」認定制度が創設されました。居住支援法人等が、入居者のニーズに応じて安否確認・見守り・福祉サービスへのつなぎを行います。また、入居者が死亡した際の残置物処理も居住支援法人の業務に加わり、入居後から死亡時まで一貫した支援体制が整えられています。
まとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律 |
| 住宅確保要配慮者 | 高齢者、障害者、子育て世帯、低額所得者、被災者、外国人など |
| 制度の3本柱 | 登録住宅制度、改修・経済的支援、居住支援法人等による居住支援 |
| 令和6年改正 | 令和7年10月1日施行。居住サポート住宅認定制度の創設、家賃債務保証の原則引受け等 |
過去問で確認
第36回問題31 (住宅セーフティネット法に関する問題は太文字です)
居住支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 住宅確保要配慮者居住支援協議会は、住宅確保要配慮者に対して家賃の貸付けを行っている。
2 住居確保給付金は、収入が一定水準を下回る被用者に限定して、家賃を支給するものである。
3 シルバーハウジングにおけるライフサポートアドバイザーは、身体介護を行うために配置されている。
4 「住宅セーフティネット法」は、住宅確保要配慮者が住宅を購入するための費用負担についても定めている。
5 地方公共団体は、公営住宅法に基づき、住宅に困窮する低額所得者を対象とする公営住宅を供給している。
1→× 協議会は関係者間の連携の場であり、家賃の貸付けを行う組織ではありません。
2→× 被用者に限定されず、離職・廃業から2年以内の人なども対象です。
3→× 身体介護ではなく、生活指導・相談、安否確認、緊急時対応などを行う職種です。
4→× 住宅セーフティネット法は賃貸住宅の供給促進を図る法律であり、住宅の購入費用負担は定めていません。
5→○
第38回問題49 (住宅セーフティネット法に関する問題は太文字)
地域福祉における支援・配慮を要する者に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 子ども・若者育成支援推進法に基づくヤングケアラーとは、家族の介護その他の日常生活上の世話を過度に行っていると認められる18歳未満の者をいう。
1→× ヤングケアラーの定義には年齢の明記がなく、18歳未満に限定されません。

2 「困難女性支援法」における困難な問題を抱える女性とは、犯罪等により害を被った女性及びその家族又は遺族をいう。 2→× 困難女性支援法における「困難な問題を抱える女性」とは、性的な被害、家庭の状況、地域社会との関係性その他の様々な事情により日常生活又は社会生活を円滑に営む上で困難な問題を抱える女性(そのおそれのある女性を含む)をいいます。
3 「住宅セーフティネット法」における住宅確保要配慮者とは、生活困窮者自立支援制度による住居確保給付金の支給対象にならない者をいう。
3→× 住宅確保要配慮者の定義は住居確保給付金の支給対象かどうかとは関係がありません。
4 災害対策基本法における避難行動要支援者とは、都道府県が作成する避難行動要支援者名簿への登載を希望する者をいう。
4→× 避難行動要支援者名簿を作成する義務を負うのは市町村(市町村長)であり、都道府県ではありません。

5 「ひきこもり支援ハンドブック」におけるひきこもり支援対象者とは、社会的に孤立し、孤独を感じている状態にある人や、様々な生きづらさを抱えている状態の人をいう。
5→○



コメント