支援会議の目的
社会福祉法と生活困窮者自立支援法には「支援会議」の開催について規定されています。根拠法は違いますが、どちらの支援会議も関係機関が集まって情報を共有し、支援の方向性や役割分担を協議する場として
8050問題、ダブルケア、ヤングケアラー、ひきこもり、生活困窮、社会的孤立など、ひとつの世帯が複数の課題を同時に抱えるケースが増えました。ところが法律も制度も窓口も、高齢者、障害者、子ども、生活困窮者という単位で縦割りに構築されていることが多いため、様々な関係機関が集まり、必要な情報を共有し、知恵を出し合う場です。
同意がなくても会議ができる
支援会議の特徴は、本人の同意が得られていない場合でも、必要な範囲で関係機関が情報共有できる点にあります。これは社会福祉法・生活困窮者自立支援法のどちらの支援会議にも共通します。
本来であれば、本人の同意を得たうえで情報を共有し、支援の方向性を話し合うことが望ましい形です。ただ、本人の同意を得るのが難しい状態でも、支援の方向性を決めるべきタイミングがあります。そのために設けられているのが支援会議です。
同意がなくても会議ができる
支援会議の特徴は、本人の同意が得られていない場合でも、必要な範囲で関係機関が情報共有できる点にあります。これは社会福祉法・生活困窮者自立支援法のどちらの支援会議にも共通します。
本来であれば、本人の同意を得たうえで情報を共有し、支援の方向性を話し合うことが望ましい形です。ただ、本人の同意を得るのが難しい状態でも、支援の方向性を決めるべきタイミングがあります。そのために設けられているのが支援会議です。
ただし、以下2点、注意してください。
・同意を得なくてよいと定めているわけではないという点です。共有できる範囲は「必要な範囲」に限定されています。同意が得られていない以上、細かなプランを立てることはできませんが、今後のアプローチの方向性や役割分担などが話し合われます。
・守秘義務との関係です。支援会議には守秘義務が課されていますが、これは支援会議に限った規定ではありません。守秘義務は本人の同意があってもなくても解除されないもので、他の会議にも同じように課されています。守秘義務があるから同意なしで情報を共有できる、という説明を見かけますが、正確ではありません。同意なしで情報共有ができるのは、法律にその旨が規定されているからです。
任意か努力義務か?
社会福祉法の支援会議は「組織することができる」(任意)と定められています。一方、生活困窮者自立支援法の支援会議は、令和6年改正で「組織するよう努めるものとする」に改められ、努力義務になりました(令和7年4月1日施行)。
さらに、令和6年改正(令和7年4月1日施行)では、生活保護法にも同じ趣旨の会議が新設されました。名称は支援会議ではなく、調整会議です(第27条の3)。保護の実施機関が設置することができる任意の会議で、支援会議と同様、本人の同意がなくても、必要があると認めるときは関係機関等に被保護者に関する情報の提供を求めることができ、求められた関係機関等には協力する努力義務があります。構成員には守秘義務が課されています。
また、その市町村に生活困窮者自立支援法または社会福祉法の支援会議が組織されているときは、これらの会議と相互に連携を図る努力義務があります。
すっきり整理:4つの会議
ここまでの支援会議と調整会議は、同意がない段階で実施する会議ですが、同意を得たあとに具体手的な個別プランを作るための会議が別途用意されています。合わせて4つを整理します。
| 同意がない段階の会議 | 同意を得てプランを作る会議 | |
|---|---|---|
| 社会福祉法 (重層的支援体制整備事業) | 支援会議(第106条の6) 市町村が「組織することができる」 =任意 | 重層的支援会議 (法律上の文言ではない) |
| 生活困窮者自立支援法 | 支援会議(第9条) 「組織するよう努めるものとする」 =努力義務 (令和6年改正・令和7年4月1日施行) | 支援調整会議 (法律上の文言ではない) |
| 生活保護法 | 調整会議(第27条の3) 保護の実施機関が 「組織することができる」 =任意 (令和6年改正・令和7年4月1日施行) | 規定なし |
左の列の支援会議は法律に規定されていますが、右の列は法律上の名称ではありません。重層的支援会議は実務上の呼び方で、支援調整会議は自治体の要綱や国のマニュアルに基づくものです。
過去問で確認しましょう
第38回問題50
事例を読んで、次のうち、総合相談窓口のA相談員(社会福祉士)が他機関とともに地域生活支援を検討するために、考えられる会議体として、適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕 B市では、総合相談窓口を行政直営で運営している。ある時、地域住民から総合相談窓口に対して、近所の家が庭にごみを溜めており、異臭がするので撤去してほしいという相談が入った。Aが当該地区の民生委員に連絡すると、以前は高齢の母親と60歳代前半の息子Cさんが暮らしていたが、去年、母親が認知症グループホームに入居してからは訪問する機会がなかったとのことだった。Cさんについては、子どもの頃は養護学校に通っていたらしいが、詳しくはわからず、またCさんには妹がおり、母親の入居手続きを行う際、Cさんには一切関わりたくないと言っていたことが分かった。そこでAは、Cさん宅を訪問し、最初は会うこともできなかったが、次第に言葉を交わすようになり、ごみを片付けたいが体調が悪くお金もないので悩んでいることが分かり、Cさんの同意は得られていないが、関係者による情報共有や支援体制構築に向けた会議の開催を検討することとした。
1 行政相談委員法に基づく行政相談懇談会
2 生活困窮者自立支援法に基づく支援会議
3 「障害者総合支援法」に基づく地域連携推進会議
4 社会福祉法に基づく支援会議
5 社会福祉法に基づく重層的支援会議
解説
正答 2・4
1 × 行政相談委員は、行政に対する苦情や意見を受け付ける制度です。個別ケースの支援体制を検討する会議体ではありません。
2 ○ 同意が得られていない段階でも、必要な範囲で関係機関が情報共有できる会議です。
3 × 地域連携推進会議は、グループホーム等の事業者が地域に開かれた運営を行うために設置するものです。個別ケースの支援体制を検討する場ではありません。
4 ○ 2と同様、同意が得られていない段階の会議です。
5 × 重層的支援会議は法律に基づく会議ではありません。本人の同意を得たあとにプランを作るための会議です。
支援会議と協議会の違いが気になる方は、こちらもご参照ください。

法律の位置づけの読み方については、こちらで整理しています。



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