就労移行支援・就労継続支援A型B型・就労定着支援の違い|暫定支給決定と障害支援区分

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障害者総合支援法の就労系サービスは、就労移行支援、就労継続支援A型、就労継続支援B型、就労定着支援の4つです。いずれも自立支援給付のうち訓練等給付に位置づけられています。

この記事では、4つのサービスの違いを整理したうえで、支給決定のプロセスに関わる2つのポイント、障害支援区分の認定が不要であることと、暫定支給決定という仕組みがあることまで確認します。

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就労系サービスは訓練等給付

自立支援給付のサービスは、介護給付と訓練等給付に大きく分かれます。介護給付は、居宅介護や生活介護のように介護を提供するサービスです。訓練等給付は、自立訓練や就労系サービスのように訓練を提供するサービスです。就労系の4つは、すべて訓練等給付です。

ここで注意したいのが、障害者総合支援法のサービスと、障害者雇用促進法に基づく支援機関の区別です。職場適応援助者(ジョブコーチ)、地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターは雇用促進法側の仕組みであり、障害福祉サービスではありません。第37回問題56では「就労継続支援A型事業は、この法律(障害者雇用促進法)に基づき就労支援サービスを提供するものである」という選択肢が×になっています。A型は障害者総合支援法のサービスです。

雇用促進法の全体像は、こちらで整理しています。

障害者雇用促進法とは|雇用率制度・合理的配慮・職業リハビリテーションの3本柱を整理する

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4つのサービスの違い

サービス対象雇用契約利用期間
就労移行支援一般就労を希望する障害者なし標準2年
就労継続支援A型現時点で一般就労は難しいが、雇用契約に基づく就労が可能な障害者あり(最低賃金が適用)制限なし
就労継続支援B型雇用契約に基づく就労が難しい障害者なし(工賃)制限なし
就労定着支援就労移行支援等の利用を経て一般就労に移行した障害者(一般就労中)最長3年

就労移行支援は、一般就労を希望する障害者に対して、訓練、適性に応じた職場探し、就職後の相談などを行うサービスです。標準利用期間は2年です。

就労継続支援A型は、現時点で一般就労は難しいものの、雇用契約に基づく就労が可能な障害者が対象です。事業所と雇用契約を結んで働くため、労働者として最低賃金が適用されます。

就労継続支援B型は、雇用契約に基づく就労が難しい障害者が対象です。雇用契約を結ばずに働き、賃金ではなく工賃を受け取ります。

就労定着支援は、就労移行支援などの利用を経て一般就労に移行した障害者に対して、就労の継続に伴って生じる生活面の課題(生活リズム、体調管理、金銭管理など)について、関係機関との連絡調整や助言を行うサービスです。利用できるのは一般就労への移行後6か月を経過してからで、利用期間は最長3年です。

就労定着支援で覚えておきたいのは、対象が「障害福祉サービスの利用を経て一般就労に移行した人」だという点です。特別支援学校から直接就職した人のように、障害福祉サービスを利用せずに就職した人は対象になりません。この場合の受け皿になるのが、障害者就業・生活支援センターです。後ほど過去問(第38回問題57)で確認します。

雇用促進法の支援機関の違いは、こちらで整理しています。

地域障害者職業センターとは|地域障害者職業センターと障害者就業・生活支援センターの違い

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支給決定のプロセス|障害支援区分は不要

介護給付のサービスを利用する場合、市町村による障害支援区分の認定を受ける必要があります。これに対して、訓練等給付である就労系サービスの支給決定では、障害支援区分の認定は行われません。訓練等給付で問われるのは訓練の必要性であり、介護の必要度を示す障害支援区分では測れないためです。

ここは過去問で繰り返し問われています。第36回問題61では「就労継続支援A型に係る支給決定においては、障害支援区分の認定を必要とする」という選択肢が、第35回問題57では「就労定着支援に係る介護給付費等の支給決定においては、障害支援区分の認定を必要とする」という選択肢が、いずれも×になっています。

ただし、就労系サービスには暫定支給決定という独自の仕組みがあります。就労移行支援と就労継続支援A型では、本支給決定の前に、まず一定期間の暫定支給決定を行います。実際にサービスを利用してもらいながら、本人に継続して利用する意思があるか、そのサービスが本人に適切かを確認したうえで、本支給決定に移る仕組みです。

暫定支給決定があるのは、就労系では就労移行支援と就労継続支援A型です(就労系以外では自立訓練にもあります)。就労継続支援B型と就労定着支援には、暫定支給決定はありません。
*なお、この記事は就労系サービスに絞って記載しているため触れていませんが、自立訓練(機能訓練・生活訓練)も暫定支給決定の対象です。

障害支援区分そのものの整理は、こちらをどうぞ。

「障害等級」と「障害支援区分」は別物|障害年金・手帳・障害支援区分の違いを整理する

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就労選択支援(令和7年10月施行)

令和4年の障害者総合支援法改正で創設され、令和7年10月1日に施行された新しい就労系サービスが就労選択支援です。就労アセスメントの手法を活用して、本人の希望、就労能力や適性などを評価し、一般就労も含めてどの働き方を選ぶかを本人が決められるように支援します。

令和7年10月以降、新たに就労継続支援B型を利用する意向がある人は、原則としてあらかじめ就労選択支援を利用することになりました(50歳に達している人、障害基礎年金1級の受給者、就労経験があり年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難になった人などは除きます)。
令和9年4月以降は、新たに就労継続支援A型を利用する人や、標準利用期間を超えて就労移行支援を利用する人にも広がる予定です。
混乱しやすいところなので整理しておくと、就労選択支援が始まっても、就労継続支援A型の支給決定のプロセスはこれまでどおりです。暫定支給決定を経て本支給決定に進むという流れは、変更されていません(執筆時点)。

第39回試験は、施行後はじめての国家試験です。新設サービスとして名称と役割を押さえておきましょう。

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過去問で確認!

第36回 問題60

事例を読んで、V相談支援事業所のK相談支援専門員がこの段階で紹介する障害福祉サービスとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事例〕Lさん(30歳、統合失調症)は、週1回の精神科デイケアを利用している。Lさんは、過去に何度かアルバイトをしたことはあるが、症状の再燃により、短期間で辞めていた。最近になって、症状が改善し、生活リズムも安定したことから、将来を見据えて一般就労を希望するようになった。ただし、自分の能力や適性がわからないため、不安が強い。Lさんの相談を受けたK相談支援専門員は、障害福祉サービスを紹介することにした。

1 就労継続支援A型
2 就労継続支援B型
3 就労移行支援
4 就労定着支援
5 職場適応援助者(ジョブコーチ)

まとめて解説

1 →× 雇用契約を結んで働く福祉的就労の場です。一般就労を希望しているLさんに、この段階で紹介するサービスではありません。

2 →× 雇用契約に基づく就労が難しい人が対象のサービスです。

3 →〇 一般就労を希望する人に、訓練、適性の把握、就職活動の支援などを行うサービスです。「自分の能力や適性がわからない」というLさんに合っています。

4 →× 一般就労に移行した後の生活面の課題を支援するサービスです。Lさんはまだ就職していません。

5 →× 障害者雇用促進法に基づく支援であり、障害者総合支援法の障害福祉サービスではありません。

第38回 問題57

事例を読んで、次のうち、B市のC担当者(社会福祉士)がDさんに利用を助言する機関又は事業所として、最も適切なものを1つ選びなさい。

〔事例〕Dさんは、軽度知的障害のある男性で、療育手帳を所持している。特別支援学校を卒業してすぐに障害者雇用に理解のある地元のスーパーに一般就労で就職し、3か月が経過したが、最近仕事を休んだり、遅刻したりすることが増えている。Dさんは真面目に仕事を続けたいと思っているが、慣れない環境でのストレスから、深夜までゲームに没頭して仕事に行けなくなったり、遅刻したりしてしまうことのほか、間食の摂り過ぎによって体重が増加したり、金銭管理がルーズになってしまったりなどの問題も抱え、生活面でのサポートも必要とするようになってきている。Dさんと二人暮らしの母親は、フルタイムで働いておりDさんのサポートを十分にできないため、B市の相談窓口に相談した。対応したCは、Dさんが利用できる機関又は事業所について助言した。

1 公共職業安定所(ハローワーク)
2 地域障害者職業センター
3 就労定着支援事業を行う事業所
4 障害者就業・生活支援センター
5 就労継続支援A型事業を行う事業所

まとめて解説

1 →× 職業紹介などを行う機関です。Dさんはすでに就職しており、必要なのは就業面と生活面の一体的な支援です。

2 →× 職業評価やジョブコーチ支援など、専門的な職業リハビリテーションを行う機関です。生活面のサポートが課題となっているDさんへの助言としては、4が適切です。

3 →× 就労定着支援の対象は、就労移行支援などの障害福祉サービスの利用を経て一般就労に移行した人です。特別支援学校から直接就職したDさんは対象になりません。

4 →〇 就業面と生活面の一体的な相談・支援を行う機関です。仕事は続けたいが生活面の課題を抱えるDさんに合っています。

5 →× Dさんは今の職場で真面目に仕事を続けたいと思っており、福祉的就労への移行を助言する段階ではありません。

第35回 問題57

「障害者総合支援法」における介護給付費等の支給決定に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。

1 市町村は、介護給付費等の支給決定に際して実施する調査を、指定一般相談支援事業者等に委託することができる。

2 障害児に係る介護給付費等の支給決定においては、障害支援区分の認定を必要とする。

3 就労定着支援に係る介護給付費等の支給決定においては、障害支援区分の認定を必要とする。

4 市町村は、介護給付費等の支給決定を受けようとする障害者又は障害児の保護者に対し、支給決定後に、サービス等利用計画案の提出を求める。

5 障害支援区分は、障害の多様な特性その他の心身の状態に応じて必要とされる標準的な支援の度合を総合的に示すものである。

(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

まとめて解説

1 →〇 認定調査は、指定一般相談支援事業者等に委託することができます。

2 →× 障害児の支給決定では、障害支援区分の認定は行われません。

3 →× 就労定着支援は訓練等給付であり、障害支援区分の認定は不要です。

4 →× サービス等利用計画案の提出を求めるのは、支給決定の前です。

5 →〇 障害支援区分の定義のとおりです。

サービス等利用計画については、こちらで整理しています。

サービス等利用計画と個別支援計画の違い|相談支援専門員・サビ管・サービス提供責任者

その他、障害者福祉に関する記事はこちらです

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