サービス等利用計画と個別支援計画の違い|相談支援専門員・サビ管・サービス提供責任者を過去問で整理

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障害者福祉

国家試験では、「サービス等利用計画」と「個別支援計画」を誰が作成するのかが繰り返し問われています。計画書の名前が似ているうえに、作成する職種の名前も「相談支援専門員」「サービス管理責任者」「サービス提供責任者」と紛らわしく、選択肢の主語を入れ替えるだけで誤り選択肢が作れてしまうため、出題者にとって非常に使いやすいテーマになっています。

この違いは、すでに学習済みの介護保険と並べると入りやすくなります。介護保険には「ケアプラン」がありますね。介護支援専門員(ケアマネジャー)が作成する計画書です。ケアプランを見れば、どの事業所でどんなサービスを使っているのか、何をレンタルしているのか、利用者のサービスの全体像が一目で分かります。障害者総合支援法でこのケアプランに該当するものが「サービス等利用計画」であり、作成するのが指定特定相談支援事業所の「相談支援専門員」です。

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サービス等利用計画を作るのは相談支援専門員

相談支援専門員は、指定特定相談支援事業所に配置され、計画相談支援を担当します。計画相談支援は、支給決定の前に行う「サービス利用支援」と、支給決定後に定期的に行う「継続サービス利用支援(モニタリング)」の二つで構成されています。

サービス利用支援では、利用者の心身の状況や置かれている環境、意向などを踏まえてサービス等利用計画案を作成します。市町村はこの計画案を勘案して支給決定を行い、決定後に正式なサービス等利用計画が作成されます。計画案が先、支給決定が後という順番になります。

ポイントは、サービス等利用計画は全体像を描く計画だということです。利用可能なサービスをどう組み合わせて活用していくのかを検討して作成されます。

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個別支援計画を作るのはサービス管理責任者

サービス等利用計画が生活全体の設計図だとすれば、個別支援計画はそれぞれの事業所の中の設計図です。生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、共同生活援助といった事業所が、自分のところで具体的にどのような支援を行うのかを定めます。

これを作成するのがサービス管理責任者です。指定基準では、指定障害福祉サービスの提供に係る管理を行う者として位置づけられており、個別支援計画の作成のほか、従業者に対する技術指導や助言も担当します。

サービス管理責任者が出題されるときの決まり文句は、個別支援計画の作成、サービス全般の管理、職員に対する指導的役割の三つです。この三つを押さえておけば、サビ管に関する選択肢はほぼ判断できます。

ここで注意したいのが、サービス管理責任者は指定障害福祉サービス事業所の側の人だということです。相談支援事業所には配置されません。逆に相談支援専門員は相談支援事業所の側の人であり、サービスの提供を管理する立場ではありません。この所属の違いが、選択肢の正誤を左右する問題も多数あります。

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訪問系サービスにはサービス管理責任者がいない

もう一つ押さえておきたいのが、居宅介護や重度訪問介護、同行援護、行動援護といった訪問系サービスです。これらの事業所には、サービス管理責任者は配置されません。代わりに配置されるのがサービス提供責任者で、居宅介護計画などを作成します。

訪問系は利用者の自宅に出向いて個別に支援を行う形態であり、事業所の中で複数の利用者に対する支援全体を管理するという発想になじまないため、このような構成になっています。

また、実際に自宅を訪問して入浴、排せつ、食事の介護などを行うのは居宅介護従業者です。計画を作る人と、現場で介護を行う人は別だという整理になります。

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三つの職種を整理する

職種配置される事業所作成する計画
相談支援専門員指定特定相談支援事業所サービス等利用計画(案)
サービス管理責任者生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、共同生活援助、施設入所支援などの事業所個別支援計画
サービス提供責任者居宅介護などの訪問系事業所居宅介護計画など

全体的な計画は相談支援専門員、事業所の中の計画はサービス管理責任者であることを整理しましょう。

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モニタリングの期間は一律ではない

相談支援専門員が行うモニタリングについて、実施の頻度が問われたことがあります。ここは介護保険と構造が違うところなので、区別して理解しましょう。

障害福祉サービスのモニタリングについては、国が事務処理要領で標準期間を示しています。おおむね1か月から6か月の範囲内で、サービスの種類や利用開始からの時期に応じた期間が設定されています。まずこの標準期間が目安になります。

その上で、モニタリングの期間は、障害者の心身の状況や環境、生活課題、援助方針、サービスの種類や内容、量などを勘案して定めることとされています。指定特定相談支援事業者がサービス等利用計画案の中でモニタリング期間を提案し、それを踏まえて市町村が利用者ごとに定めます。国も市町村に対して、利用しているサービスの種類だけで一律に設定することのないよう求めています。

一方、介護保険の居宅介護支援では、特段の事情がない限り、少なくとも1か月に1回は利用者の居宅を訪問して面接し、少なくとも1か月に1回はモニタリングの結果を記録することが運営基準で定められています。令和6年度の介護報酬改定により、一定の要件を満たす場合にはテレビ電話等を活用したモニタリングも認められるようになりましたが、その場合でも少なくとも2か月に1回は居宅を訪問する必要があります。

つまり、介護保険は基準で頻度が定められており、障害福祉は標準期間を踏まえて市町村がケースごとに定めるという違いです。

過去問で確認しましょう

第34回 問題57

「障害者総合支援法」における相談支援などに関する次の記述のうち,正しいものを1つ選びなさい。

1 サービス利用支援では,利用者の自宅を訪問し,身体介護や家事援助等の介助を行う。
2 地域相談支援では,地域生活から施設入所や精神科病院への入院に向けた移行支援を行う。
3 相談支援は,訓練等給付費の支給対象となる。
4 基幹相談支援センターは,地域における相談支援の中核的な役割を担う機関である。
5 指定障害福祉サービスの管理を行う者として相談支援専門員が規定されている。

解説

1→× サービス利用支援は計画作成に関する支援であり、身体介護や家事援助の介助を行うのは居宅介護など別のサービスです。
2→× 地域相談支援は施設や病院から地域生活への移行を支援するもので、記述は方向が逆です。
3→× 相談支援に係る給付は計画相談支援給付費であり、訓練等給付費ではありません。
4→○ 基幹相談支援センターは地域の相談支援の中核的な機関として規定されています。
5→× 指定障害福祉サービスの管理を行う者はサービス管理責任者であり、相談支援専門員ではありません。

第35回 問題59

「障害者総合支援法」等に基づく専門職などに関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 居宅介護従業者は,指定障害福祉サービスの提供に係る管理を行う者として配置されている。
2 相談支援専門員は,指定特定相談支援事業所において指定計画相談支援を行う者として配置されている。
3 相談支援専門員は,モニタリングに当たっては,1年に1回,利用者宅を訪問し面接を行わなければならない。
4 児童発達支援管理責任者は,指定障害児相談支援事業所において障害児支援利用計画の作成を行う者として配置されている。
5 居宅介護従業者は,病院又は障害福祉施設への紹介その他の便宜の提供を行う者として配置されている。

解説

1→× 指定障害福祉サービスの提供に係る管理を行う者はサービス管理責任者であり、居宅介護従業者ではありません。
2→○ 相談支援専門員は指定特定相談支援事業所に配置され、指定計画相談支援(サービス等利用計画の作成等)を行います。
3→× 標準期間はおおむね1か月から6か月の範囲で示されており、1年に1回と一律に定められているわけではありません。実際の期間は相談支援専門員の提案を踏まえて市町村が利用者ごとに定めます。
4→× 障害児支援利用計画の作成を行うのは相談支援専門員であり、児童発達支援管理責任者は個別支援計画の作成を担当します。
障害児のサービスと根拠法|サービスの種類と支給決定
5→× 病院や施設への紹介等の便宜供与は相談支援に係る業務であり、居宅介護従業者の業務ではありません。

第36回 問題58

「障害者総合支援法」における指定特定相談支援事業所の相談支援専門員の役割に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 障害福祉サービスを利用する障害者等に対して,サービス等利用計画案を作成する。
2 障害福祉サービスを利用する障害者等に対して個別支援計画を作成し,従業者に対して,技術指導,助言を行う。
3 障害福祉サービスを利用する障害者等に対して,居宅において入浴,排せつ又は食事の介護等を行う。
4 一般就労を希望する障害者に対して,就業面と生活面の一体的な相談,支援を行う。
5 障害福祉サービスを利用する障害者等に対して,支給決定を行う。

解説

1→○ 指定特定相談支援事業所の相談支援専門員は、サービス等利用計画案の作成を担う役割です。
2→× 個別支援計画の作成や従業者への技術指導は、サービス管理責任者の役割です。
3→× 入浴・排せつ・食事の介護は居宅介護従業者の業務であり、相談支援専門員の役割ではありません。
4→× 就業面と生活面の一体的な支援は障害者就業・生活支援センターの役割です。
5→× 支給決定は市町村が行うものであり、相談支援専門員の役割ではありません。

まとめ

サービス等利用計画を作るのは相談支援専門員、個別支援計画を作るのはサービス管理責任者、訪問系事業所で居宅介護計画などを作るのはサービス提供責任者です。過去問では、この対応関係の主語だけを入れ替えた選択肢が繰り返し出題されています。どの職種がどの事業所に所属しているのかまでさかのぼって確認すると、初めて見る形の選択肢でも判断できるようになります。

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