身体障害者更生相談所と知的障害者更生相談所|設置主体と福祉司の配置を整理

地域福祉と包括的支援体制
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更生相談所を整理するポイント

更生相談所には、身体障害者福祉法に基づく身体障害者更生相談所と、知的障害者福祉法に基づく知的障害者更生相談所があります。どちらも都道府県が設置する専門機関で、指定都市の設置は任意です。内容はシンプルですが、繰り返し出題されていますので、過去問も確認しながら必要な知識を整理しましょう。

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身体障害者更生相談所

根拠法:身体障害者福祉法第11条に基づく機関です。
設置:都道府県(必置)指定都市(任意)
配置人員:身体障害者福祉司(必置)
*市町村の福祉事務所に身体障害者福祉司を配置することはできますが、必置ではありません
業務
①市町村相互間の連絡調整、市町村に対する情報提供その他必要な援助とこれらに付随する業務。
②身体障害者に関する相談・指導のうち、専門的な知識及び技術を必要とするもの。
③身体障害者の医学的、心理学的及び職能的判定。必要に応じた補装具の処方及び適合判定。
④身体障害者手帳の判定への関与(手帳の交付は都道府県知事)
⑤補装具費の支給決定に当たって、市町村は必要に応じて身体障害者更生相談所の判定又は意見に基づいて支給の要否を決定

補装具については、こちらで整理しています。

補装具と日常生活用具の違い|法律上の定義と具体例で整理

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知的障害者更生相談所

根拠法:知的障害者福祉法第12条に基づく機関です。
設置:都道府県(必置)指定都市(任意)
配置人員:知的障害者福祉司(必置)
*市町村の福祉事務所に知的障害者福祉司を配置することはできますが、必置ではありません
業務
①市町村相互間の連絡調整、市町村に対する情報提供その他必要な援助とこれらに付随する業務。
②知的障害者に関する相談・指導のうち、専門的な知識及び技術を必要とするもの。
③18歳以上の知的障害者の医学的、心理学的及び職能的判定。
④療育手帳の判定(18歳未満は児童相談所が判定)
⑤支給要否決定に当たって、市町村は必要に応じて知的障害者更生相談所の意見を聴くことができる

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表で整理

身体障害者更生相談所知的障害者更生相談所
根拠法身体障害者福祉法知的障害者福祉法
設置主体都道府県(必置)
指定都市(任意)
都道府県(必置)
指定都市(任意)
配置される職員身体障害者福祉司(必置)知的障害者福祉司(必置)
判定医学的・心理学的・職能的判定、補装具の処方及び適合判定18歳以上の知的障害者の医学的・心理学的・職能的判定

いずれも市町村が設置する機関ではありません。過去問では、市町村が更生相談所を設けなければならないとする記述が誤りとして出題されています。

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福祉司の配置を整理する

身体障害者福祉司と知的障害者福祉司は、置かれる場所によって必置か任意かが変わります。

置かれる場所身体障害者福祉司知的障害者福祉司
更生相談所(都道府県)置かなければならない置かなければならない
市町村の福祉事務所置くことができる置くことができる

都道府県の更生相談所では必置、市町村の福祉事務所では任意設置です。この対比が、そのまま過去問の選択肢になっています。

福祉司の任用要件

身体障害者福祉司は、身体障害者福祉法第12条に基づき、次のいずれかに該当する者のうちから任用しなければならないとされています。国家試験で主に出題されるのは①と④です。

①社会福祉法に定める社会福祉主事たる資格を有する者であって、身体障害者の更生援護その他その福祉に関する事業に2年以上従事した経験を有するもの

②大学において、厚生労働大臣の指定する社会福祉に関する科目を修めて卒業した者

③医師

④社会福祉士

⑤身体障害者の更生援護の事業に従事する職員を養成する学校その他の施設で厚生労働大臣の指定するものを卒業した者

⑥前各号に準ずる者であって、身体障害者福祉司として必要な学識経験を有するもの

知的障害者福祉司も、知的障害者福祉法第14条で同様の要件が定められています。①に当たる要件は、社会福祉主事たる資格を有する者であって、知的障害者の福祉に関する事業に2年以上従事した経験を有するものです。

なお、社会福祉主事は生活保護法や老人福祉法など福祉六法に関する事務を担う任用資格で、各福祉司とは位置づけが異なります。各福祉司の任用要件の一つとして社会福祉主事たる資格が挙げられている、という関係になります。

過去問で確認!

第35回 問題61

身体障害者福祉法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 身体障害者福祉法の目的は、「身体障害者の更生を援助し、その更生のために必要な保護を行い、もつて身体障害者の福祉の増進を図ること」と規定されている。

2 身体障害者の定義は、身体障害者手帳の交付を受けたかどうかにかかわらず、別表に掲げる身体上の障害がある18歳以上の者をいうと規定されている。

3 身体障害者手帳に記載される身体障害の級別は、障害等級1級から3級までである。

4 都道府県は、身体障害者更生相談所を設置しなければならない。

5 市町村は、その設置する福祉事務所に、身体障害者福祉司を置かなければならない。

まとめて解説

1 →× 現在の目的規定は、身体障害者の自立と社会経済活動への参加を促進するため、身体障害者を援助し、及び必要に応じて保護し、もつて身体障害者の福祉の増進を図ることとされています。「更生」を軸とした記述は改正前のものです。

2 →× 身体障害者福祉法における身体障害者は、別表に掲げる身体上の障害がある18歳以上の者であって、都道府県知事から身体障害者手帳の交付を受けたものをいうと規定されています。手帳の交付が要件です。

3 →× 身体障害者手帳の障害等級は1級から6級までです。
手帳の等級についてはこちらで整理しています

「等級」と「支援区分」の違いをわかりやすく解説|障害年金・障害者手帳・障害支援区分の違い

4 →〇 身体障害者福祉法第11条のとおりです。都道府県の義務です。

5 →× 市町村の福祉事務所に身体障害者福祉司を置くことは任意です。「置くことができる」と規定されています。

第35回 問題60

知的障害者福祉法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 知的障害者に対する入院形態として、医療保護入院が規定されている。

2 市町村は、知的障害者更生相談所を設けなければならないと規定されている。

3 市町村は、その設置する福祉事務所に知的障害者福祉司を置くことができると規定されている。

4 1998年(平成10年)に、精神衛生法から知的障害者福祉法に名称が変更された。

5 知的障害者に対して交付される「療育手帳」について規定されている。

まとめて解説

1 →× 医療保護入院は精神保健福祉法に規定されている入院形態です。

2 →× 知的障害者更生相談所を設けるのは都道府県です。市町村ではありません。

3 →〇 市町村の福祉事務所への知的障害者福祉司の配置は任意です。

4 →× 1998年に精神薄弱者福祉法から知的障害者福祉法に名称が変更されました。精神衛生法は精神保健福祉法の系譜であり、別の法律です。

5 →× 療育手帳は法律に規定されたものではなく、国の通知に基づく制度です。

精神保健福祉法の入院形態については、こちらで整理しています。

医療保護入院と措置入院の違い|精神保健福祉法5つの入院形態の覚え方を表で整理

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