サービスに対する国庫負担と国庫補助を整理|保育・措置費・障害福祉サービス

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社会福祉の原理と政策
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国庫負担と国庫補助の違い

国が費用の一部を負担する場合、「国庫負担金」として負担する場合と、「国庫補助金」として、予算の範囲内で補助する場合があります。に分かれます。

国庫負担金は、国の責任として必ず支出するものです。法律で負担の割合が決まっており、要件を満たす限り国は支出します。生活保護費や介護保険の給付費がこれに当たります。

国庫補助金は、国が政策的な判断で交付するものです。金額や割合は予算の範囲で決まります。障害者総合支援法の地域生活支援事業がこれに当たります。

比較する点 国庫負担金 国庫補助金 支出の性格 国の責任として必ず支出する 政策的な判断で交付する 金額について 法律で負担割合が決まっている 予算の範囲で決まる 対象となる事業 全国一律の水準で行うもの 地域の状況に応じて行うもの 生活保護費 介護保険の給付費 障害者総合支援法の自立支援給付 生活困窮者自立支援法の必須事業 協会けんぽへの補助 障害者総合支援法の 地域生活支援事業 生活困窮者自立支援法の任意事業 第33回問題43で、生活保護費に国庫補助金が含まれるという記述と、 地域生活支援事業に国庫負担金が含まれるという記述が、それぞれ誤りとして出題されています。 各制度の規定をもとに著者が作成した図です。無断転載・複製はご遠慮ください。

過去問では、負担割合だけなく「国庫負担か」「国庫補助か」が問われています。

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分野ごとの国庫負担と国庫補助

障害

障害者総合支援法の費用は、自立支援給付と地域生活支援事業で扱いが分かれます。

自立支援給付は国庫負担です。市町村が支弁した障害福祉サービス費等負担対象額について、国が2分の1、都道府県が4分の1、市町村が4分の1を負担します。負担対象額とは、利用者負担を除いた額のことです。

地域生活支援事業は国庫補助です。市町村や都道府県が地域の状況に応じて実施する事業ですので、割合が法律で固定されていません。

自立支援給付 →国庫負担 2分の1
地域生活支援事業→国庫補助

高齢

老人福祉法の措置に要する費用に、国庫負担はありません。三位一体の改革により、2005年度(平成17年度)から一般財源化され、市町村が負担しています。

養護老人ホームへの入所措置だけでなく、特別養護老人ホームへの入所措置、老人短期入所施設への短期入所、居宅における介護等の措置も同じ扱いです。

児童家庭福祉

児童福祉法などに基づく費用は、国が2分の1を負担します。

保育に要する費用は負担割合2分の1です。児童養護施設の入所措置に要する費用や母子生活支援施設の母子保護の実施に要する費用も2分の1です。女性相談支援センターが行う一時保護に要する費用も2分の1です。児童家庭福祉は2分の1が多いですね。

生活困窮者・低所得者

生活保護法に基づく費用は、国が4分の3を負担します。生活保護費が国庫負担4分の3ですので、保護施設である救護施設の入所措置に要する費用も、生活保護法の施設ですので4分の3です。また、生活困窮者自立支援法の必須事業も生活保護法と同じく国庫負担4分の3です。

一方、生活困窮者自立支援法のその他の事業は国庫負担ではなく、国庫補助です。就労準備支援事業と家計改善支援事業、居住支援事業が3分の2、子どもの学習・生活支援事業は国庫補助2分の1以内です。家計改善支援事業は、2024年(令和6年)の改正により、2025年度(令和7年度)から3分の2に引き上げられました。

事業 区分 国の負担・補助 自立相談支援事業 必須事業 国庫負担 4分の3 住居確保給付金の支給 必須事業 国庫負担 4分の3 就労準備支援事業 努力義務事業 国庫補助 3分の2 家計改善支援事業 努力義務事業 国庫補助 3分の2 居住支援事業 努力義務事業 国庫補助 3分の2 子どもの学習・生活支援事業 任意事業 国庫補助 2分の1 家計改善支援事業は、2024年(令和6年)の改正により、2025年度(令和7年度)から 2分の1が3分の2に引き上げられました。 一時生活支援事業は、同じ改正により居住支援事業に名称が変わりました。 生活困窮者自立支援法の規定をもとに著者が作成した図です。無断転載・複製はご遠慮ください。

社会保険や社会手当の国庫負担についてはこちら

社会保障の国庫負担を整理|生活保護・年金・児童扶養手当・協会けんぽ

一問一答で知識を整理しましょう

社会保障の国庫負担の一問一答(30問)|国庫負担割合・国庫補助・医療保険・児童手当

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過去問を確認しましょう

第30回問題44

市町村が支弁した次の費用のうち、国の費用負担に関する記述として、正しいものを1つ選びなさい。

1 生活保護費の4分の3
2 生活困窮者住居確保給付金の支給に要する費用の全額
3 児童福祉法に規定される保育に要する費用の3分の1
4 「障害者総合支援法」に規定する障害福祉サービス費等負担対象額の3分の1
5 養護老人ホームへの入所措置に要する費用の4分の3

解説

正答は1です。
1→○ 記述のとおりです。残りの4分の1を地方公共団体が負担します。
2→× 4分の3です。
3→× 2分の1です。
4→× 2分の1です。残りは都道府県が4分の1、市町村が4分の1です。
5→× 国庫負担はありません。一般財源化されています。

第32回問題43

次の社会福祉施設等の費用のうち、法律上、国が4分の3を負担することになっているものとして、正しいものを1つ選びなさい。

1 救護施設の入所措置に要する費用
2 養護老人ホームの入所措置に要する費用
3 婦人相談所の行う一時保護に要する費用
4 母子生活支援施設の母子保護の実施に要する費用
5 児童養護施設の入所措置に要する費用

解説

正答は1です。
1→○ 救護施設は生活保護法の施設ですので、保護費と同じ4分の3です。
2→× 国庫負担はありません。
3→× 4分の3ではありません。
4→× 2分の1です。
5→× 2分の1です。

第33回問題43

福祉の財源に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 生活困窮者自立支援法に基づき、生活困窮者家計改善支援事業の費用には国庫負担金が含まれる。
2 生活保護法に基づき、保護費には国庫補助金が含まれる。
3 介護保険法に基づき、介護給付費には国庫負担金が含まれる。
4 身体障害者福祉法に基づき、身体障害者手帳の交付措置の費用には国庫補助金が含まれる。
5 「障害者総合支援法」に基づき、地域生活支援事業の費用には国庫負担金が含まれる。

解説

正答は3です。
1→× 家計改善支援事業は任意事業ですので、含まれるのは国庫補助金です。
2→× 保護費に含まれるのは国庫負担金です。
3→○ 記述のとおりです。
4→× 
5→× 地域生活支援事業に含まれるのは国庫補助金です。

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