行政不服申立て|審査請求・再調査の請求・再審査請求の違い

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権利擁護を支える法制度
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行政不服申立てとは

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行政行為は、行政機関が一方的に決めるものです。相手の同意を必要としませんし、違法な点があっても取り消されるまでは有効なものとして扱われます(公定力)。

そうであるからこそ、決定に納得できない人が争える道を用意しておく必要があります。その方法が2つあります。

行政不服申立て 行政機関に対して不服を申し立てる(行政不服審査法)
行政事件訴訟 裁判所に訴える(行政事件訴訟法)

裁判は費用も時間もかかります。そこで、行政機関の中で簡易・迅速に判断してもらう仕組みが用意されています。これが行政不服申立てです。

行政行為とは|要介護認定や生活保護決定の公定力とは
行政事件訴訟の4類型|抗告訴訟・当事者訴訟・民衆訴訟・機関訴訟の違い

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3つの種類

行政不服審査法が定める不服申立ては、次の3種類です。

審査請求 原則としてこれによる
再調査の請求 法律に定めがある場合のみ
再審査請求 法律に定めがある場合のみ

平成26年の改正前は、審査請求と異議申立ての2本立てでしたが、改正によって審査請求に一元化され、異議申立ては廃止されています。

審査請求

原則として、処分をした行政庁の上級行政庁に対して行います。上級行政庁がない場合は、処分をした行政庁自身に対して行います。

期間は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内です。処分の日の翌日から起算して1年を過ぎた場合も、原則としてできなくなります。

再調査の請求

処分をした行政庁自身が、もう一度見直す手続です。法律に定めがある場合にだけ利用できます。

簡易な手続で早く結論を出すことを目的としています。

再審査請求

審査請求の裁決になお不服がある場合に、さらに定められた行政庁に判断を求める手続です。ただし、再審査請求が可能なのは、法律に再審査請求に関する規定がある場合に限られます。
社会保険に関する法律では、再審査請求が認められている場合が多く、労災保険や雇用保険は労働保険審査会へ、年金は社会保険審査会へ申立ができます。生活保護法は厚生労働大臣に対して再審査請求ができると規定されています。
一方、介護保険法や障害者総合支援法には再審査請求の定めがありません。

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審理員と行政不服審査会

平成26年の改正では、公正さを確保するための仕組みが設けられました。

審理員

審査請求の審理手続を主宰する職員です。審査庁に所属する職員の中から指名されます。

審査請求の対象となった処分に関与した者は、審理員になることができません。自分が行った処分を自分で審理することになってしまうからです。

行政不服審査会

審理員は、審理を終えると意見書を作成し、審査庁に提出します。ただ、審理員も審査庁の職員です。審査庁が自分の組織の職員の意見だけで裁決を出すと、公正さに疑問が残ります。

そこで、裁決を出す前に、審査庁は原則として第三者機関に諮問することとされています。国においては総務省に置かれた行政不服審査会、地方公共団体においては条例で設置される機関です。

審査請求は、裁判所ではなく行政機関が判断する仕組みです。だからこそ、外部の目を入れる仕組みが必要になります。

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訴訟との関係

不服申立てと訴訟のどちらを選ぶかは、原則として本人の自由です。不服申立てをせずに、いきなり訴訟を起こすこともできます。これを自由選択主義といいます。
ただし、法律に定めがある場合は、審査請求の裁決を経てからでなければ訴訟を起こせません。これを審査請求前置主義といいます。介護保険法や生活保護法などが審査請求前置主義を採用しています。

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過去問を確認しましょう

第32回問題79

行政処分に対する不服申立てに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 処分庁に上級行政庁がない場合は、処分庁に対する異議申立てをすることができる。
2 審査請求をすることのできる期間は、原則として、処分があったことを知った日の翌日から起算して10日以内である。
3 審査請求に係る処分に関与した者は、審査請求の審理手続を主宰する審理員になることができない。
4 行政事件訴訟法によれば、特別の定めがあるときを除き、審査請求に対する裁決を経た後でなければ、処分の取消しの訴えを提起することができない。
5 再調査の請求は、処分庁以外の行政庁が審査請求よりも厳格な手続によって処分を見直す手続である。

解説

正答は3です。
1→× 異議申立ては平成26年の改正で廃止されました。上級行政庁がない場合は、処分庁に対して審査請求を行います。
2→× 3か月以内です。
3→○ 記述のとおりです。
4→× 原則は自由選択主義です。裁決を経なければ訴訟を起こせないのは、法律に定めがある場合に限られます。
5→× 再調査の請求は、処分庁自身が簡易な手続で見直すものです。処分庁以外の行政庁が行うものではありませんし、審査請求より厳格な手続でもありません。

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