主刑と付加刑
刑法9条は、刑罰の種類を次のように定めています。
主刑 死刑、拘禁刑、罰金、拘留、科料
付加刑 没収
主刑は、それ単独で言い渡すことができる刑罰です。付加刑は、主刑に付け加えて言い渡すもので、単独では言い渡せません。
*付加刑は没収のみです。罰金や科料は主刑ですので、間違えないようにしてください。
拘禁刑への一本化
令和7年6月1日から、それまでの懲役と禁錮が廃止され、拘禁刑に一本化されました。刑法が制定されてから初めての、刑罰の種類そのものの変更です。
改正前の懲役と禁錮の違いは、作業があるかどうかでした。
懲役 刑事施設に拘置して所定の作業を行わせる
禁錮 刑事施設に拘置する(作業なし)
拘禁刑では、この区別がなくなりました。作業を行わせることが義務ではなくなり、その人の改善更生のために必要な作業を行わせたり、指導を行ったりすることができる、という定め方になっています。
一律に作業を課すのではなく、個々の状況に応じて処遇の内容を決められるようにしました。高齢の受刑者や障害のある受刑者が増えていることが、この改正の背景にあります。
期間と金額
それぞれの刑罰の期間や金額は、次のとおりです。
<期間で分かれるもの>
拘禁刑(無期・有期) 有期は1月以上20年以下
拘留 1日以上30日未満
<金額で分かれるもの>
罰金 1万円以上
科料 1000円以上1万円未満
拘禁刑と拘留は、期間で分かれます。1月以上が拘禁刑、30日未満が拘留です。
罰金と科料は、1万円を境に分かれます。1万円以上が罰金、1万円未満が科料です。
*罰金を完納することができない場合、労役場に留置されます。1日以上2年以下の期間です。労役場は刑事施設に附置されており、そこで作業を行うことになります。
過去問を確認しましょう
第38回問題58
刑法上の刑罰に関する次の記述のうち,正しいものを 1 つ選びなさい。
1 付加刑として罰金,科料及び没収の 3 種が定められている。
2 有期拘禁刑は, 1 年以上 20 年以下の期間と定められている。
3 拘禁刑は,刑事施設に拘置して所定の作業を行わせると定められている。
4 罰金の金額は, 1 万円以上とされる。
5 罰金を完納することができない者は,所定の期間,協力雇用主の下での労働を義務づけられる。
解説
正答は4です。
1→× 付加刑は没収のみです。罰金と科料は主刑です。
2→× 有期拘禁刑は1月以上20年以下です。1年以上ではありません。
3→× 所定の作業を行わせると定められていたのは、改正前の懲役です。拘禁刑では作業が義務ではなくなりました。
4→○ 記述のとおりです。1万円未満は科料になります。
5→× 罰金を完納できない場合は、労役場に留置されます。協力雇用主のもとで働くのではありません。
選択肢3は、令和7年6月の改正前であれば、懲役の説明として正しい記述でした。改正によって内容が変わった部分です。


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