社会学の勉強をしていると、「〇〇の△類型」という形の言葉が、次から次へと出てきます。しかも、提唱者も違えば、数もバラバラ。3つだったり、4つだったり、5つだったり・・・気づけば頭の中で全部混ざってしまう。そんな経験、ありませんか。
今回のテーマは「類型モノ」
今日整理するのは、社会学でよく出てくる「〇〇の△類型」というタイプの概念、4つです。
- 自殺の3類型(デュルケム)
- 社会的行為の4類型(ウェーバー)
- 支配の3類型(ウェーバー)
- 社会的行為論の5類型(ハーバーマス)←最近は出題されていませんが
見てわかる通り、ウェーバーが2つも登場します。デュルケムが1つ、ハーバーマスが1つ。この「誰が何個」という構造だけでも、先に頭に入れておくと、後がぐっと楽になります。
それでは、順番に見ていきましょう。
①自殺の3類型(デュルケム)
デュルケムは、自殺を個人の心理的な問題としてではなく、社会とのつながり方によって分類しました。「自殺」を「個人の行動」としてではなく、社会凝集性(その集団に対しての所属意識の強さ)の強弱強弱で整理したということです。
①自己本位的自殺:社会集団との結びつきが弱すぎることで起こる自殺
凝集性が弱く、結束力も弱い状態です。人は孤立を感じやすい状態です。
②集団本位的自殺:逆に、集団への結びつきが強すぎることで起こる自殺
凝集性が強く、集団の統制力も強いので、自己犠牲的な自殺が美談になりやすい状況です。
③アノミー的自殺:社会の規範や価値観が急激に変化し、混乱することで起こる自殺
突然の社会変化により無規制状態に陥った時に起きやすい自殺です。
個人の内面ではなく、社会構造の側から自説を説明しようとした・・・そこがポイントです。そしてそこがデュルケムらしいですね。
この「社会」が「人」に影響を与える」というテーマは、こちらの記事が参考になります

補足コラム:この3類型に「宿命的自殺」を加えた4類型で紹介されることもあります。宿命的自殺は、過度な規制によって個人の自由が抑圧されることで起こる自殺とされていますが、国家試験用のテキストでは基本的に3類型で整理されています。デュルケム本人がほとんどこの自殺例はないと位置づけているそうです。
②社会的行為の4類型(ウェーバー)
ウェーバーは、人がなぜその行動をとるのか、その動機によって社会的行為を4つに分類しました。
①目的合理的行為:目的を達成するために、最も合理的な手段を選ぶ行為
②価値合理的行為:結果がどうであれ、自分の信じる価値観に従って行う行為
③感情的行為:怒りや喜びなど、感情に突き動かされて行う行為
④伝統的行為:習慣や慣習に従って、特に深く考えずに行う行為
③支配の3類型(ウェーバー)
同じくウェーバーは、人が人を支配する「正当性」の根拠についても、3つに分類しています。
①合法的支配:法律や規則に基づく支配。近代の官僚制がその代表
②伝統的支配:昔からの慣習や伝統に基づく支配。王政などがこれにあたる
③カリスマ的支配:指導者個人の特別な資質・魅力に基づく支配
②の「社会的行為の4類型」と、この「支配の3類型」、どちらもウェーバーの理論です。行為の話と支配の話、別のテーマに見えますが、どちらも「人はなぜその選択をするのか」を突き詰めた先にある理論、という共通点があります。
ウェーバーは「個人」の行動を「理解しよう」とする人ですからね。
こちらもこれを読むと納得です。

④社会的行為論(ハーバーマス)
最後は、ハーバーマスの社会的行為論です。ハーバーマスは、社会的行為を5つに分類しました。
①目的論的行為:目的の達成を目指す行為
②戦略論的行為:他者の行動を予測しながら、自分の目的を達成しようとする行為
③規範に規定される行為:社会規範に従って行う行為
④演技論的行為:自己を他者に対して演出する行為
⑤コミュニケーション的行為:他者との相互理解を目指して行われる行為
この5類型は近年の国家試験ではしばらく出題が確認されていません。せっかくの類型シリーズなので一緒に確認しておきましょう。
すっきり整理:結局、みんな「分けたがり」
勉強していると、社会学者ってとにかく類型したがるよね、と感じますが・・・
私も講義中よく言っています「結局、〇〇は大きく3つに分類できるよね」「これをわかりやすく整理しようと思うとまずは4つに分類されていることを理解しなきゃね」等など。「複雑なものを、いくつかの「型」に整理して理解しようとするのは、とても合理的だと思います。
もちろんこれが国家試験に出題されるとなると、「あ、覚えなきゃ」ってなりますけどね笑
この記事は「頻出!すっきり整理したい単語シリーズ」の一つです。
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