【頻出!人名シリーズ⑭】社会学:デュルケムとウェーバー機能的連帯有機的連帯アノミー自殺社会的行為

社会学と社会システム
スポンサーリンク

どうしても勉強がはかどらない日、過去問を開く気持ちになれない時、疲れている日・・・そんなときはさくっと人名を覚える日にしましょう。10分で読み終わる「頻出人名シリーズ」です。

デュルケムとウェーバー:近代の危機をどう捉えたか

19世紀末、伝統的な共同体が崩壊していく激変のヨーロッパで、二人は「社会学」の基礎を築きました。ともに、宗教の権威が薄れた近代社会のゆがみを危惧していましたが、同じ問題意識をもっていたわけではありませんでした。その違いに着目しつつ、キーワードをおさえましょう。

デュルケム(社会が人間の行動を変える)

デュルケムは「社会の仕組み(ルールや環境)が、人を変える」と見た

デュルケムの理論では、「人間の欲求はもともと底なし(無限)であり、社会のルールだけがそれを抑えることができる」という大前提があります。社会の仕組み(ルールや環境)が、人を変えるということです。

社会の結びつきの変化

さらにデュルケムは、社会の結びつき(連帯)が近代化によって次のように変化したと説明します。

  • 機械的連帯(伝統的な社会): 「強力な1本のロープ」で全員を縛る連帯。 村社会のように、全員が同じ価値観、同じ宗教、同じような仕事をして生きています。そこには「個人の自由」はほとんどなく、強力な共通のルールが全員をガチガチに抑え込んでいます。
  • 有機的連帯(近代的な社会): 「お互いの利害関係の糸」で編み上げる連帯。 近代化が進んで仕事が細分化(分業)されると、一人ひとりが異なる専門性を持ち、異なる生活を送るようになります。古い縛りから解放された人々は、ここで初めて「独立した個人」となり、それぞれが自由に、バラバラな希望や欲求を持つようになります。

【なぜここからアノミー(欲求の暴走)が生まれるのか】

ここで重要なのは、デュルケムは「人間の欲求にはもともと限界がなく、放っておくとどこまでも膨らんでしまうものだ」と考えていた点です。伝統的な社会では、宗教や村の厳しいルールが「お前の身の丈はここまでだ」と外から強制的に欲求を抑え込んでくれていました。

しかし、社会が「有機的連帯」に変わり、個人が自由になると、その抑え役だった古いルールが機能しなくなります。

「もっと豊かになりたい」「もっと自由になりたい」という人間の底なしの欲求をコントロールしてくれる外側のブレーキ(共通のモラルや新たなルール)が、社会の急激な変化に追いつかず、消えてしまった状態、これこそがアノミー(無規制状態)です。

満たされることのない無限の欲求を追い求め続けるしかなくなった人間は、常に満たされない不満と不安を抱えることになり、結果として精神的に追い詰められて自殺が増えてしまう、とデュルケムは論じました。

彼にとって社会は個人の外側に「実在」する巨大な枠組みであり、個人を縛りつけるものだと考えました。社会から個人は影響を受け、個人の行動を変えるのは、常に「外側にある環境やルール」であると捉えました。

そこにあるのはやはり社会の仕組み(ルールや環境)が、人を変えるです。

ウェーバー(個人の行為が社会を動かす)

一方でウェーバーは社会という実体がはじめからあるのではなく、個人の「思いや動機を持った行動」の積み重ねこそが社会の正体だと考えました。

ウェーバーは「個人の考え(動機や意味)が、社会を動かす」と見た

だからこそ、ウェーバーは、人が行動を起こす動機が重要だったのです。 そこで人々の行為を4つに分類しました。

  • 目的合理的行為: ゴール(目的)のために、最も効率的な手段を計算して動く。
  • 価値合理的行為: 結果に関わらず、自分の信じる美学や信仰、義務のために動く。 (例:神に祈る)
  • 感情的行為: その時の感情や気分で動く。(例:怒って物をたたく)
  • 伝統的行為: 昔からの習慣や慣例に従ってなんとなく動く。(例:毎年恒例だから年中行事を行う)

個人の心が何に価値を置き、どう動くか(どのような行為をするか)が出発点であり、それがやがて巨大な社会構造をも動かしていくと捉えました。

外側の構造に振り回される人間を見たデュルケムに対し、ウェーバーは「人間の内面にある『意味』を理解すること(理解社会学)」が出発点であり、その心の動きがやがて巨大な社会構造をも動かしていくのだと捉えました。

過去問チェック

38回では自殺の3類型が出題されました。正解の選択肢は「経済的に衰退した時も繁栄するときにも自殺は増加する」でした。・・・なぜなら、社会が無規制状態に陥った状態をアノミーと呼び、それは衰退時も繁栄時も起こりえることだからということです。大恐慌の時も社会は混乱し、好景気でもその恩恵を受けられない社会階層は一層孤立する・・・その心情、わかるような気がしますね。

今回は人名からの切り口で二人を紹介しました。細かなキーワードが気になるかたは左上の検索をご活用ください(順次、記事を増やしていきます)。

この記事は「頻出!合格のために必ず覚えておきたい人名シリーズ」の一つです。

他の回はこちらから→人名シリーズ一覧

お疲れ様でした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました