【頻出!人名シリーズ⑰】マートン総まとめ|予言の自己成就・準拠集団・行為の意図せざる結果まとめ 社会学頻出人物

社会学と社会システム
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国家試験の勉強をしていると、「あ、この人また出てきた」と思う学者が、何人かいますよね。社会福祉分野なら岡村重夫、社会学分野ならマートンではないでしょうか。

岡村重夫先生も社会福祉の基礎理論のあちこちに顔を出しますが、社会学でそのポジションにいるのがマートンです。ここでも出てくる、あそこでも出てくる・・・気づけば、いろんな単語の説明に「マートンによれば」という枕詞がついている。国試対策的には、整理が必要な存在です。

でも逆に言えば、マートンの発想の癖さえ掴んでしまえば、バラバラに見えていた単語が一気につながります。今日はマートンの代表的な3つの概念、行為の意図せざる結果・予言の自己成就・準拠集団を、まとめて整理していきます。

あ、そうそう国試にはあまり出題されていませんが、官僚制の逆機能を指摘したのもマートンです!

タイトル: 【頻出!人名シリーズ⑩】マートンの「準拠集団」とウェーバーの「官僚制」と「逆機能」〜社会理論と社会システムの重要人物〜
どうしても勉強がはかどらない日、過去問を開く気持ちになれない時がありますよね。そういう日、「今日はやめた」と1日休むのもいいのですが、私はそういう時こそ、あることに絞って勉強することをおすすめしたいです。「休む」と決めて何もしない日を作ると…

行為の意図せざる結果とは

ある行為が、行為者の意図とは異なる結果を生み出してしまう現象です。

たとえば、良かれと思って部下に細かく指示を出し続ける上司がいたとします。上司としては「早く成長してほしい」という善意のつもりです。しかし、細かく指示され続けた部下は、自分で考える機会を奪われ、指示待ちの姿勢が染みついてしまう・・・。上司の意図(成長してほしい)とは正反対の結果(自分で考えない部下が育つ)を、皮肉にも上司自身が作り出してしまうわけです。

マートンは、社会的な行為には、こうした「意図した通りにいかない部分」が必然的に伴うことを指摘しました。良かれと思ってやったことが、思わぬ結果を招く。これは誰しも、身に覚えのある感覚ではないでしょうか。

予言の自己成就とは

「意図せざる結果」の中でも、特に有名で、国試でも一番よく出るのがこれです。ある予言や思い込みが、たとえ根拠のないものであっても、人々がそれを信じて行動することによって、結果的に現実になってしまう現象を指します。

ここでいう「予言」とは、占いのような神秘的なものではなく、「きっとこうなるだろう」という思い込みや噂のことです。

たとえば、ある銀行に「あの銀行、経営が危ないらしい」という根も葉もない噂が流れたとします。噂を聞いた預金者たちは、「今のうちに引き出しておこう」と、我先にと窓口に殺到します。実際には健全だった銀行も、一斉に預金を引き出されてしまえば、資金繰りが立ち行かなくなります。結果、本当に経営破綻してしまう・・・。最初はただの噂だったはずなのに、「危ないらしい」という思い込みそのものが、危機を作り出してしまったわけです。

マートンは、こうした現象を「状況の定義」という言葉で説明しています。人は、客観的な事実そのものよりも、自分がその状況をどう定義(解釈)したかに基づいて行動する。そして、その行動の積み重ねが、最初の定義(思い込み)を現実にしてしまう。これが予言の自己成就です。

ちなみにこの予言の自己成就、受験勉強にもそのまま当てはまります。「きっと受かる」と信じて勉強する人は、その思い込みが行動を変えて、本当に合格を引き寄せます。だったら、信じない手はないですよね。

これに近い概念が心理学でも出題されます

予言の自己成就は銀行の話が有名ですが、いい意味で使われることもあります。代表例がピグマリオン効果。教師が「この子は伸びる」と期待して接すると、本当に生徒の成績が伸びる、というものです。心理学の分野でもよく出てきますね。

準拠集団とは

自分の考え方や行動、価値判断の基準として参照する集団のことです。ポイントは、必ずしも自分が実際に所属している集団とは限らないという点です。

たとえば、今は平社員でも、「将来は課長になりたい」と考えている人は、平社員の集団の振る舞いよりも、課長たちの考え方や行動様式を基準に、自分の言動を選ぶことがあります。これは、まだ所属していない集団(課長層)を、自分の準拠集団として選んでいる状態です。

このように、所属集団と準拠集団が一致しないケースがあることを示した点が、マートンの議論の面白いところです。私たちは案外、「今いる場所」ではなく「なりたい場所」を基準に生きている、ということですね。

集団についてはこちらも参考になります。ゲマインシャフトゲゼルシャフト等「集団」についてまとめています。

【頻出!人名シリーズ⑨】集団を分類した社会学者たち|テンニースマッキーヴァークーリー「感情」か「利害」か、その軸で覚える
社会学の暗記はしんどい!多くの受験生がそう言っています。今日は「感情」か「利害」の軸で整理した頻出人名を一気に覚えてしまいましょう。

まとめると

行為の意図せざる結果も、予言の自己成就も、準拠集団も、根っこにあるのは同じマートンの視点です。人は、客観的な現実そのものではなく、自分なりの解釈や意図に基づいて行動する。そして、その行動が、当初の想定とは違う結果を生み出してしまうことがある。

良かれと思ってやったことが裏目に出ることも、思い込みが現実を作ってしまうことも、まだ見ぬ理想の集団を基準に生きてしまうことも・・・。私たちが日常の中で、意外と頻繁にやってしまっていることなのかもしれません。

最後にもう一度:予言の自己成就、受験勉強にもそのまま当てはまります。「きっと受かる」と信じて勉強する人は、その思い込みが行動を変えて、本当に合格を引き寄せます。


この記事は「頻出!合格のために必ず覚えておきたい人名シリーズ」の一つです。

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