逸脱行動論|アノミー論非行下位文化理論社会統制理論文化的接触理論ラベリング理論の視点の違いをすっきり整理

社会学と社会システム
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国家試験の勉強をしていると必ず出てくる「ごちゃごちゃする単語」「違いがわからないくなる単語」「似てる単語」そこをすっきりさせたい時に読んでほしい「頻出!すっきり整理したい単語シリーズ」です。

人はなぜ罪を犯してしまうのか・・・について

「なぜ人は、社会のルールから外れた行動(逸脱・犯罪)をしてしまうのか」。この問いに対して、社会学ではいくつもの理論が積み重ねられてきました。今日は、代表的な5つの理論を、視点の違いに注目しながら整理します。

社会緊張理論(アノミー理論):目標と手段のギャップ

マートンが代表する「社会緊張理論(アノミー理論)」は、社会で共有されている「成功したい」という目標は誰もが持っているのに、その目標を達成する正当な手段は、すべての人に平等に与えられているわけではない、という点に注目します。

頑張りたいのに学費がない、努力したいのに環境が整わない等・・・

このギャップから生まれる圧力(緊張)が、人を逸脱行動へと駆り立てる、という考え方です。

非行下位文化理論:属する文化が人を作る

コーエンが代表する「非行下位文化理論」は、主流の文化(例:学校で勉強を頑張るのが当たり前とされる文化)とは異なり、非行少年グループが持つ独自の「下位文化」から受ける影響に注目する理論です。つまり、非行行動の背景には、主流ではない下位文化の価値観を「当たり前」として身につけてしまうことがある――と説明しています。

この下位文化に強く影響される人ほど、主流文化から見れば逸脱した行動を、自分にとっては当たり前のこととして行うようになる、ということですね。

社会統制理論(社会的絆理論):つながりの弱さが逸脱を生む

ハーシが代表する「社会統制理論(社会的絆理論)」は、これまでの理論とは少し違う問いを立てます。

「なぜ人は逸脱するのか」ではなく、「なぜほとんどの人は逸脱せずにいられるのか」という問いです。

ハーシは、家族や学校など、社会との絆(つながり)が強い人ほど、その絆を失いたくないという思いから逸脱行動を抑止される、と考えました。つまり、つながりの弱さこそが、逸脱を引き起こすという考え方です。

仲が良い家族がいる、信頼できる先生がいる、信じてくれる友達がいる、絶対的な安心できる居場所がある・・・そんなつながりが弱い時に逸脱した行動をしてしまう・・・想像に難くないですね。

文化学習理論(分化的接触理論)〜逸脱は学習されるもの〜

サザーランドが代表する「分化的接触理論」は、犯罪行動は、生まれつきの性質によるものではなく、周囲の人との接触を通じて学習されるものだと考えます。

犯罪行為が日常的に行われている環境に身を置く頻度・期間・親密さが高いほど、その人も同じように逸脱行動を学んでしまう、という考え方です。

接触しなければ「学べない」、接触するから「学んでしまう」ということですね。

ラベリング理論:逸脱を決めるのは社会の側

ここまでの4つの理論は、いずれも「逸脱する人の側」に原因を探ってきました。しかし、ベッカーが代表する「ラベリング理論」は、まったく逆の視点を持ち込みます。

ベッカーは、ある行為そのものに本質的な「悪さ」があるのではなく、社会がその行為を「逸脱だ」とラベリング(レッテル貼り)することによって、初めて逸脱が生み出されると考えました。つまり、逸脱かどうかを決めているのは、行為をした本人ではなく、それを見ている社会の側だ、という考え方です。

本人が「逸脱したことをやってやる」と思って行動しているのではなく、周囲が「あの人は逸脱したことをしている」と判断しているということですね。

5つの理論、視点の違いをすっきり整理

理論注目する視点
社会緊張理論目標と手段のギャップ
非行下位文化理論属する文化の違い
社会統制理論社会との絆の強さ
文化学習理論周囲からの学習
ラベリング理論社会からのラベリング

前の4つが「逸脱する人の内側や環境」に注目しているのに対し、最後のラベリング理論だけが「それを見る社会の側」に注目している、という点が、この5つを整理する一番のポイントです。


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