国家試験の勉強をしていると必ず出てくる「ごちゃごちゃする単語」「違いがわからなくなる単語」「似てる単語」そこをすっきりさせたい時に読んでほしい「頻出!すっきり整理したい単語シリーズ」です!
恐らく、受験生の大半が大変と思っている分野が今日取り扱う「計算書類」です。簿記などを学んだことがある人ならまだしも、いきなり貸借対照表なんて言われたら困惑です。
私は大学卒業後数年間銀行で働いていたので、何とかなりましたが、受験生が独学で学ぶのはちょっと難しいかもしれません。
また独特の言い回し?に慣れないと、解きにくいと思います。そのため、最初からしっかり「専門用語(出題される言い回し」で覚えましょう!
今回のテーマは「社会福祉法人の3つの計算書類」
今回のテーマは、
①貸借対照表
②資金収支計算書
③事業活動計算書
「福祉サービスの組織と経営」で出題される、社会福祉法人の計算書類です。
この分野、出題されると正答率がぐっと下がると言われています。「数字が苦手だから」「簿記なんてやったことないから」・・・その気持ち、よくわかります。でも、国家試験で問われるのは、細かい会計処理ではありません。「それぞれの書類が何のための書類か」「何がどこに書かれるか」。この基本だけで解ける問題がほとんどです。
社会福祉法人は、社会福祉法人会計基準に基づいて、上記①②③の計算書類を毎会計年度作成します。社会福祉事業(1種+2種)のほかに公益事業や収益事業を行っている法人は、法人全体の計算書類とともに、事業区分ごとの計算書類も作成します。この「法人全体+事業区分ごと」も選択肢になったことがあるので、頭の片隅に置いておいてください。
では、理解しやすい順に、ひとつずつ見ていきましょう。
*この記事では深掘りはしません。まずは3つの書類の「違い」だけ、すっきりさせましょう。
それぞれの書類の詳しい中身は、別の記事で扱います。
①貸借対照表:3つの中で一番よく出る
貸借対照表は、会計年度末という「一時点」における法人の財務状況を明らかにする計算書類です。法人全体のほか、事業区分・拠点区分ごとにも作成されます。
イメージは「写真」です。3月31日の瞬間に、カシャッと撮った法人の財産のスナップショット。1年間の動きではなく、その時点の状態を写しています。1年に1回の資産の総点検、とも言えますね。
そして国家試験で問われるのは、この書類の「左右に何を書くか」です。
さて、国家試験で問われるのは、この書類の「左右に何を書くか」です。・・・が、その前に。そもそも「借方(かりかた)」と「貸方(かしかた)」、どっちが左でどっちが右?
ここで固まる方、多いですよね。
そこで「かりかた」と「かしかた」ひらがなで書いてみてください。「かりかた」の「り」は左にはらう、だから借方は左。「かしかた」の「し」は右にはらう、だから貸方は右。
私も銀行の先輩に「まず、いったんそう覚えて」と言われ、やっているうちにだんだん意味がわかってきました。
だからまずは「かりかた」「かしかた」がわからなくなったら平仮名で書く、でいきましょう!
左側(借方)には資産を書きます。
資産は、現金や預金などの流動資産と、土地や建物などの固定資産に分かれます。
→「土地や建物は流動資産である」というひっかけが実際に出題されていますが、土地・建物は固定資産です。
右側(貸方)には負債と純資産を書きます。
負債は借入金など返済義務のある財源、純資産は返済義務のない財源です。
ここも「負債とは返済義務のない財源である」という入れ替えのひっかけが出ています。
そして、左側の合計と右側の合計は必ず一致します。
だから「貸借対照表(バランスシート)」なのです。
もうひとつ。流動資産と流動負債のバランスを見ると、法人が短期的な支払いに耐えられるか、つまり財務の健全性をチェックできます。過去問では、この健全性チェックの説明を「事業活動計算書」にすり替えた選択肢が出ました。健全性のチェックは、貸借対照表の役割です。
ポイントは、貸借対照表だけが「一時点」の情報であり、左(資産)と右(負債+純資産)が必ず一致する書類だということ。
【貸借対照表の深掘り記事(借方・貸方の構造図つき)は準備中です!】
②資金収支計算書:お金の出入りを予算と比べる
資金収支計算書は、1年間の支払資金の収入と支出、つまり「お金の出入り」を記録した計算書類です。イメージは「家計簿」。今月いくら入って、いくら出ていったか、お金の動きをそのまま記録していく書類です。
ただし、法人の家計簿には家庭と違う特徴があります。予算額と決算額を対比して記載するのです。社会福祉法人は公共性の高い法人ですから、「予算どおりにお金を使ったのか」を明らかにする必要があります。
ポイントは、1年間の「お金の出入り」を予算と比べながら示す書類だということ。
③事業活動計算書:1年間の経営の成果
事業活動計算書は、1年間の収益と費用を記録し、その差額を示す計算書類です。1年間の事業で純資産がどれだけ増えたのか、減ったのか。つまり、1年をトータルすると黒字だったのか、赤字だったのか。企業会計でいう損益計算書にあたる書類で、3つの中では貸借対照表に次いでよく出題されています。
イメージは「1年間の成績表」です。②の家計簿が日々のお金の動きの記録なら、③は1年が終わったときに渡される通信簿。経営の成果が、ここに表れます。
ポイントは、1年間の「経営の成果=純資産の増減」を示す書類だということ。
この分野では「減価償却」も出題されます。
これは会計上の独特なルールで、土地を除く建物や車両などの固定資産は、毎年、資産の額を一定のルールで減らし、その減った分をその年の費用として計上します。400万円の車を購入した場合、100万円×4年間にわけて計上するイメージです。お金は購入した時に減ってしまっているので、その後の3年間は1円も出ていきません。それでも、費用としては4年間かけて事業活動計算書に記載していくのです。
過去問では、この減価償却の説明を「資金収支計算書」の定義にすり替えた選択肢が出ました。資金収支計算書は、実際にお金が出入りした記録。
車を買った400万円そのものは購入した年の資金収支計算書に載りますが、2年目以降の減価償却費は、お金が動いていないので載りません。
減価償却は、事業活動計算書の話なのです。
→社会福祉充実残額・社会福祉充実計画という仕組みも、貸借対照表などをもとに毎年度算定するものですが、これは計算書類の読み方というより、社会福祉法人制度改革の内容として出題されるテーマなので、別の記事で整理します。
福祉充実計画」**という仕組みもあります。これは計算書類の読み方というより、2016年の社会福祉法人制度改革の内容として出題されるテーマなので、別の記事で整理します。
すっきり整理:比較表
| 書類名 | いつの情報? | 何を示す? | イメージ |
|---|---|---|---|
| 貸借対照表 | 一時点(会計年度末) | 財務状況 (資産・負債・純資産) | 1年に1回の資産の総点検(左右が必ず一致) |
| 資金収支計算書 | 1年間 | 支払資金の収入と支出 | 家計簿 (法人版は予算と対比する) |
| 事業活動計算書 | 1年間 | 収益と費用、純資産の増減 | 1年間の成績表 (黒字か赤字か) |
迷ったら、まず「一時点か、1年間か」。次に1年間の2つは「お金の出入りか、もうけか」。この2段階で判定すれば、選択肢の入れ替えに惑わされません。
家計簿つけていますか?
おおよそ、資金収支計算書は家計簿、事業活動計算書は1年間の成績表、貸借対照表は1年に1回の資産の総点検です。
私は家計簿・・・つけていません笑。我が家の資金収支は頭の中でどんぶり勘定です。もちろん1年を通して黒字か赤字かの成績表もつけていません。資産の総点検も、今のマンションに引っ越して以来やっていません。皆さんは家計簿つけていますか?毎月予算をたてていますか???
最後に、正答率が下がる分野ということは、裏を返せば、ここまで読んだあなたはもう周りより一歩リードしているということ。「土地と建物は・・・固定資産!」と出るようになれば、それで十分一歩リードです。
この記事は「頻出!すっきり整理したい単語シリーズ」の一つです。
ぜひ他の記事もご参照ください。

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