度数分布表
アンケートの回答を集計するときに、度数分布表を作成します。それぞれのカテゴリーごとに何人が回答したかを並べた表です。それぞれの人数のことを度数といいます。
年齢のように連続して変化する数値については「60歳代」「70歳代」のように区切って人数を記入すると、何歳代の人が何人回答したアンケートであるかをわかりやすく示すことができます。この年齢ごとに区切った部分を階級といいます。
度数をみると回答者が「何人」いたかが分かります。これを全体の人数で割ると、全体の中で「何割を占める」かが分かります。この割合を相対度数といいます。
年齢は一つの例であり、身長や収入のように連続して変化する数値も同様に、階級で区切ることで度数分布表を作ることができます。
クロス集計表
度数分布表が一つの質問の回答をまとめた表であるのに対して、二つの質問の回答を組み合わせて並べた表がクロス集計表です。表側の項目と表頭の項目を掛け合わせるので、クロス集計表といいます。
例えば、小学生と中学生に朝食を摂る頻度を尋ねたとします。学年の区分と朝食の頻度を掛け合わせると、次のような表になります。
表側と表頭が交わるます目をセルといいます。セルに入るのは、表側の項目と表頭の項目の両方に当てはまる人数です。左上のセルの150人は、小学生であり、かつ週に3回以上朝食を摂ると答えた人数です。
行ごと、列ごとの合計は、表の周辺に置かれるので周辺度数といいます。右下の400人は全体の合計で、これは総数です。
上の表は「中学生と小学生」「朝食を食べる回数」という2つの項目を組み合わせた表になりますが、項目を三つ以上にすることも可能です。先ほどの表にさらに性別を加えると、小学生と中学生のそれぞれを男子と女子に分類して見ることができます。
小学生の150人が男子70人と女子80人に分かれています。学年による違いだけでなく、同じ学年の中での男女の違いも読み取れます。
行パーセントと列パーセント
表に入れた人数そのままの数値を観測度数といい、割合に直した数値を相対度数といいます。割合に直すときには、何を100%にするかを決めます。
〇相談できる人がいないと答えたのは、一人暮らしで60人、家族と同居でも60人です。
〇一人暮らし100人、同居300人をそれぞれ100%にすると、60.0%と20.0%になります。
〇いないと答えた120人を100%にすると、一人暮らしが50.0%、同居が50.0%です。
〇同じ表でも、何を100%にするかで読み方が変わります。
この表では世帯の状況が左側に並んでいますので、世帯ごとに100%にしたものが行パーセント、回答ごとに100%にしたものが列パーセントです。
オッズ比
クロス集計表から、二つのグループの関連の強さを一つの数値で表すこともできます。それがオッズ比です。
まず、それぞれのグループでオッズを出します。オッズは、当てはまる人数を当てはまらない人数で割った値です。ここでは、相談できる人がいると答えた人数を、いないと答えた人数で割ります。両方が同じ人数であればオッズは1になります。いると答えた人のほうが多ければ1より大きく、少なければ1より小さくなります。
〇一人暮らしは、いると答えた40人を、いないと答えた60人で割って0.67です。いないと答えた人のほうが多いので、1より小さくなっています。
〇家族と同居は、いると答えた240人を、いないと答えた60人で割って4.00です。いると答えた人のほうが多いので、1より大きくなっています。
〇この二つを割ったものがオッズ比です。4.00÷0.67で6.0になります。
〇同居している人のオッズは、一人暮らしの人のオッズの6.0倍です。
二つのグループのオッズが同じであれば、割った値は1になります。オッズ比が1であるということは、二つのグループに差がないということです。
オッズは人数を人数で割った値ですので、0より大きい値になります。オッズ比も同じで、マイナスの値にはなりません。
過去問を解いてみましょう
第31回 問題88
量的データの集計や分析に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 中央値とは、データの中で出現率が一番高い値のことである。
2 度数分布表は、一つの変数について、それぞれのカテゴリー(階級)に当てはまる度数をまとめた表である。
3 分散と標準偏差は、どちらも平均値からの散布度を示すが、これら二つの指標には関係はない。
4 クロス集計表により変数間の関係を観察するには、相対度数ではなく、観測度数を表示する。
5 ピアソンの積率相関係数は、二つの変数間の非線形関係を表している。
解説
正答は2です。
1 × データの中で出現率が一番高い値は最頻値です。中央値は、すべての回答を並べたときにちょうど真ん中に来る値です。
2 ○ 度数分布表の説明として正しい記述です。
3 × 標準偏差は分散の平方根ですので、二つの指標には関係があります。
4 × グループごとの人数が違うと、人数のままでは比べられません。割合に直した相対度数を表示します。
5 × ピアソンの積率相関係数は、二つの変数の関連の強さを−1から+1までの数値で表す指標です。一方が増えるともう一方も増える関係を正の相関、一方が増えるともう一方は減る関係を負の相関といいます。どちらも直線的な関係の強さを示すもので、曲線を描くような非線形関係は表せません。
第32回 問題89
量的調査の集計と分析に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 質問紙調査のデータを集計する際に、全体的な回答の分布を見たい場合に、度数分布表を用いることはない。
2 データの分布を代表する値として平均値を用いておけば、中央値や最頻値は見なくてもよい。
3 標準偏差は、調査データが全体としてどれぐらい平均値から離れて散らばっているのかを表す指標の一つである。
4 推測統計とは、収集されたデータそのものの特徴を記述するための方法である。
5 オッズ比は、分布の左右対称性に関する指標である。
解説
正答は3です。
1 × 全体的な回答の分布を見るために用いるのが度数分布表です。
2 × 平均値は、極端に大きい値や小さい値があると引きずられます。中央値や最頻値もあわせて見る必要があります。
3 ○ 標準偏差の説明として正しい記述です。
4 × 収集されたデータそのものの特徴を記述する方法は記述統計です。推測統計は、標本から母集団の性質を推測する方法です。
5 × オッズ比は、二つのグループで、ある事がらの起こりやすさを比べる指標です。分布の左右対称性を表すものではありません。
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