偏差・分散・標準偏差の違い|簡単な計算をしながら理解しましょう

第39回社会福祉士国家試験まで
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社会福祉調査の基礎
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平均値だけでは分からないこと

あるテストを5人ずつの2つのグループが受けたとします。得点は次のとおりです。

グループ 得点 合計 平均 Aグループ 45 55 60 65 75 300 60 Bグループ 30 50 60 70 90 300 60 著者が作成した図です。無断転載・複製はご遠慮ください。

どちらも合計は300点で、平均点は60点です。平均だけを見れば、2つのグループは同じ結果に見えます。
しかし、よくみてみると、以下のような違いがあります。

Aグループは最小値が45点、最大値が75点です。その差である範囲は30点になります。
Bグループは最小値が30点、最大値が90点ですので、範囲は60点です。
同じ平均60点でも、Bグループの得点はかなり広範囲にわたり数値が散らばっていることがわかります。
全員の得点をもとに散らばりの程度を表すために使うのが、偏差、分散、標準偏差です。

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Aグループで計算してみましょう

実際に計算をしたほうがわかりやすいと思いますので、手を動かしながらやってみてください。
計算の仕方がわかりにくい場合は下の説明を読んでから戻って再度チャレンジしてくださいね。

1人目2人目3人目4人目5人目合計
得点4555606575300
①偏差得点−平均−15−505150
②偏差の二乗①を二乗する22525025225500
③分散②の合計÷人数偏差の二乗の合計を人数で割る 500÷5人=100
④標準偏差③の平方根分散の平方根を求める √100=10

著者が作成した図です。無断転載・複製はご遠慮ください。

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Bグループでも計算してみましょう

同じ手順で、Bグループも計算してみましょう。得点は30点、50点、60点、70点、90点で、平均は60点です。

1人目2人目3人目4人目5人目合計
得点3050607090300
①偏差得点−平均−30−10010300
②偏差の二乗①を二乗する90010001009002000
③分散②の合計÷人数偏差の二乗の合計を人数で割る 2000÷5人=400
④標準偏差③の平方根分散の平方根を求める √400=20

著者が作成した図です。無断転載・複製はご遠慮ください。

偏差

〇偏差とは、一人ひとりの得点と平均値との差です。
〇偏差をそのまま合計すると必ず数値は0になります。

分散

〇偏差を二乗することで、マイナスの符号が消えますので、この二乗した偏差を平均したものが分散です。
〇Aグループの分散は100、Bグループの分散は400なので、Bのほうが分散が大きいということになります。

標準偏差

〇分散は計算しやすいように二乗していますので、平方根を求めて元の単位に戻します。
〇Aグループは√100=10 Bグループ√400=20 と出ましたので、Aはおおむね平均から10点の幅、Bはおおむね20点の幅で散らばっている、と読むことができます。

〇このような平均値を計算できるのは間隔尺度と比例尺度で測ったデータですので、分散や標準偏差もその2つの尺度でしか求められません。

尺度水準についての記事はこちら
→ 尺度の4つの水準|順序尺度は中央値出せるか?間隔尺度・比例尺度の違い

最後に確認!

①一人ひとりの得点と平均値との差を出したものが(偏差)です。
②①を二乗して、その平均を出したものが(分散)です。
③②の平方根を求めて、散らばりを得点と同じ単位で表したものが(標準偏差)です。

これで下の過去問を解いてみましょう。

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過去問を解いてみましょう

第31回 問題88

量的データの集計や分析に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 中央値とは、データの中で出現率が一番高い値のことである。
2 度数分布表は、一つの変数について、それぞれのカテゴリー(階級)に当てはまる度数をまとめた表である。
3 分散と標準偏差は、どちらも平均値からの散布度を示すが、これら二つの指標には関係はない。
4 クロス集計表により変数間の関係を観察するには、相対度数ではなく、観測度数を表示する。
5 ピアソンの積率相関係数は、二つの変数間の非線形関係を表している。

解説

正答は2です。

1 × データの中で出現率が一番高い値は最頻値です。中央値は、すべての回答を並べたときにちょうど真ん中に来る値です。
2 ○ 度数分布表の説明として正しい記述です。
3 × 標準偏差は分散の平方根ですので、二つの指標には関係があります。
4 × クロス集計表で変数間の関係を見るときは、グループごとの人数が違いますので、割合に直した相対度数を表示します。
5 × ピアソンの積率相関係数は、二つの変数の関連の強さを−1から+1までの数値で表す指標です。一方が増えるともう一方も増える関係を正の相関、一方が増えるともう一方は減る関係を負の相関といいます。どちらも直線的な関係の強さを示すもので、曲線を描くような非線形関係は表せません。

度数分布表とクロス集計表についての記事はこちら
度数分布表とクロス集計表|観測度数と相対度数の違い
相関係数についての記事はこちら
相関と相関係数|正の相関・負の相関と散布図の読み方

第32回 問題89

量的調査の集計と分析に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 質問紙調査のデータを集計する際に、全体的な回答の分布を見たい場合に、度数分布表を用いることはない。
2 データの分布を代表する値として平均値を用いておけば、中央値や最頻値は見なくてもよい。
3 標準偏差は、調査データが全体としてどれぐらい平均値から離れて散らばっているのかを表す指標の一つである。
4 推測統計とは、収集されたデータそのものの特徴を記述するための方法である。
5 オッズ比は、分布の左右対称性に関する指標である。

解説

正答は3です。

1 × 全体的な回答の分布を見るために用いるのが度数分布表です。
2 × 平均値は、極端に大きい値や小さい値があると引きずられます。中央値や最頻値もあわせて見る必要があります。
3 ○ 標準偏差の説明として正しい記述です。
4 × 収集されたデータそのものの特徴を記述する方法は記述統計です。推測統計は、標本から母集団の性質を推測する方法です。
5 × オッズ比は、二つのグループで、ある事がらの起こりやすさを比べる指標です。

第34回 問題88

〔事例〕
Xデイサービスでは、本日9名の参加者が来所して交流を行い、心身機能の維持のための活動を行った。参加者は、男性が65歳、68歳、72歳の3名であり、女性が65歳、65歳、66歳、67歳、70歳、77歳の6名である。

事例を読んで、集計結果に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

1 参加者全体の年齢の中央値は65である。
2 男性参加者の年齢の分散は、女性参加者の年齢の分散より大きい。
3 男性参加者と女性参加者の年齢の最小値は異なる。
4 女性参加者の年齢の最頻値は77である。
5 参加者全体の年齢の範囲は12である。

解説

正答は5です。

1 × 9人を小さい順に並べると、65、65、65、66、67、68、70、72、77です。中央値は真ん中の5番目ですので67です。
2 × 男性の平均年齢も女性の平均年齢も、どちらも約68.3歳です。男性は65歳から72歳の間に3人が入っていますが、女性には77歳の人がいて平均から大きく離れています。分散は女性のほうが大きくなります。
3 × 男性の最小値は65歳、女性の最小値も65歳で、同じです。
4 × 女性で最も多いのは65歳の2人ですので、最頻値は65です。
5 ○ 全体の最大値は77歳、最小値は65歳ですので、範囲は12です。

社会福祉調査の基礎の記事マップはこちら
→ 社会福祉調査の基礎 記事マップ

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