地域包括ケア病棟と地域包括医療病棟の違いを整理する|在院日数・対象患者・施設基準で比較

保健医療と福祉

地域包括ケア病棟と地域包括医療病棟は、名前が似ていますし、どちらも在宅復帰を目指す点は共通しています。ただし、受け入れる患者の状態も、入院までの経路、施設基準に差異があります。この記事では、この2つの病棟の違いに絞って整理します。

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結論:受け入れのプロセス(入院のきっかけ)の違い

地域包括ケア病棟は、急性期の治療が一段落した患者の受け皿(ポストアキュート)が中心です。
急性期→地域包括ケア病棟→在宅復帰 

一方、地域包括医療病棟は、高齢者の救急搬送をそのまま受け止める入り口(緊急入院そのもの)が中心です。

救急搬送の受け入れ→続けて在宅復帰に向けた栄養管理・リハビリ→在宅復帰

同じ在宅復帰支援でも、患者を受け入れるタイミングが「治療の後」か「治療と同時」かで違います。

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地域包括ケア病棟(2014年度新設)

対象となる患者像は2つです。

①骨折や手術、肺炎、心不全などの急性期治療を終えた後、在宅復帰に向けたリハビリや経過観察が必要な患者(ポストアキュート)です。

急性期→地域包括ケア病棟→在宅復帰 

②日常生活圏域での軽症・中等症の救急搬送や、緩和ケア・がん化学療法・糖尿病教育入院などの予定入院が必要な患者(サブアキュート)です。

病名を問わず入院できる点も特徴です
*病名を問わないというのが、回復期リハ病棟との違いです。
回復期リハ病棟はこちらをご参照ください。

回復期リハビリテーション病棟と地域包括ケア病棟の違い|わかりやすく解説
回復期リハビリテーション病棟は病名で対象が決まり、地域包括ケア病棟は病名を問わず急性期後や在宅の患者を受け入れる病棟です。国試頻出の医療施設の違いを過去問とあわせて整理します。

在宅療養の患者の急変→地域包括ケア病棟→在宅復帰

在院日数は60日までで、自院の急性期病棟からの転棟、他院からの転院、在宅からの緊急入院と、入院までの経路も幅広く受け止める設計になっています。

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地域包括医療病棟(2024年度新設)

対象は、高齢者の救急搬送を含む緊急入院や緊急手術の患者で、誤嚥性肺炎や尿路感染症など、手術までは必要ないものの入院治療が必要な中等症までの急性期疾患が中心です。

治療と同時に、入院初日からリハビリ・栄養管理・口腔管理を一体的に行い、早期の在宅復帰につなげることを目的としています。

在院日数は平均21日以内です。ADL低下患者の割合を5%未満に抑えることや、在宅等への退院割合を8割以上にすることも求められていますので、とにかく中等度の急性期→すぐリハビリ等→在宅復帰を目指す病棟です。

比較表

地域包括ケア病棟地域包括医療病棟
新設年度2014年度2024年度
主な対象急性期治療後の患者
軽中等症の緊急・予定入院
高齢者の救急搬送
緊急手術
(中等症までの急性期疾患)
入院のタイミング治療が一段落した後が中心治療と同時(緊急入院そのもの)
在院日数60日まで平均21日以内

演習問題で確認する

問1 地域包括ケア病棟は、急性期の治療が必要な患者を除き、病名を限定せず入院可能である。

→○ 地域包括ケア病棟は病名を問わず入院できる点が特徴。回復期リハビリテーション病棟のように対象疾患が限定されているわけではない。

問2 地域包括ケア病棟は在院日数の上限が定められていないため、長期療養が必要な患者を受け入れるための病棟として運用されている。

→× 在宅復帰支援を目的とした病棟であり、在院日数は60日までと定められている。長期入院を前提とした療養病床とは性格が異なる。

3 地域包括ケア病棟と地域包括医療病棟は、どちらも2024年度(令和6年度)の診療報酬改定で新設された病棟である。

→× 地域包括ケア病棟の新設は2014年度。2024年度に新設されたのは地域包括医療病棟のみである。

4 地域包括ケア病棟は、自宅療養中の患者の入院を受け入れることができない

→× 役割は主に①急性期治療後の受け皿②在宅からの緊急時などの受け入れを行うの2点である

5 地域包括ケア病棟は、対象となる疾患があらかじめ限定されている。

→× 病名を問わず入院できる点が特徴。対象疾患が限定される回復期リハビリテーション病棟とは、この点で異なる。

6 地域包括医療病棟は、急性期での治療が終わってからリハビリを始める病棟である。

→× 治療と同時に、入院初日からリハビリ・栄養管理・口腔管理を一体的に行う。治療後にリハビリへ移行する病棟ではない。

7 地域包括医療病棟は、重症高齢者の救急患者を受け入れる病棟である。

→× 対象は中等症までの急性期疾患であり、緊急手術や集中的な治療が必要な重症患者は、引き続き急性期一般病棟が担う。

8 地域包括ケア病棟と地域包括医療病棟は、いずれも介護保険が適用される施設である。

→× どちらも医療保険が適用される病棟であり、介護保険施設ではない。

9 地域包括ケア病棟と地域包括医療病棟は、いずれも入院患者の在宅復帰を支援することを目的とした病棟である。

→○ 入院までの経路や対象患者は異なるが、在宅復帰支援を目的とする病棟である点は共通している。

以上です。

回復期リハ病棟については、こちらをお読みください。

回復期リハビリテーション病棟と地域包括ケア病棟の違い|わかりやすく解説
回復期リハビリテーション病棟は病名で対象が決まり、地域包括ケア病棟は病名を問わず急性期後や在宅の患者を受け入れる病棟です。国試頻出の医療施設の違いを過去問とあわせて整理します。

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