高額療養費制度が2段階で見直しへ|福祉元年に創設された制度の見直し【第39回国試演習問題付き】

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社会保障
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高額療養費制度、2026年8月から2段階の見直し

高額療養費制度は国家試験の定番ですが、今回、見直しが行われることになりました。見直しは2段階で行われ、今はその第1段階にあたります。高額療養費そのものが理解できていないと、改正点を理解するのは難しいので、まずはこちらをご参照ください。

高額療養費制度については、こちらに詳細を記載しています。
→高額療養費制度とは?図解でわかる多数回該当・世帯合算・合算療養費

それでは、国家試験に必要な知識について方針を確認しておきましょう。国家試験は皆さんに一定の知識があるかは問いますが、今の上限額がいくらかを問うことは難しいだろうと思います。特に高額療養費は2段階で改正が実施されますので、2027年度にはさらに見直されます。細かな数字ではなく、改正の方向性を確認しましょう。

第1段階(2026年8月〜 施行済み)

① 自己負担限度額を全所得区分で引き上げ
② 所得区分は現行の5区分のまま
③ 年間上限を新設(月々で上限に達しない場合でも、年間の上限に達すると高額療養費の対象になる)
④ 多数回該当は据え置き

年間上限は、月額の限度額に達しない人でも、年間の負担額が上限に達すればそれ以上の負担が不要になる仕組みが導入されたのは、今回の改正の中でもとくに特徴的です。医療費全体に年間の上限を設けるのは、制度上、今回が初めてです。

今回の見直しは、全体としては上限の引き上げです。ただし引き上げだけではなく、長期療養者への配慮がセットになっています。たまたま入院することになり、短期間で職場に復帰できた人は負担が増えますが、毎月のように医療費がかかる人は、多数回該当が据え置かれ、年間上限も新設されますので、負担が変わらないか軽くなります。

新しい上限額はこちらです↓厚生労働省のサイトもご参照ください。

第2段階(2027年8月〜 予定)

① 所得区分を5区分から13区分に細分化し、さらに引き上げ
② 年収200万円未満の多数回該当は引き下げ

第2段階では、所得段階を細かく分けることで、所得が高い人からはより多く負担してもらい、所得が低い人にはより配慮した上限額を設定します。あわせて、年収200万円未満の多数回該当の金額を引き下げますので、長期にわたって医療費がかかる低所得者への配慮がさらに厚くなります。

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「福祉元年」の政策が、今見直されている

高額療養費制度が創設されたのは1973年(昭和48年)です。
国試頻出キーワード「福祉元年」の年です。福祉元年の三大政策、言えますか?

  1. 老人医療費の無料化(70歳以上)
  2. 高額療養費制度の創設
  3. 年金の物価スライド制の導入(給付水準も大幅引き上げ)

このうち老人医療費無料化は、その後の医療費急増を招き、1982年の老人保健法で自己負担が復活したのはご存じの通りです。そして今、高額療養費制度も「制度の持続可能性」を理由に見直されています。—福祉元年に拡充された仕組みが、50年経過した今、再設計されているということです。

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第39回国試では「どこまで」出題される?

国家試験の解答は、原則として試験が実施される年度の4月1日現在で施行されている法令に基づきます。第39回の基準日は2026年4月1日。今回の改正の施行は2026年8月なので、基準日より後です。

したがって、高額療養費制度そのものについての問題は従来の内容で出題される可能性が高い(改正されていない部分が出題される)一方、「見直しの動向」は時事的に問われてもおかしくありません。「今の姿」と「これからの姿」を分けて整理しておけば、どちらから出ても対応できます。

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演習○×問題に挑戦!

最後に、演習問題です。○か×か、考えてみてください。

問1 高額療養費制度は、1973年のいわゆる「福祉元年」に創設された。
問2 高額療養費制度における自己負担限度額は、暦月(月の初日から末日まで)単位で計算される。
問3 2026年8月の見直しにより、全所得区分で自己負担上限額が引き上げられた
問4 2026年8月の見直しでは、月額の限度額に達しない場合でも、年間の上限額が設定された
問5 高額療養費制度に基づく限度額の適用を受けるには、必ず事前に限度額適用認定証の交付を受けなければならない。


解答

問1: ○ 福祉元年の三大政策(老人医療費無料化・高額療養費制度創設・年金の物価スライド導入等)の一つ。
問2: ○ 暦月単位で判定。月をまたぐ入院では月ごとに別々に限度額が適用される点も押さえておこう。
問3:〇 13区分への細分化は第2段階(2027年8月予定)。2026年8月の第1段階では5区分のまま限度額が引き上げられ、年間上限が新設された。
問4: 〇医療費全体に年間の上限額を設定するのは、今回が初めての仕組みです
問5: × マイナ保険証を利用し限度額情報の提供に同意すれば、認定証の事前申請なしで限度額までの支払いにできる。「必ず」という言葉に反応できましたか?
5問正解できましたか?改正前改正後を踏まえた確認でした!
高額療養費の過去問はこちらでご参照ください。

高額療養費制度とは?図解でわかる多数回該当・世帯合算・合算療養費
高額療養費制度の全体像を、①一般の上限額②多数回該当③世帯合算④医療・介護合算⑤特定疾病(マル長)の5つに分けて整理。社会福祉士国試対策に。

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