回復期リハビリテーション病棟と地域包括ケア病棟の違い|わかりやすく解説

保健医療と福祉

回復期リハビリテーション病棟と地域包括ケア病棟は、急性期後のリハビリテーション等を重点的に担う病棟です。どちらも在宅復帰を目指す点が似ているためですが、対象患者が違いますの、その違いがわかるように解説します。

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回復期リハビリテーション病棟の対象者

回復期リハビリテーション病棟について覚えてほしいポイントをまとめると

①脳血管疾患または大腿骨頸部骨折等の患者に対して
②ADLの向上による寝たきりの防止と家庭復帰を目的としたリハビリテーションを集中的に行うための病棟であり、
③回復期リハビリテーションを要する状態の患者が常時8割以上入院している病棟

と規定されています。

これまでの国家試験に疾患ごとの日数が出題されたことはありませんが、念のため、疾患により入院可能な日数が定めらている点をご確認ください。

対象となる疾患は、診療報酬の告示で具体的に定められています。脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント手術後などは算定日数の上限が150日(重度の場合は180日)、大腿骨・骨盤・脊椎・股関節・膝関節の骨折や多発骨折は上限90日、外科手術後や肺炎等の治療時の安静で生じた廃用症候群も対象に含まれ上限90日、令和4年度の改定では心大血管疾患またはその手術後の状態も上限90日で加わりました。

つまり、この病棟に入れるかどうかは、まず病名が告示に列挙された対象疾患にあてはまるかどうかで決まります。
上限日数も疾患ごとに個別に設定されていて、期限内での家庭復帰を目指す仕組みになっています。

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地域包括ケア病棟は病名を問いません

地域包括ケア病棟は、2014年度(平成26年度)の診療報酬改定で新設された病棟で、次の3つの機能を担います。
①急性期治療を経過した患者を受け入れ、在宅復帰支援
②在宅や施設で療養している患者が急性増悪した際に受け入れ、在宅復帰支援

この病棟には、回復期リハビリテーション病棟のような対象疾患の指定がありません。急性期病棟からの転棟であれば病名を問わず受け入れの対象になりますし、在宅や介護施設で暮らす患者が急性増悪した場合も、病名にかかわらず一時的な医療の受け皿になります。

入院期間の上限は60日で、回復期リハビリテーション病棟のように疾患ごとに日数が変わることはありません。

地域包括ケア病棟の対象患者に共通するのは、病名ではなく状態です。急性期を経過している、または在宅療養中に急性増悪した、という状態にあることが受け入れの条件になります。

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2つの病棟を比べてみましょう

項目回復期リハビリテーション病棟地域包括ケア病棟
対象患者の決め方病名(脳血管疾患・大腿骨頸部骨折等の指定疾患)病名を問わない
入院期間の上限疾患ごとに規定(90日〜180日)60日
主な機能集中的なリハビリによる家庭復帰ポストアキュート・サブアキュート・在宅復帰支援の3機能
受け入れの起点急性期病棟からの転棟が中心急性期病棟からの転棟に加え、在宅・施設からの受け入れも担う

過去問で確認してみましょう

第32回問題71

医療施設等の利用目的に関する次の記述のうち,最も適切なものを1つ選びなさい。

1 介護医療院の利用は,主として長期にわたり療養が必要である要介護者を対象としている。 
2 療養病棟の利用は,急性期で医療的ケアが必要である者を対象としている。 
3 地域包括ケア病棟の利用は,病院で長期にわたり医療的ケアが必要である者を対象としている。 
4 介護老人保健施設の利用は,高度で濃密な医療と介護が必要である者を対象としている。 
5 回復期リハビリテーション病棟の利用は,高度急性期医療を受けた後,終末期と判断された者を対象としている。

1○ 介護医療院は長期療養が必要な要介護者を対象とする施設で、記述のとおりです。 
2× 療養病棟は急性期ではなく、慢性期・長期療養の患者を対象としています。 
3× 地域包括ケア病棟は長期の医療的ケアが必要な者ではなく、急性期後の患者や在宅療養中の急性増悪患者を対象としています。 
4× 介護老人保健施設は高度で濃密な医療を要する者ではなく、在宅復帰を目指すリハビリと介護を中心とした施設です。 
5× 回復期リハビリテーション病棟は終末期の患者ではなく、脳血管疾患や大腿骨頸部骨折等の患者に対する家庭復帰を目的としたリハビリテーションを行う病棟です。

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