医療圏を整理するポイント
医療圏は、医療法に基づいて都道府県が設定する地域の単位です。一次・二次・三次医療圏の3つに分類されます。
医療圏そのものが単独で問われるというより、医療計画の圏域や、保健所の所管区域として繰り返し登場します。まず医療圏そのものを押さえたうえで、それがどこで使われるのかを確認しましょう。
医療圏とは
一次医療圏:日常的な医療を提供する範囲で、市町村が単位です。
二次医療圏:入院医療を含む一般的な医療を提供する範囲で、複数の市町村をまとめた区域です。
三次医療圏:先進的な技術を必要とする特殊な医療を提供する範囲で、原則として都道府県が単位です(北海道のみ複数)。
なお、一次医療圏は医療法に明文の規定があるわけではなく、慣用的に用いられる区分です。医療法に基づいて設定されるのは二次医療圏と三次医療圏です。
①医療計画と医療圏
医療計画は、医療提供体制の確保を図ることを目的としています。
根拠法:医療法第30条の4
策定主体:都道府県(国や市町村ではありません)
目的:医療提供体制の確保を図ることです。
計画期間:6年を1期とし、3年ごとに中間見直しを行います。
医療計画に定める主な事項は、5疾病・6事業及び在宅医療に関する事項、医療圏の設定、基準病床数、地域医療構想、医師の確保に関する事項などです。
医療法:病院や診療所の定義、地域医療支援病院や特定機能病院等の病院の種類の定義、人員や設備の基準などを定める法律
医療計画:地域にどれだけの医療提供体制を確保すべきか定める計画
医療計画は都道府県をいくつかの区域に分けた二次医療圏をベースに、区域ごとの病床数や医療連携体制を定めていきます。
5疾病・6事業及び在宅医療
医療計画では、特に地域で連携体制を構築すべき疾病・事業が定められています。
5疾病:がん、脳卒中、心筋梗塞等の心血管疾患、糖尿病、精神疾患
5事業:救急医療、災害時における医療、へき地の医療、周産期医療、小児医療(小児救急医療を含む)
令和6年度からの第8次医療計画では、5事業に新興感染症等の感染拡大時における医療が加わり、6事業となりました。これに在宅医療を加えて、「5疾病6事業及び在宅医療」と表記されます。
地域医療構想との関係
地域医療構想は、2014年(平成26年)の第六次医療法改正により、医療計画に位置づけられたものです。病床の機能分化と連携を進めるために、構想区域ごとに将来の病床数の必要量を定めます。
地域医療構想については、こちらで整理しています。
→【2025年医療法改正】新たな地域医療構想をわかりやすく
→病床機能報告制度の「包括期」をわかりやすく解説
②保健所の所管区域で使われる
都道府県が設置する保健所の所管区域は、保健医療施策と社会福祉施策との有機的な連携を図るため、二次医療圏等を参酌して設定されます。保健所で用いられているのも二次医療圏です。医療は各市町村だけで完結するものではないので、都道府県が主体となって、二次医療圏をベースにしながら、様々な資源を配置していることがわかります。
保健所については、こちらで整理しています。
→保健所と市町村保健センターの違い|設置主体・対物保健と対人保健を整理
過去問で確認しましょう
第36回 問題73
医療法に基づく医療計画に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 国が、地域の実情に合わせて策定することになっている。
2 医療提供体制の確保を図るためのものである。
3 医療圏は、一次医療圏と二次医療圏の2つから構成されている。
4 病院の定義や人員、設備の基準を定めることになっている。
5 2年ごとに見直される。
まとめて解説
1 →× 策定するのは都道府県です。
2 →〇 医療計画は、医療提供体制の確保を図るために策定されます。
3 →× 一次・二次・三次の3層です。
4 →× 病院の定義や人員、設備の基準は医療法に定められています。医療計画の内容ではありません。
5 →× 6年を1期とし、3年ごとに中間見直しを行います。
関連する選択肢を抜粋
医療計画の策定主体と、保健所の所管区域は、他の回でも問われています。
第35回 問題73 医療計画は、市町村が策定義務を負っている。
→× 医療計画を策定するのは都道府県です。
第29回 問題72 都道府県が設置する保健所の所管区域は、医療法に規定する三次医療圏と一致する。
→× 二次医療圏等を参酌して設定するものとされています。
第38回 問題104 保健所は三次医療圏、市町村保健センターは二次医療圏を勘案して設置しなければならない。
→× 都道府県の設置する保健所の所管区域は、二次医療圏等を参酌して設定するものとされています。市町村保健センターに医療圏を勘案する規定はありません。

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