離婚後の親権者
1 父母が裁判上の離婚をする場合、裁判所は、父母の双方を親権者と定めることができる。
○ 2026年4月1日施行の改正による第819条第2項です。第34回問題81では「裁判上の離婚で離婚後も親権を共同して行うことができる」が×として出題されましたが、これは改正前の民法に基づく出題です。
2 父母が協議上の離婚をするときは、父母の一方を親権者と定めなければならない。
× 協議で、父母の双方又は一方を親権者と定めます(第819条第1項)。父母の一方と決まっていたのは改正前の民法です。
3 家庭裁判所は、父又は母が子の心身に害悪を及ぼすおそれがあると認められるときは、父母の一方を親権者と定めなければならない。
○ 虐待のおそれがある場合です。家庭裁判所は必ず単独親権と定めます(第819条第7項)。
4 家庭裁判所は、父母の一方が他の一方から身体に対する暴力その他の心身に有害な影響を及ぼす言動を受けるおそれがあり、父母が共同して親権を行うことが困難と認められるときは、父母の一方を親権者と定めなければならない。
○ 第819条第7項です。子への虐待のおそれがあるときと並んで、DVのおそれなどから共同して親権を行うことが困難なときも、家庭裁判所は必ず単独親権と定めます。
5 2026年4月より前に離婚して母が単独で親権者となっている場合、父母の双方を親権者とすることはできない。
× 改正法の施行前に離婚した父母も、家庭裁判所に親権者の変更を申し立てて、父母の双方を親権者とすることができます。
6 離婚して親権者でなくなった親は、子を扶養する義務を負わない。
× 父母は、親権があるかどうかにかかわらず、子が自己と同程度の生活を維持することができるよう扶養しなければなりません(第817条の12)。
共同親権での親権の行使
7 父母の双方が親権者であるときは、子の監護及び教育に関する日常の行為であっても、父母が共同して行わなければならない。
× 食事や服装、習い事のような日常の行為は、父母の一方が単独で行うことができます(第824条の2第2項)。
8 父母の双方が親権者である場合、DVからの避難など子の利益のため急迫の事情があるときは、父母の一方が単独で親権を行うことができる。
○ 第824条の2第1項第3号です。緊急の医療行為を受けさせる場合も、急迫の事情にあたります。
9 父母の双方が親権者である場合、子の転居のように子に重大な影響を与える事項は、急迫の事情がなければ、父母が共同して決める。
○ 子の転居は日常の行為にあたらないため、父母が共同して決めます。DVからの避難のように急迫の事情があるときは、父母の一方が単独で決めることができます(第824条の2)。
法定養育費
10 父母が養育費の取決めをせずに離婚した場合でも、子を監護する親は、他方の親に法定養育費を請求することができる。
○ 2026年4月1日施行の改正で新設されました(第766条の3)。養育費を取り決めるまでの暫定的なものです。
11 法定養育費の額は、父母の収入に応じて個別に定められる。
× 法定養育費の額は、法務省令で子1人につき月額2万円と一律に定められています。父母の収入に応じた額は、父母の協議や家庭裁判所の手続で取り決めます。
12 法定養育費は、2026年3月31日以前に離婚した父母にも適用される。
× 2026年4月1日以降に離婚した場合に適用されます。それ以前に離婚した場合は、父母の協議や家庭裁判所の手続で養育費を取り決めます。
共同親権と法定養育費を整理した記事はこちら
→離婚後の共同親権|2026年4月施行の民法改正のポイントと法定養育費


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