国民健康保険団体連合会とは|介護給付費の審査・支払と苦情処理をわかりやすく解説

第39回社会福祉士国家試験まで
あと
精神保健福祉士1日目まであと
高齢者福祉
スポンサーリンク

国民健康保険団体連合会とは

国民健康保険団体連合会は、国民健康保険法第83条に基づき、都道府県ごとに設立されている団体です。国保連と略されます。

国保連が介護保険で担うのは、
①介護給付費等の審査・支払
②苦情処理
③第三者行為求償事務
④指定居宅サービス事業等の運営
の四つです。

*医療保険においても審査支払機関として機能しています。

スポンサーリンク

①介護給付費等の審査・支払

【根拠】介護保険法第176条第1項第1号

介護サービス事業者は、提供したサービスの費用のうち、利用者の自己負担分を除いた額を介護報酬として国保連に請求します。国保連は請求内容を審査し、適正と認めた額を事業者に支払います。これは市町村から委託を受けて行われています。

なお、医療保険の診療報酬は、国保連と社会保険診療報酬支払基金が審査・支払しますが、介護報酬は国保連に一本化されています。

スポンサーリンク

②苦情処理

【根拠】介護保険法第176条第1項第3号

国保連は、指定居宅サービス、指定地域密着型サービス、指定居宅介護支援、介護保険施設のサービスについて、利用者からの苦情を受け付けます。必要があると認めるときは調査を行い、事業者や施設に対して指導と助言をします。一般的な苦情解決として機能している運営適正化委員会(都道府県社協)と比較すると、介護保険に関するサービスに限定されているのが特徴的です。

国保連が行うのは指導と助言までです。指定の取消しや効力の停止といった処分が必要な場合は、指定居宅サービス事業者等の指定と取消しは都道府県知事が行い、地域密着型サービス事業者と居宅介護支援事業者は市町村長が行います。

スポンサーリンク

③第三者行為求償事務

【根拠】介護保険法第176条第2項第1号

交通事故のように、第三者(加害者)の行為が原因で要介護状態になった場合、加害者に対する損害賠償請求権を市町村が取得し、被害者に代わって請求できます。この事務のことを「求償事務」と呼んでおり、国保連が市町村から委託を受けて行います。

スポンサーリンク

④指定居宅サービス事業等の運営

【根拠】介護保険法第176条第2項第3号

国保連は、指定居宅サービス事業、指定地域密着型サービス事業、指定居宅介護支援事業、介護保険施設の運営その他の事業を行うことができます。審査や苦情処理だけを行う団体ではなく、自らサービスを提供することも法律上は認められています。

過去問を解いてみましょう

第37回問題87

介護保険制度の介護報酬などに関する次の記述のうち,適切なものを 2 つ選びなさい。

1 介護サービス事業者は,自己負担分を除いた介護報酬を国民健康保険団体連合会に請求する。
2 介護報酬の額の基準を厚生労働大臣が定めるときには,あらかじめ介護保険審査会の意見を聴かなければならない。
3 介護サービス事業者からの介護報酬の請求などに関する審査の事務は,社会保険診療報酬支払基金が行う。
4 介護保険施設入所者のうち,低所得者など一定の条件に該当する者を対象として,入所中の食費と居住費の負担軽減を図るための補足給付が設定されている。
5 介護報酬は,介護サービス事業所の所在する地域やサービスの種別にかかわらず,全国一律に定められている。

解説

1 ○ 介護報酬の請求先は国民健康保険団体連合会です。
2 × 介護報酬の基準を厚生労働大臣が定めるときに意見を聴くのは社会保障審議会です。介護保険審査会は、市町村が行った処分に対する審査請求を扱う機関です。
3 × 介護報酬の請求に関する審査の事務を行うのは国民健康保険団体連合会です。社会保険診療報酬支払基金が扱うのは医療保険の診療報酬です。
4 ○ 特定入所者介護サービス費(補足給付)として、低所得の施設入所者の食費と居住費の負担が軽減されます。
5 × 介護報酬は単位数で定められ、1単位あたりの単価は地域区分とサービスの種類に応じて異なります。人件費の地域差を反映させるためです。

第36回問題132

事例を読んで,病院のK医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)が,この時点でLさんへの支援のために検討すべきこととして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。

〔事例〕
Kは,変形性膝関節症で外来通院中のLさん(82歳,女性,独居,要支援 2 )から相談を受けた。Lさんは屋外の歩行が不自由で杖を使っているが,介護サービス等は利用していない。Lさんは,数年ぶりに趣味の歌舞伎鑑賞に出かけようと思い,介護保険制度のサービス利用について市役所に問い合わせたところ「本市では趣味のための移動支援は実施していない」と説明されたと言う。Lさんは転倒の心配もあり,歌舞伎鑑賞には見守り支援を利用したいと言っている。

1 Lさんの支援を在宅医療・介護連携推進事業の担当者に依頼する。
2 市役所の対応に関して,都道府県国民健康保険団体連合会へ苦情の申し立てを行うよう,Lさんに提案・助言を行う。
3 Lさんの歩行機能の改善を図るため,地域介護予防活動支援事業の利用を勧める。
4 Lさんの疑問や不安に対応してもらえるよう,介護サービス相談員と連携を図る。
5 Lさんの居住地を担当する「生活支援コーディネーター(第 2 層)」に連絡を取り,Lさんが利用できる,制度外の外出時の見守り支援策について相談・調整を図る。
(注)「生活支援コーディネーター(第 2 層)」は,中学校区域を基本とする日常生活圏域で業務に当たる職員である。

解説

1 × 在宅医療・介護連携推進事業は、医療と介護の連携を進める事業です。外出時の見守りは対象になりません。
2 × 国保連が扱うのは、指定居宅サービス等のサービスの質に関する苦情です。市町村が実施していない事業について説明を受けたことは、苦情の対象になりません。
3 × 地域介護予防活動支援事業は一般介護予防事業で、住民主体の介護予防活動を育成し支援する事業です。個人の歩行機能の改善を図るものではありません。
4 × 介護サービス相談員は、介護サービスの提供の場を訪問して利用者の相談に応じる者です。Lさんは介護サービスを利用していません。
5 ○ 生活支援コーディネーターは、制度によるサービス以外も含めて地域の資源を結びつけます。

生活支援体制整備事業についての記事はこちらです。
生活支援体制整備事業とは|生活支援コーディネーターと協議体の役割

コメント

タイトルとURLをコピーしました